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宇宙移住計画発動 ほか

911年8月1日付

宇宙移住計画発動 全国民出航へ

これまでも一部国民が宇宙へ出発するなどしていた宇宙移住計画について、トルキー社会主義共和国政府は対象の全国民のエクソダス・アーコロジーへの移住や発射準備が完了したとして、911年8月上旬(32818期)に移住の発動段階である全アーコロジーの発射により、フリューゲルを後とすることを宣言した。

これに伴い、トルキー社会主義共和国政府は、宇宙空間に於いて各アーコロジーが高度な連携を取り続けることが困難であるとしてその機能を停止する。以後の行政等は各アーコロジーに設置された行政部門が担当する。

フゼイフェ・アルトゥウ国家評議会議長は発射を前に「我々はこれまでの経験を胸に、新たな希望に向かってへの歩みを進めていく。これまでのトルキーの歩みを理解をしてくださった全ての人々には深く感謝を申し上げる。」と話した。
なお、今後の自身の活動については「まだ何も決まっていない」としたが、過去に移民船内の共同体の長がフリューゲルに移住後そのまま皇帝に就任した過去に触れて「皇帝にならないように気をつける」とおどけた。

一方で、移住の将来に関しては一部より不安の声も上げられている。移住先候補星については各アーコロジーに共有されているが、あるアーコロジーの操縦を担う部門担当者は「情報は全く足りていない」と話す。
産業大臣は「さらなる情報は移住計画が段階を踏むごとに明らかになっていくだろう」と見解を示しているものの、各アーコロジーにはそれぞれの住民を導く甚大な任務が託されることとなった。
また移住に強固に反対した極一部の人々や移送が困難と判断された重大犯罪者などはフリューゲルの地に残り、非主権の環境下で暮らしていくこととなった。
移民に期待を寄せているという元アンカラ市民は「故郷が荒廃していく様を想像することだけが気がかりだ」と非主権の状態下において重大犯罪者や強固な反対論者のみが残るかつての故郷の今後を憂いた。

トルキーにおける社会主義の姿とは? 専門家振り返り

911年8月、トルキー社会主義共和国は宇宙移住計画の発動に移り、631年8月より続いたその体制に幕を下ろそうとしている。この第四共和制は「社会主義」を国是の第一に位置づけて「トルキー臨時社会主義連合」として発足した。その後637年8月の体制の正式な発足に合わせて「民主主義」と並ぶ揺るぎない体制となり、大小の憲法改正が行われながらも現在まで揺るぎない体制が継続してきた。
この「社会主義」とは、トルキーにおいてどのような姿を示してきたのだろうか。

移住直前の最後となる今回は、社会主義体制のトルキーにおいて真逆の概念と言える資本主義について研究を行い、選挙参加が認められていない自由民主党への支持を公言しているイスタンベル大学法学部のユーヌス・セキ准教授に話を伺った。

氏はトルキー労働党などの左派政党が公認してきた『階級闘争』という考え方に触れた。
「階級というのは多種多様な集団を非常に大雑把な大集団に分類する考え方だ。例を上げるならば資本家、貴族、王族等の”既に権力を得ている人物”、すなわち特権階級とし、それらの元で働く人々を無産階級とするやり方がある。」

さて、フリューゲルにおける階級の考え方はいかのようになっているのであろうか。
「特権階級にとって、”バカ”を”バカ”として切り離し自らの視界から排斥することはいとも容易いことだ。しかし、現在のフリューゲルにおける多くの特権階級はこのような事は”良心によって”行わないことがもっぱらだ。それはなぜか。これは旧世界における市民革命の起こりの時より、実際には”バカ”はバカであるとは限らず、場合によっては自らの特権は容易く奪われてしまうということを、多くの特権階級が既に認識しているからだ。」

一方で人類の歴史をたどっていく中で、階級による人間社会の隔絶は非常に長い期間主流であった。この”転換”はどこで起こったのだろうか。氏は人類は本質的に資本主義で成り立っているとする”資本主義人”を提唱しており、このように語る。
「資本主義の究極的な考え方は”競争”に置かれている。純粋にここに重きを置けば『出来る人だけがやってればいい』ということであり、旧世界において非常に長い間行われてきた慣習については、この結論に不文律としてたどり着いたからだろう。この考え方の破綻は旧世界におけるある時期に訪れた。それは市民革命の時代であり、破綻は『最大利益を目指す』という考えを欠いていたからだ。かつての時代、旧態依然とした政府は次々と対応に迫られた。ある地域では政府が大きく妥協する形で騒動を乗り切ったようだし、また別のある地域では政府が対応に窮し市民によって倒されるという事態に陥ったようだ。これらの騒動における原動力は全てこれまで特権階級によって”バカ”として切り離され、無視されてきた存在である。特権階級は、その”バカ”によって地位が奪われてしまうということをその時点より”知って”しまったのだ。」

実際にはこの”旧態依然とした政府”が現在も成立しているとされる事例は存在する。しかし氏はこの考え方自体に誤りがあると指摘する。
「社会主義理念が既に多くの人民の思考に根付いているトルキーにおいては想像し難いかもしれないが、トルキーも事実として”政治的な自由度を欠く”という批判が存在する。しかし、実際にはこの自由度を欠くという事由において体制が転換することは最後まで無かった。これは結果的に『最大利益』が第四共和制において実現していたからだ。利益の追求は一見して特権階級の専売特許と思われがちであるが、実際には切り離されている”バカ”にも可能なのである。各々が体制について利益追求に敵わないと判断すれば、そこがその体制の寿命となる。どれだけ”バカ”を視界から追いやろうとも、”バカ”が物事を俯瞰し考える権利を妨げることは出来ないのである。」

その上でフリューゲルにおける各国の政治体制について、
「現存する”旧態依然としている政府”、そしてその国家が資本主義の原則である『競争』を全面的に主張していることも私は把握している。そのうえで、私はこの政府に管轄される各々の人物はどう考えているのかを注視している。彼らは自らが”旧態依然”であることをむしろ誇りであると感じているようだが、実際にはその彼らでさえも現代社会を支配する『最大利益の追求』という観念からは逃れることは出来ない。そうでなければ彼らごと沙汰されるのみであるからだ。彼らはそれを”知ってしまっている”。その上で彼らは、空虚な誇りを胸にしながら適切な行動を取れるのだろうか。実に興味深いことだ。」
と話した。

トルキーにおける「社会主義」とは、トルキー人に「最大利益」を提供する存在であり続けることが出来たのか。第四共和政の中、トルキーは国家の急激な成長を経験し、サンサルバシオン条約機構において政治代表という責任ある立場を務めるにまで至った。今後トルキー人はごく僅かのみが地上に残留し、大多数は各々が搭乗するアーコロジーに暮らし宇宙に旅立っていくこととなる。各個の判断がさらに重要となる中、彼らが経験してきた「社会主義」はどのような影響をもたらしていくのだろうか。

アーコロジーの破壊未遂か 共産党議員らを一斉逮捕

911年7月、警察は13名の議会議員を含む共産党関係者41名について、コンヤ市内のアーコロジーへの破壊行為を試みたとして現行逮捕したと発表した。

警察によれば41名は共産党の「宇宙移住糾弾計画」において共同し犯行を試みようとしていたが、直前のリークにより露見。現地に待ち伏せしていた警察により現行犯逮捕された。
身柄はそれぞれ別々のアーコロジーの収監施設に移されるという。

この逮捕劇において唯一巻き込まれなかった共産党の議員となったナディデ・イルテギュン人民院議員は我々の取材に応じ、「もう過激主義なんてこりごりだよ~」と話した。

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