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首相、総主教と会談/超国タオル・石鹸 他

ベルーサ総主教がコズイレフ首相と会談
正教高位職の参政権回復に意欲

正教会のサンサルバシオン及び全ベルーサ総主教ミンターヤは986年1月、共和国宮殿を訪問し、アレキサンドル・コズイレフ首相や政府高官らと会談した。共和国宮殿広報が伝えた。コズイレフ首相が招待したものだという。
総主教と首相は、共和国における信仰の自由についての現状や、基本的人権としての信教の自由の重要性について話あった。

コズイレフ首相は「総主教の訪問に感謝したい。ヴェールヌイ全体の安寧と幸福を追求するにあたり、ベルーサ総主教庁とは、より緊密な連携、協力関係を築いていきたい」と述べ、総主教は招待への謝意を伝え「こうして首相と会談できることは、我々にとって名誉なことであり、ベルーサの歴史上も重要な一歩である。ベルーサ正教会は、共和国の主権と平和、純粋社会主義の発展を支持している」と強調した。
首相は会談の中で、正教高位職者に参政権が認められていないことに言及した上で、これを解放することが、元来から連盟の方針であり、取り組んでいきたいとの意向を説明した。
これに対し総主教は、宗教権威が純粋社会主義発展を阻害するという”恐れ”は過去のもので、共和国の社会は十分に成熟しており、参政権の拡大も、人民の権利と義務の平等性を示すことになる他に、それ以上の影響を及ぼすことはないだろうとの認識を示した。

社会主義憲法は第三章で「人種・性別・宗教・教育又は社会的身分の如何に拘らず、その権利と義務において平等である」とし、信仰の自由についても明記されている一方で、これらは「純粋社会主義の利益によって制限を受ける」ともされており、第一章にある「公権力は特定の宗教権威・権力に支配・左右されてはならないこと」と併せて、選挙法において、宗教団体の指導的地位にあると判断される場合は、参政権(選挙権・被選挙権・公職就任)が剥奪されていた。
現在、これによって制限を受けているのは、正教会の高位職者である輔祭、司祭、主教など十数名ほどだ。

政府が公式に正教会と接触を図るのはこれが初めてのこととなる。
労働党から政権を奪取した文化自由連盟コズイレフ政権にとっては、国内でほぼ唯一かつ最大宗教(凡そ国民の30%)である正教会との関係構築をアピールすることで、これを国民統合や支持基盤の拡大の手段として利用したい思惑がある。
正教高位職者に対する参政権回復は、総主教ミンターヤが述べたように、それそのものがすぐさま政治的影響を及ぼすものではないが、これまで以上に、ベルーサ正教会、 サンサルバシオン及び全ベルーサ総主教(庁)の独立性に対して、関心を払わなければならなくなるだろう。

総主教と首相の会談について、労働党のヴィシリー・グリンカ書記長は以下のようにコメントした。
「ベルーサ正教会やその信徒が、共和国の社会で果たしてきた役割に敬意を有している。共和国人民の信教の自由は常に守られており、現在の最小限の制限は、自由な信仰活動を担保する為にも必要なことだと認識している。参政権の回復は、双方にとって必ずしも良いことばかりではない。首相が軽はずみに、改正の意向を示した事はまことに遺憾であり、人民議会における慎重な議論を求めたい」

またガトーヴィチ正教会イヴァングラート総主教及び全地総主教も「ベルーサに於る聖職従事者の参政権拡大を歓迎」とコメントを発している。
ベルーサ正教会とガトーヴィチ正教会はフルコミュニオン関係であり、この事も参政権を制限すべき事由のひとつとされている。

ロシジュアからタオルと石鹸が贈られる
共和国宮殿で一般展示

ロシジュア帝聖平和ドミニウム(以下超国)から共和国に対し、同国国産ブランドのタオルと石鹸が贈られた。
超国と友好関係を有する複数国に進呈されたものの一つで、共和国に対しては「友好国である貴国に対して敬意を表して」のものであるとされている。
タオルは 超国の国旗にも用いられる美しい黄金色の染料が使用されており、柔らかな肌触りだという。この染料は 超国でも比較的入手が困難なもので、それが原因で正式な国旗の配備が全てに行き届いていないほどである。
石鹸は、ロシジュアンローズの近縁種から採取されたオイルを、コールドプロセス製法によってコロッと固めたもの。ロシジュアローズは、超国を象徴する紫のバラで、同国の固有種である。一部例外を除いて国外への持ち出しが禁止されるているほどのものだが、その近縁種のオイルともあって、貴重かつ高貴なものだ。

このタオルと石鹸は、985年6月2日から末日までの約1ヶ月間、共和国宮殿で一般展示される。
展示開始日は、同国との友好/学術交流を定めたクレムリン協定の調印日を記念してのもの。
宮殿のロビーを開放して展示される予定で、特別な日を除き、事前予約なしに観覧できるとのことだ。

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ブルースター紙 発行:フリューゲル暦 35522期986年9月中旬

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