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停滞するカルーガ条約機構とその行き先

執筆:新報オンライン ペカレフ・ミカラ二コフ

1135年に発足、1139年に現形態となったカルーガ条約機構。

発足当時こそ、外交な活発な5国の連携と、それらによる農工商自給までもが期待されていたが、今では国内外からは冷ややかな目が向けられている。

発足のきっかけとなった我が国、トータエ社会主義人民共和国は、政治・経済ともに停滞傾向にあり、1161年には「経済発展度が過去最低」と発表するまでに至った。

また、30年以上前から唱え続けている「軍拡」とやらは国民を安心させるための舌先問答に過ぎず、実際のところは衛星一つをメンテナンスして満足しているのみである。

人口増加政策によって数字だけの経済を膨らませた祖国は、「世界2位」という堂々とした名義を預かったが、政治の進展度はまさに「世界”ワースト”2位」だろう。

社会主義人民共和国の名の下に、行われているのはただの腐敗した御飯事である。無論、人民はその道具に過ぎない。

そのトータエ社会主義人民共和国の友邦である、ノエシタ社会主義共和国連邦。

カルーガ条約機構の中で唯一停滞していないと言っていいだろう。

その経済規模の成長は停止しているものの、石油産業や鉱業などに活発に取り組んでおり、国家成長指数を少しずつではあるが確実に上げている国だ。

一方で、5か国もの大所帯の連盟に加盟していながら、資源が不足しているのは不幸と言えるだろう。

本来、KPOは構成する国の国家規模などから、分業に取り組むことが可能だと期待されていた。

しかし、実際はウランと銀を飽きるように生産しつづけ、やっと他国から手に入れた鋼鉄も自国のみのために使われるだけである。

KPOの中では外交に積極的ではないノエシタは、KPOへの加盟により自給社会に入りいることができるとの期待を込めてKPOに加盟したが、それは的外れだったようだ。

ノエシタの窮地に支援を続けていた我が国も、ここまで腐敗してしまえば他国を救う顔などもない。

彼らと共に原加盟国として加盟したルクスマグナ共和合衆皇国だが、ここは我が国より腐敗が進んでいると言っていいかもしれない。

政府の政治”放棄”によって国民の幸福度指数は最貧国レベルの51まで低下し、反乱勢力の軍事蜂起を許している状態にある

「共和して合衆する」ルクスマグナの姿はどこにもない。

他のKPO諸国が国としての体を保っている中、この国はもはや無法地帯と化している。

KPOの給食棟となることが期待されたルクスマグナだが、無計画に開発された本土では産業化が進んでおらず、軍事蜂起により荒地を増やすばかりである。

また、ルクスマグナの主産業である鉱業も、その輸出のほとんどをKPOではなくWTCOに行っているという愚かな現状に加え、これまた無計画に堀った石油も余らすばかりで輸出をしないもので、KPOへの貢献は皆無だろう。

レゲロ社会主義人民共和国は、どこぞの社会主義人民共和国より活発に活動している印象があるが、一方で慢性的な食糧不足に悩まされているという状況にある。

レゲロに取材に向かった同社記者によると、「レゲロのレストランではまともな飯が出てこない」らしい。

民族自治管区ハルィチナーと食料輸入と交渉を進めているようだが、これを逃さんとも言わんばかりにかの国の強みである軍事力(砲弾)を搾取されようとしているところである。

また、レゲロは工業の特化率に悩まされてきたが(理由は明らかに、商業人口による工業人口の低下である)、最近は別の問題にも直面している。

その主犯はルーンレシア帝国だ。

ルーンレシア帝国は世界有数の経済大国でありながら食料のほぼ全てを自給するほか、鋼鉄についても十数年前まで定期貿易を取り付けていたなど、その政策の優秀さには評価すべき点も多いが、貿易政策でひとつ大きな誤りをしてしまっている。

彼国は銀の定期輸出限界(2.1万トン)を大きく上回る2.6万トンを輸出しており、その所為によりレゲロでは工業が停止するなど、他国にも重大な問題を押し付けている。

KPOの停滞による影響はKPO外部との外交にも及んでいる。

国際連合の新事務総長となったブルミスキー氏は遅刻が相次いでおり、トータエの怠惰はまさに全体にまで浸透しているようだ。

また、ルクスマグナは国際連合の場でエーゲ問題について「軍人の処罰」について宣言したが、実際に実行したのは最近の出来事であり、それについてまだ説明もなされていないなど、その外交姿勢に大きな問題が見られる。

かつてから「国連主義」であったルクスマグナは、国連の「威」を損なってしまうのだろうか。

そして、停滞するKPOが今後急進し、これまでに挙げた問題点を解決できるのか、歴史の目撃者は我々である。

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