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人民党圧勝、単独過半数

920年12月28日付〈中央通信〉

 「時計の針は40年巻き戻った」が選挙結果が明らかになった後最初のシジト大統領の記者団に対する発言になった。連合党の主張する首相制度導入、FUN総会第7回通常会期においてシジト政権が烈天の反対を押し切って可決させた臨時選挙制度などへの評価が争点となった第38回共和国議会選挙(下院総選挙)は野党人民党の地滑り的な圧勝に終わり、シジト大統領は残り4年間の任期を議会のわずか3分の1の支持を背景に務めざるを得なくなった。
 人民党以外の各党は軒並み議席を減らした。シジト政権の与党である革新党は議席を100議席近く減らして199議席となり、事実上の閣外協力となっていた南の風も議席の4分の3近くを失いわずか9議席となった。野党ながら複数の委員長を擁して政権中枢への影響力が少なからずあった連合党も議席を減らし、結党以来の1世紀半以上の歴史で初めて3桁の議席を確保できなかった。連合党は社会主義の語を排して党内自由主義勢力への配慮を図った新綱領が裏目に出た形で、実際出口調査ではこれまで一貫して連合党に投票していたサンディカリスト層が一気に人民党に流れたと指摘されている。
 シジト政権は単独過半数を確保した人民党との協力なしで政策を進められなくなり、特に外交政策においては事実上レームダック化したと言われている。臨時選挙制度が加烈天協調を損ねたという批判が加烈天関係の重視を唯一明示的に打ち出している人民党への票流れにつながったことは明らかで、臨時選挙制度を推進してきたタイク・コーサイト外交委員長も「世論の支持を受けていないことから、この制度の定着のために共和国が力を入れることは難しいだろう」と肩を落とした。

烈、臨時選挙制度廃止をFUN総会に提案

 921年に開始されるFUN総会第8回通常会期の議題として、レゴリス帝国は「臨時選挙制度の廃止」を提出した。同国は先の通常会期で我が国の提案する臨時選挙制度の創設に直前で反対、決議案への投票の場においてもヘルトジブリール社会主義共和国とともに反対票を投じている。決議案自体は可決され、臨時選挙も919年から920年にかけて実施されたものの、同国の制度への立場は改善されなかったようだ。
 シジト政権は当初は臨時選挙制度の「維持」に全力を注ぐ立場であったものの、人民党が加烈天協調の優先を前面に打ち出して選挙で大勝したこともあり、政権は事実上「両手を縛られた」状態でこれにあたらざるを得ない。外交委員会関係者からは「共和国が制度を擁護する立場で議論の前面に立つことはさらなる人民党への世論流れを呼びかねず、人民党の影響力がこれ以上強くなることを避けるためには方向修整もやむを得ないのは委員会内のコンセンサスだ」との声も聞こえ、次回会期で強い態度を示すことは難しそうだ。革新党内からも反瓦的な左派を中心に「我々はFUNの活発化を目指しているのであって、特定の制度に固執して加盟国間の対立を生むことは望ましくない」と選挙制度の廃止に同調する声も上がっており、選挙制度を推進するタイク・コーサイト外交委員長や連合党にとっては厳しい情勢だ。

【国際】臨時選挙の「公正な抽選」の内容について流言飛語。「じゃんけん説」「麻雀説」などが有力も政府は否定。
【経済】リブル・セニオリスからの石材輸入活発化、国内の建材備蓄回復。Funによる債券償還もあり国内資産は増加傾向に。

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