881年7月3日付革新党機関紙〈赤光〉
昨2日、レテン・ウェストカーネリアン大統領は連合党キウィク・ムトロライト名誉党首(前大統領)と共同で記者会見を開き、両党の下院における協力関係を定めた政策協定に合意したと発表した。両党は下院で合計366議席を保持しており、確かに両党の連立によれば過半数を確保することができるであろう。しかし、先の選挙で勝者となったのは改選前より93議席を増やし議会3分の1を超える議席を獲得した我々であり、我が党を差し置いて、両党合わせて100を超える議席を失い大敗した両党が組むのは民意に対する挑戦であると言ってよく、我が党はこれを許容できない。さらに、人民党と連合党は全く政策が似通っているとは言えず、ただ政界の政治力学のみを理由に作られた烏合の衆であるとしか言いようがない。
両党が公表した政策協定を見てみると、先の選挙における人民党の公約をベースにしているとはいえ、重要な点で相違がみられる。まず、政策協定は南部エラキス州パイロープ島の再開発を約束しているが、これは先の改憲で我々、旧労働党が否定した地域主義の表れそのものではないか。連合党に媚を売った結果、人民党は改憲の本義を見失ったと言わざるを得ない。さらに、外交政策において「882年末の現職の任期切れの後、外交委員長には連合党員を指名するが、外交に関する意思決定権は大統領が掌握する」という協定がなされていることについて、我々は断固として非難を表明する。現憲法において、大統領は各委員長の任命権を持っているが、実務上の権限を大統領に委譲することは認められておらず、このような行為を前例として認めてしまえば委員会社会主義の本質を形骸化させかねない。外交に関する権限は外交委員長が有しているべきであり、これは売り渡すことができるようなものではない神聖不可侵の権利である。人連両党の政策協定はこの点を理解しない、あるいは意図的に無視している。
我が党の外交政策が「急進的」であるとし、その「急進性」が連立を回避した主因であるというような噂も流れているが、我が党はあくまでFUN体制の安定のために、「国際の正義」を追求し、有事には「正義」を成し、平時には「正義」の何たるかを明確化するための議論を行うことを求めているのみである。我々が「急進的」であるというならば、それはむしろ人連両党が「停滞的」であると言うことを意味すると言っていい。外交を放置し何もしないことを是とするような人民党、FUN中心主義と本質的に敵対する連合党に、我々の外交政策を批判する資格はない。
我々の主張については、上院では広く理解を集めている。先のFUN総会への議案提出決議の採択もその表れであり、我々は必要とあればいつでも上院へ決議案を提出し、人連両党の外交がぬかるみに落ち込んで停滞することを阻止するであろう。
WTCO、ローレル共和国の一般理事国推薦を内部決定
情報筋によれば、WTCOは当面の間ローレル共和国を一般理事国として推薦することを内部で決定した。共和国は既にローレル共和国を無期限で推薦する旨FUN事務局に通告しており、現時点でWTCOのアクティブな加盟国であるガトーヴィチ民主帝国・ローレル共和国もこれに倣うものと見られている。ミルズの主権放棄による加盟資格の事実上の停止、ギルガルド社会主義共和国の政情不安定によりWTCOはその影響力を減じているが、FUN体制の一部としてのWTCOの役割は未だ存在しており、その観点からはWTCO加盟国3ヶ国がFUN安保理に選出され続けているという事実は評価できるであろう。
但し、一般理事国の長期にわたる固定化は安保理の機能が「特定国に有利な」ものになってしまうのではないかという懸念を生じさせていることは否定できず、FUN体制の安定化のためには適度な新陳代謝が必要との指摘は認識すべきである。仮に、FUN一般理事国の地位を求める国家が現れるのであれば、それは十分に考慮されるべきなのは間違いない。
また、安保理が個別的な事例に対して戦争の正当性の有無を決定する機関であるとするのであれば、総会は「正当性のある/ない戦争」とはどんなものであるのか、ということを(一般論として)決定する機関である。ミルズ皇国が第1回通常会期に提出した普蘭合衆国批判を最後にFUN総会に我が国以外から提出される議案は絶えて久しいが、安保理の同盟理事国たる我が国ではなく、その他の国々からFUNの活動に関する意見が提出されるのであれば我が国はは歓迎すべきであるし、FUN体制の安定化のためにもそれは望まれてしかるべきだと言える。
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