・フリューゲル中央銀行によるフリューゲル全体の経済計画のための予算支出について
本議題について、本会期においては決議案の提出を見送る旨お伝えします。現時点で各論点について一致した結論が見出せているとは言い難く、議論を将来の会期に持ち越すことが適当であろうと判断いたしました。最後に、2つの主要な論点について我が国としての見解を申し上げておきたいと思います。
1.理事国任期について
我が国の想定する限りにおいては明らかに5年間では不足であり、計画の実施に関して10年~15年程度の時間を必要とすることは間違いないだろうと考えております。
「具体的にどのような物が想定されている」のかについて質問がありましたので、特定の経済計画として、建国された国に対するウラン鉱山の開発支援を例に挙げることにしましょう。このような計画は、採択された時点で直ちに実施できるような性格のものではなく、計画が採択された後、実際にその対象となる新興国が現れることを待って実施されるものです。任期が5年といった短いスパンでは実際に対象となる新興国が出現した時点では既に計画の実施期間が過ぎているとか、計画を提出した理事国が退任していたとか、そういった状態が頻発してしまい、実際の経済計画の実施が円滑に行われるとは思えません。したがって、このような基本的な経済計画に対してであっても、実施期間を長めに取ることは明らかに必要です。
さらに、これが、新興国の産業開発支援といった、より大規模なものになるのであれば、実際の対象国が登場し、支援手続きが開始された後にも長い期間を必要とします。単なる施設の建設だけではなく、取引先の確保などにも関与することを想定するのであれば、特定国の産業形成が5年やそこらで完結すると期待するのは流石に無理があるのではないでしょうか?
なお、トータエ代表の提案する、計画の「引継ぎ」についてですが、我が国としてはこれを前提とした制度設計になることは避けたいと考えております。実際、フリューゲル中央銀行総裁においては、過去の総裁が採用した計画を後任の総裁が引き継ぐことによって中期的・長期的な計画実施を行った実績もあります。しかし、先代の総裁と地位としては連続しており、過去の総裁の策定した計画を引き継ぐことが当然視されていたフ中銀銀行総裁に対し、各加盟国の立場で計画の策定や実施を行うことが想定されている経社理理事国に「他の理事国の策定した計画を引き継ぐこと」を義務付けることは適切ではありません。
鉱山開発支援を例に挙げれば、ある理事国が提出したウラン鉱山開発支援計画に則ったウラン鉱山開発計画の実施中に当該理事国が退任し、後継の理事国が(例えばウランより銀の供給を期待するといった理由で)計画の実施に消極的な立場を取る可能性が考えられます。この場合、既に支出が決定されていたFunを実際に支出することは義務付けられるとしても、理事国の裁量が残っている支出(例えば、鉱脈探査に繰り返し失敗した場合の追加支出)についてその実施が滞るようなことになるかもしれません。これは望ましくない事態ではありますが、これを避けるために理事国に対して「前任者の計画だから」というだけの理由でその理事国自身は望ましくないと考えている計画の実施を要求することもまた、適切ではないでしょう。
したがって、計画の後任理事国への引継ぎを制度に直接組み込むことは控え、実際に計画の立案及び実施を担当する理事国が責任をもって最後まで当該計画を実施できるような制度設計が必要であろうと我が国としては考えております。
2.投票手続きについて
我が国としては全会一致は望ましくないという立場は引き続き維持しますが、これについては論理的にどちらが望ましいかというよりは各加盟国がどちらを支持するかという問題であるように思います。今後、本議題について再度議論される際に、今回発言があった国、なかった国双方ともに、本件についてどちらが望ましいと考えているかについて意見表明が行われることを期待したいと思います。