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【特集号】ツァリーツァ・インターリに聞く「古き良きツァーリ」とガトーヴィチの今後

【インタヴュー】ツァリーツァ・インターリに聞く「古き良きツァーリ」とガトーヴィチの今後

一般に、ロムレー人にとってガトーヴィチの言語・文化・社会はとても理解しがたいものであると言われる。
そして、これは多くの場合はロムレー人のガトーヴィチに対する無関心・冷淡さをもたらし、あるいは稀に過度の期待を生む(教会評議会の対ガトーヴィチ正教会への積極的な支援はこれによるものであろう)。
しかし、今回の一件でロムレーの友邦ロシジュアTISCが一時燃料危機に陥り、安保理も対応を迫られたように、やはりガトーヴィチ民主帝国はフリューゲルにおける主要国の一つであり、ガトーヴィチ理解の進展の重要性が明らかになったといえよう。
そこで、今回はこの内戦で時の人となったツァリーツァ・インターリとロムレーで数少ないスラヴ学研究者のシュザン教授の対談をセッティングした。以下にその内容を掲載する。

シュザン教授(以下「シュザン」)「Для меня большая честь встретиться с вами, ваше Величество. (お会いできて光栄です、陛下)」
ツァリーツァ・インターリ(以下「陛下」)「Здравствуйте! Вы хорошо говорите по-готовитски.(こんにちは!ガトーヴィチ語がお上手ですね)」
(以下でも対談はガトーヴィチ語で行われたが、紙幅の都合上筆者による訳文のみ示す)
シュザン「いえいえ、専門はロシジュアなのでガトーヴィチ語に関しては正直あまり自信がありません。さて、ツァリーツァ改め次代君帝となられましたが、まず初めに、これは純粋な関心なのですが、「君帝」という称号ではなく「ツァーリ」という称号をお選びになった理由を聞きたく存じます。」
陛下「「ツァーリ」は聖職性と世俗性が一体となった存在であり、私の理想でありました。それに、君帝を名乗ることで君帝である弟ヤルルィークの権威に傷を付けたくなかったのです。」
シュザン「なるほど。陛下はそのような「古き良きガトーヴィチ」の特徴とはどのようなものであると考えておいでですか。」
陛下「これからなる君帝は、「人民と森羅万象によって」与えられる称号。人々の願いに耳を傾け、自然と調和する。建国前史では、辛うじてこの地にたどり着いた先祖が、一本のイネを植えたところ、瞬く間にタンボになったという。人民に思いを馳せ、この素敵な地を守り継いでいくところに、君帝の役割があると思います。」
シュザン「「古き良き」、これはロムレーの政治思想でもよく用いられる語です。「人民と神羅万象」、これがガトーヴィチにおける政治的正統性の観念の基礎にあるわけですね。」
陛下「私の国の政府は民族主義的とか、好戦的とか揶揄されるが、それが古き良きガトーヴィチであるとは必ずしも言えないのです。」
シュザン「なるほど。ところで、その人民の意見ですが、先の選挙では民主帝国・ツァーリ国ともに共産党が無視できない勢力を確保しました。彼らの動向は統合後のガトーヴィチにおける君帝の地位についても大きな影響をもたらすと思われますが、陛下はどのように見られますか。」
陛下「ここ数年間はこの国に混迷をもたらしたリーソフ家ですが、427年の建国以前から、884年に至るまで、ほぼ全ての期間、人民に勇気と希望を与える存在であったと思う。…今一度、君帝制の重要性を感じて欲しいと思っています。」
シュザン「陛下の強い意志を感じますね。ところでそのリーソフ家ですが、このような争いを経て、今後どのように動いていくでしょうか。」
陛下「…(自信なさげに)ヤルルィークご一家とは今後も親睦を深めて行きたいと思っております。」
シュザン「分裂した正教会の行方も重要です。関係は修復できるでしょうか。」
陛下「ヤルルィーク新コンスタンティノーポリ・イヴァングラート総主教及び全地総主教とお話をした上で、統一にむけて率先して動いていくつもりです。」
シュザン「ありがとうございます。このインタヴューはトリビューン紙国際版にも掲載され、ロムレー国外でも読まれるものと思います。最後に、国際社会にメッセージ等ありましたら。」
陛下「諸外国のみなさんには、ガトーヴィチの君帝制、正教会などの文化に関心を持っていただき、ガトーヴィチを好きになって頂けると嬉しいです。」
シュザン「Спасибо за сегодня.(本日はありがとうございました)」

文責・インタヴュアー:シルヴァン・シメオン・シュザン。ロムレー大学言語文化学部スラヴ学講座教授。博士(学術)。ガトーヴィチ大使館通訳官、ロシジュア大使館専門調査員などを歴任。主著『ロシア宇宙主義の思想体系:超越とノウアスフィア』。

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