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トーネ大統領、圧勝で再選

972年7月1日付〈中央通信〉

 6月26日に行われた大統領選挙一般投票は72.7%を得票したトーネ・ユーファストーン大統領が完勝で再選を果たした。革新党は前回選挙で協力体制を組んだトーネ大統領に対抗馬を立てず、人民党も委員長クラスの主要候補を擁立できなかったため再選は選挙前からほぼ明らかであったが、改めてこの結果は「連合党一強」の政界情勢を象徴するものであると言えよう。トーネ大統領は972年末をもって退任する5人の委員長の後任を30日付で発表、973年に発足する第二次トーネ政権の委員長は次の通りとなった。

委員会氏名イデオロギー政党・期
中央処理委員長ケネト・カーネリアン委員会主義人民党・新任
内務公安委員長テハネ・ヘリオトロープ中道連合党・新任
軍部委員長ヤレン・ウェストカーネリアンサンディカリスム革新党・2期
動力委員長アドリアン・ビニェス・ガルドス国家社会主義南の風・2期
生産搬送配給委員長チジノ・ジャスパー自由主義連合党・新任
住環境委員長ミンス・クリソプレーズ自由主義無派閥・2期
研究設計委員長ムーア・コーサイト社会民主主義無派閥・新任
技術委員長タイア・モスアゲートサンディカリスム連合党・新任
外交委員長テレト・ブラッドストーンサンディカリスム連合党・2期

 このうち、ケネト中央処理委員長及びチジノ生産搬送配給院長に関しては公認候補となり得る上院議員5名のうち4人が委員長と同時に引退したため、大統領が実質的な任命権を行使できたのはテハネ内務公安委員長、ムーア研究設計委員長、タイア技術委員長の3人にとどまる。テハネ内務公安委員長、チジノ生産搬送配給委員長、タイア技術委員長は連合党系で、留任したテレト外交委員長と合わせて連合党系の委員長が4人となったことは978年の「ポスト・トーネ」を巡る競争に一石を投げ込む形となった。もともとテレト外交委員長は「978年の連合党公認大統領候補」となることと引き換えにトーネ大統領に今回を譲った経緯があるが、サンディカリストであるトーネ大統領の後任が再びサンディカリストのテレト外交委員長となることには党内の右派や自由主義派からの反発を呼んでおり、「テレトに替わり得る候補」が現れたことで党内での次期大統領選挙を見据えた綱引きが活発化しそうだ。
 一方、エルナンド・ロサス・ペルニーア元動力委員長以来のセビーリャ系動力委員長として2期目を務めることになったガルドス動力委員長も次期大統領選挙に南の風から出馬することを検討している。南の風は970年末の共和国議会選挙で史上最多となる82議席を獲得して第3党に躍進しており、これまでの「大統領選挙は局外」の立場を転換する模様である。南の風支持者は連合党にとっては重要な票田であり、ガルドス動力委員長が出馬した場合は連合党が次回大統領選挙で目指す「公認候補の一般投票での過半数票獲得」(=上院投票なしでの当選)の達成は難しくなるかもしれない。

セニオリスに対する経済制裁発効

972年11月25日付〈中央通信〉

 3月下旬、フリューゲル国際連合安全保障理事会は第32号決議を全会一致で採択、セニオリス共和国の「救国評議会」を名乗るクーデター政権に憲政への復帰を強く求めるとともに同国に対する物資輸送をすべて停止するようFUN加盟国に対して要請した。この直後に最後までセニオリス共和国と貿易を行っていた新洲府共和国が同国への送金を停止、同国は国内の商業収益を除けば資金収入を完全に断たれることとなった。同国内の資金備蓄は11月下旬時点での推計値で150兆Vaを切っており、同国の経常収支が毎期1.7兆Va程度の赤字を記録していることから、遅くとも975年末ごろには同国の資金は枯渇すると見込まれている。
 しかしながら、クーデター政権は安保理の要求を引き続き拒否、8月には「セニオリス・スラヴ国」憲法を採択して新体制を発足させている。同国に対する国際社会の目線がいよいよ強くなり、SSPactは条約機構軍を動員したと伝えられる中、クーデター政権はいつまでもこれまでの態度を続けることはできないだろうが、「変化」し得る余地も少ない中でこのような状況はいつまで続くのだろうか。

【寄稿】経済制裁は自らの首を絞めている

 本年8月中旬、共和国は成蘭王国から食料400億トンの臨時輸入を行った。同国からの大規模な輸入が可能であったこと自体は喜ばしいことであるが、食料の大規模輸入がそもそも必要になったのはなぜだろうか。答えは明白であり、連合党政権の過剰に介入主義的な外交姿勢のためであろう。
 共和国はこれまでセニオリス共和国から2ヶ月あたり80億トンの食料を輸入していた。同国で発生したクーデターの直後、971年5月に現政権は食料輸入を停止し、かわってリブル民主主義人民共和国からの2ヶ月あたり20億トンの輸入を開始している。外交委員会は貿易停止や安保理決議による国際社会からの圧力があればセニオリス「救国評議会」は直ちに音を上げると考え、食料輸入の停止は短期間にとどまると考えたのかもしれない。しかし、「救国評議会」は頑固にその態度を変えず、貿易停止は長期化の兆しを見せ始めている。リブルからの食料輸入は共和国の食糧事情悪化を遅らせこそしているが解決はしておらず、そのために応急処置として単発輸入が必要な状況になっている。
 食料供給の不安定化は共和国の不安定化に直結する。このような事態になることがあらかじめ想定できたにもかかわらず、安易な経済制裁に手を出した連合党政権は反省すべきではないのか。経済制裁に伴って燃料輸入を停止したヘルトジブリール社会主義共和国や新洲府共和国も代替輸入先の確保に追われており、フリューゲルの貿易網自体を混乱させる経済制裁は一刻も早く解消すべきであろう。もちろん、「社会主義に反対することはすべてを正当化する」と考えており「資本主義」を冠した同盟を組織し世界を戦争に巻き込んだかつてのセニオリスを彷彿とさせる「救国評議会」の行為を容認することはできないが、外交政策とはそもそも国内安定化のための手段であろう。自己目的化した外交政策の手段として共和国自体を危うくするのは本末転倒ではないか。

文責:ケネト・カーネリアン 人民党を代表して

【社会】海外旅行ブーム、留まるところを知らず。「出入国手続き緩和様様」旅行会社社長
【経済】烈国家規模縮小により「世界一位のチャンス」説も「国際的な燃料需給状況的に拡大はない」外交委員長

【国際】リブル・普蘭とイーチマータ教との交戦激化。瀬クーデターに話題をさらわれ市民の関心は低いまま。

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