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各院任期を延長の法案成立 ほか

875年9月30日付

公職選挙法改正案が成立 次回選挙以降順次適用

875年5月、地方議会を含む各院の任期を3倍に延長する公職選挙法改正案が賛成多数により人民院で可決された。法案は既に地方院を通過しており、新しい任期規定は次回選挙以降順次適用される。改正案はライフスパンの長いフリューゲルにおける民主主義の有り様を考慮し、選挙間隔の延長によってトルキーの民主主義がより一層成熟することを狙ったもので、第62回人民院選挙を挟む形で行われていた各党での活発な議論が実った形だ。
その他与党の社会民主党は人民院選挙の大選挙区制をそれぞれ細分化し「中選挙区制」とする構想も主張していたが、これについては分割方法など議論がまとまりきらず提出は先送りとなった。

法案成立に対する市民の声は概ね良好だ。アンカラ市民は「路線が正しいのか見極めたいときであってもその場で判断を迫られる場合があるために毎度毎度投票に困っていた。ありがたい。」と話し、またイスタンベル市民は「政界・市民双方でじっくりと議論が行われることで、トルキーの民主主義は成熟できることだろう。」と歓迎した。

一方で法案成立に伴い混乱も見られる。地方院では任期延長を純粋に適用する場合第42回選挙と第43回選挙との間で10年間半数のみで運営される期間が生じることとなるが、政府はこの事態に対し「次回選挙は全264議席を改選対象とし、上位の132議席を第42期議員扱いで30年、下位の132議席を第41期議員扱いで15年」とすることを閣議決定した。次回の第42回地方院選挙は2ヶ月後の875年7月に控えており、土壇場での変更に野党トルキー労働党のある地方院議員は「混乱回避を名目に余計な混乱を生んだ」と苛立ちを見せた。
地方院の来歴を振り返ると創立当初の第1回地方院選挙は半数のみの選出が行われた前例がある。閣議決定が与党にとり吉と出るか凶と出るかは未知数だ。

第42回地方院選挙実施 環境主義躍進の結果に

875年7月、任期満了に伴う第42回地方院選挙が実施された。2ヶ月前の任期を3倍に延長する改正案成立及び関連した閣議決定があったことで、出馬にあたってはこれまでの第41期議員らの一部に混乱が見られたものの、それ以外には大きな問題無く進行し無事に幕を閉じた。

トルキー労働党は国政での連敗から地方院選挙での立て直しを目指し、各地での県政与党としての実績を中心に展開した。
社会民主党は議会運営のさらなる安定化を目指し、地方院での第一党奪取を目標で各地で行政改革を掲げるなど積極的攻勢を仕掛けた。
共同会派「チューリップ同盟」は緑の党最大の基盤であるブルシ県での実績を強調した他、各地で環境意識を高めるべきとの演説を行った。
「自由と正義の会」は連立交渉を発端とする会派内での温度差から存続が危ぶまれながらの選挙戦となった。共和人民党は協力する地域政党のクルディア民主主義党と共に各地での勢力拡大に腐心し、公正党は数少ないリソースを集中して運用した。
「共産主義戦線」は派閥闘争により異例の選挙戦が続いた。演説中に対立派閥の議員の批判を開始した共産党員を、同席した革命的マルクス主義研究会員が慌てて止める場面も見られた。

★は県政与党、-は不出馬、()内は下位当選で任期15年の第41期扱い
(TİP:トルキー労働党、SDP:社会民主党、CHP:共和人民党、AP:公正党、KP:共産党、Ye:緑の党、KDP:クルディア民主主義党、DMÇG:革命的マルクス主義研究会、YK:緑のクルディア、EET:アルミニア民族共同体)

選挙区TİPSDPCHPAPKPYeKDPDMÇGYKEET定数
アンカラ4(4)2(2)0(0)0(0)6
イスタンベル2(2)4(4)0(0)0(0)6
ブルシ3(3)4(2)1(1)0(1)0(1)★4(4)12
イズマル★4(4)5(4)1(1)1(1)0(1)1(1)12
アンタリア★4(4)4(4)2(1)1(1)0(1)1(1)12
コンヤ★5(4)4(3)1(2)1(1)0(1)1(1)12
カイサリ★6(5)4(3)1(1)0(1)0(1)1(1)12
マラテヤ★5(4)3(4)1(1)0(1)1(0)★2(2)12
カリス★4(4)3(4)1(2)1(0)1(0)1(1)1(1)12
ディヤルバクラ4(4)4(4)★1(2)1(0)★2(2)12
ムシュ★5(5)5(4)0(1)1(1)1(1)12
エリジラム4(3)★5(5)1(0)0(1)★1(2)1(1)12
50(46)47(43)8(9)4(6)2(5)11(11)2(3)2(2)4(5)2(2)132(132)

選挙結果は地方に強いと言われるトルキー労働党が意地を発揮し、地方院第一党の地位を死守した。一方で第一党を逃した社会民主党も6議席差まで肉薄しており、一概に勝利といい難い。結果を詳しく見ればトルキー労働党、社会民主党共にあと一歩が届かずに議席を獲得出来なかった例が多数見られ、双方は選挙戦略の見直しを迫られそうだ。
「チューリップ同盟」は基盤とするブルシ県のみならず各地で支持拡大に成功し勢力を大幅に伸長させた。緑の党は環境政策のより一層の拡充を図ると宣言し、政権での存在感はより一層増しそうだ。
「自由と正義の会」も個別の選挙区での快勝こそ起こらなかったものの各地での議席獲得に成功している。一方で第42回の今回のみに限った現象である第13位から第24位までの下位当選枠に救われた印象も拭えず、勢力を次回選挙以降も維持していけるかは未知数だ。
「共産主義戦線」を主導する共産党は派閥闘争の影響を著しく受け、一定の基盤を有しているとされる選挙区においても議席を失う大敗を喫した。しかしこの事態に対しても守旧派急進派双方はお互いへの責任の擦り付け合いに終止しており、党が一致団結する未来は見いだせない。

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