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第2回大統領・議会選挙実施 他

931年5月28日付

【政治】第2回大統領・議会選挙実施 政界に衝撃

<イグナイト・タイムズ>

ヤコヴ・ファーラン前大統領と議会の任期満了に伴う第2回選挙が931年5月に行わた。

前大統領は「臨時政府体制を加味すると続投は3選制限に掛かる可能性がある」などとして大統領としての2期目への挑戦を固辞していたため、大統領選挙はそれぞれ新人同士の争いとなっていた。党における予備選挙では前大統領の娘であるペトラ・ファーラン氏が勝利したため、国民的人気の高さもあり「事実上のファーラン政権2期目」が到来するとの見方が大勢を占めており、社会民主党のサマンタ・プロシネチキ氏、分裂選挙となった保守党のアンドレイ・ラーゲルクヴィスト氏(王権派)、ブランコ・バルバリッチ氏(軍制派)は共に泡沫に終わるとの見方さえもあった。

しかし選挙結果は、元教員のプロシネチキ氏の勝利に終わるという衝撃的なものであった。さらに議会選挙においてもセニオリス自由党は自由派を中心に計30議席も落とす結果となり、野党の伸長と党内勢力の構図の大変革を許した。

大統領選敗北を受けて開かれた緊急党大会は紛糾した。党公認候補だったペトラ氏は「私の力が及ばなかった」と謝罪した。しかし新たに党議員の過半を占めた進歩派から「世襲しようとしたから負けた」などとの声が飛び、それに対しペトラ氏を擁する自由派は「社会主義者が居たから負けた」と応戦し、一触即発の事態となった。その場は発言に関与していない議員らの仲裁によって取り持たれたが、進歩派に燻っていた不満は収まることなく、その後の党の要職を定める議論では今度はラーゲルクヴィスト氏の選挙演説に一部議員が登壇するなどしていた立憲派に対し「右翼の裏切り者」と怒号が飛んだ。これらの背景には進歩派が第二派閥に躍進したにも関わらず政府要職への任命は副議長含め3名にとどまった前回選挙での不満があるとされ、敗北を受けて一気に噴出した格好だ。

これらの騒乱をよそに、プロシネチキ新大統領は就任会見で「市民生活を守って欲しいという切実な国民の願いの現れだ」と分析し、「全ての人々が豊かさを享受できる社会を作り上げる」と抱負を語った。所属する社会民主党は議会では伸長したとはいえ37議席に留まっており、法案や予算案などの成立には自由党の協力が不可欠だ。進歩派出身の新たな自由党議会議員団長は「協力できるところは遠慮なくする」としているが、自由派議員などは「社会主義者と手を結びたくない」と明確に忌避感を示しており、政界、更には自由党の行く末が案ぜられている。

【政治】”自由党左派”? プロシネチキ政権を読み解く

<新セニオリス通信>

931年5月の第2回選挙の結果にセニオリス自由党幹部らは大きな衝撃を受けた。当選確実と見られていたペトラ・ファーラン氏の敗北、自由派議員から相次いだ落選は自由党にとってまさに大打撃と表現するに十分なほどであり、勝利が既定路線として考えられていた政策パッケージは大きな見直しを迫られることとなった。
社会民主党より当選したサマンタ・プロシネチキ大統領は選挙期間を通じて福祉への財政出動の必要性を訴えていた。これが国民に「新自由主義」への懐疑を生むきっかけとなり野党議席の伸長という結果まで生み出したわけであるが、一方で社会民主党単独では過半に到底届かない状況は変わっておらず、敗北しても過半を握っている自由党との協力の行方に注目が集まっていた。最終的に議会で承認を受けたプロシネチキ政権の大統領補佐団の顔ぶれは以下のようになった。

役職名前所属
副大統領ダリオ・ヴィドヴィチセニオリス自由党(進歩派)
外務長官ダヴォール・ラチャンセニオリス自由党(共和派)留任
防衛長官ドナ・メシッチセニオリス自由党(進歩派)
法務長官ドゥブラフカ・ショラセニオリス自由党(進歩派)
財務長官オリーヴィア・チリッチセニオリス自由党(共和派)横滑り
内務長官ブランカ・ブラジェビッチセニオリス自由党(進歩派)留任
国土開発長官ラヴォスラフ・トムリャノビッチセニオリス自由党(進歩派)
教育科学長官ゴラン・ラニロヴィッチ社会民主党(右派)
経済産業長官ヴェスナ・タイチェヴィチセニオリス自由党(進歩派)
資源・エネルギー長官ロベルト・マティアヴィッチセニオリス自由党(共和派)
運輸衛生長官フラニョ・シカティッチセニオリス自由党(進歩派)
農務環境長官ステファン・コヴァチェヴィッチ社会民主党(右派)
労働長官ヴェスナ・リンドヴァルセニオリス自由党(進歩派)留任

当初囁かれていた「共産主義との連携も辞さない抜本的な政権交代」の可能性に各界は戦々恐々としていたが、蓋を開けてみれば前政権からの留任が3名、横滑りが1名含まれ、社会民主党出身者は2名に留まる「自由党左派政権」とも呼べるような体制に落ち着いた。

中でも注目されるのは、進歩派が不満を示した自由派、立憲派の長官が軒並み排除される中、進歩派ではなく共和派から任命されたマティアヴィッチ=資源・エネルギー長官である。前長官の横滑りによる穴埋めという形で任命された彼は大統領との政策的な距離が遠いといわれ、プロシネチキ政権における自由党の影響力の強さを色濃く表すものと評されている。

また、前資源・エネルギー長官からの横滑りで任命されたオリーヴィア・チリッチ財務長官は就任早々「財政規律の重視」を表明した。明言こそしなかったものの大統領の公約であった「大きな政府」政策への意識が感じられるものであり、専門家は「現在絶大な影響力を持っている進歩派は、元来一定の財政出動は容認するといわれる。その中でのあえての任命には社会民主党の大統領を弱体化させ、あわよくば完全に有名無実化させようという明確な敵対心が伺える」と話した。

この人選により、政策筋は「本来与党である社会民主党左派よりも自由党の各派閥のほうが政策的な距離が近い政権となった」としている。
事実上政権から排除される格好となった左派の幹部は「自由党が首を縦に振らなかったんだろう」と一定の理解を示したものの、「6年間の辛抱だ」と中間選挙の実施を暗に求めた。ある右派重鎮も「このまま12年持つはずがない」と危機感を示しており、プロシネチキ新大統領がその任期の4年目、5年目において中間選挙の実施を決定するのかに注目が集まっている。
これに対しある自由党進歩派議員は「解散すればその後どうなるかわかるだろう」と選挙後での不信任決議を示唆して牽制している。
大統領自身は今回の人事について「建設的な協議に基づいて任命出来た」と話しているが、進歩派には「社会民主党からの補佐団入りを2人も認めてあげた」と今回の人事に関し”譲歩した”との見方すらあり、対立の先鋭化が懸念される。

自派閥の議会勢力に支えられ盤石な政権運営を行った初代大統領と打って変わり、第2代大統領は地盤なき状態から始まることとなった。事実上の自由党政権と化すか、制約の中で社会民主党の独自色を打ち出していくのか、世論の注目が集まっている。

【社説比較】見送られた国連加盟 外交議論の行方は如何に

<セニオリス共同国際通信>

ファーラン政権は政府代表としての約4年2ヶ月及び大統領としての12年の期間を終え退陣していくこととなる。
各紙はその功罪はさておき概ね「共和国の未来に続く基盤を築いた」との評価を下しており、それは16年2ヶ月の間に共和国がNewly Industrializingとの経済評価を受けたことからも概ね事実であると考えられる。
しかしながら、残念ながら外交分野に関しては「未来に続く基盤を築いた」とは言い難いとは衆目の一致するところである。

ファーラン政権の大統領としてのスタートと共に新任されたダヴォール・ラチャン外務長官は当時、「平和愛好の原則に立ち、共和国の国益に資する外交を展開する」との抱負を語り、”平和愛好の原則”との言葉から国連加盟を示唆したのではないかとして話題となった。
プロシネチキ政権においても引き続いて外交長官を勤める彼は「外交での基本的な方針は継承している」と話しているが、国連加盟に向けた具体的な動きは無いに等しいのが現状だ。

新セニオリス通信はこうした政権の現状を「理解不能だ」と断罪。「国連と『平和愛好の原則』を共有していることは明白であるのに、理由も示さず具体的な動きすらしないのは政権の怠慢だと言う他無い」と批難した。

労働者ネットワークニュースも「過去交流のあった国々が国連加盟国であるのは12年間においても変化がない」と指摘し、「2国間関係強化の面においても、国連加盟は有用であることにも変わりない」とメリットを強調した。

国連内部で行われている議論に関連し社説を展開する媒体も見受けられた。

イグナイト・タイムズは「国連への加盟是非は”交渉カード”になり得ない」と指摘した上で、「総会不要論や一般理事国臨時選挙制度などにおける議論から分析し、外務省の処理能力を超えると判断している可能性がある」と推察した。

北方セニオリス新聞は「外交は共和国の重要議題ではない」とし、「国連の組織などといった大局的な議論への参加は共和国の国益にはならない」と主張している。

ヤドラスコ・グループは「総会不要論の主張、一般理事国臨時選挙制度の議論は、国連が何ら機能性を持っていないことを明らかにした」として、「共和国が巻き込まれる必要性などまったくない」と往来の主張を繰り返した。

プロシネチキ大統領を輩出した社会民主党は、第2回選挙においては「国防を自国のみで考えるのは危険だ」と主張したが、国際組織などの名前が出されることは最後まで無かった。政権は外交議論を可能な限り避ける方針とまで伝えられるが、新政権の一挙手一投足に目が離せない。

その他

  • 【政治】プロシネチキ大統領、大統領令第18号『食料の海外輸出の奨励』に署名 「大きな政府」批判に資金確保アピールか(北方セニオリス新聞)
  • 【政治】共産党、プロシネチキ政権との連携「是々非々」 全面的協力は見送り(労働者ネットワークニュース)
  • 【国際】国連内部で高まる「国連不要論」? 識者は「グローバリズムの反動」を指摘(ヤドラスコ・グループ)
  • 【社会】高まる労働組合組織結集の機運、背景に「労組潰し」 「活動家」イメージの刷新は急務(労働者ネットワークニュース)
  • 【お知らせ】919年5月26日付配信記事における広告を踏まえて全面的に広告のあり方を検討し、配信について当面の間停止することと致しました。ご理解とご協力をよろしくお願いします。

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