1214年5月14日付
【政治】第26回議会選挙・第25回大統領選挙実施 ITP支配に亀裂も優勢変わらず
<イグナイト・タイムズ>

任期満了に伴う第26回議会選挙・第25回大統領選挙は1207年5月に実施された。
制度的超越党(ITP)のハナ・ブラシッチ大統領が3選禁止の規定に沿って退任する中で、大統領選挙は新人同士の争いとなった。ITPからはマルコ・ムルヴィツァ防衛長官が後継者として出馬し、5期連続のITP所属大統領の実現を狙った。一方で野党の有機的超越連合は、セニオリス自由党(ŠSL)のイーヴォ・アンチッチ候補を擁立。野党連合から距離を置く中央党(SC)からは女優のアントニヤ・ポリャク候補が3度目の出馬を果たし、三つ巴の構図を再び演じた。
ムルヴィツァ候補の選挙戦は915年以来で初のイレギュラー打ち上げ成功という功績を引き下げ、盤石な体制を築くものと予想されていた。しかし今選挙においてITPは想定外の伸び悩みに直面した。あるITP中堅は「選挙戦全体として『ITP疲れ』の影響に苦しめられた」と明かす。背景には大勢力を背景とした支配構図における疑問の蓄積に加え、イスタシア地域に関してのブラシッチ大統領声明でも露わとなった対立への厭戦感情、また加速派において度々発言される”親KPO”的姿勢への疑問なども影響していると見られる。
イスタシア地域に関する大統領声明なども含め「立場を継承する」と強調したムルヴィツァ候補に対し、アンチッチ候補は一連の情勢について「対話の意思や相手国への敬意を欠いた」とし、対話による関係修復を目指す立場を示した。また争点の1つにあった職業自律共同体の問題についても全否定の立場は取らず、「経営組織の裁量権の拡大」などを通じた穏健的改革の意思を示したことが、超越支持層も含む幅広い支持獲得に繋がった。
最終的に大統領選挙では有機的超越連合のイーヴォ・アンチッチ候補が当選し、ITPが推薦に回っていたミア・ミロシュ元大統領を含むと実に60年振りに大統領の地位をITPから奪還した。大統領と議会の双方を制するITPの支配構造にヒビが入った格好であり、敗れたムルヴィツァ候補は「『超越を揺るがさない』というITPの使命を、私が途切れさせてしまった」と、選挙中の氏のスローガンを引き合いに沈痛な面持ちで語った。
一方で議会選挙においても”ITP疲れ”の傾向は見られたものの、ミア・タイチェヴィチ首相を中心としたテコ入れもあり、最終的にITPは27議席減の合計157議席に踏みとどまった。野党の有機的超越連合では社会民主党(SDP)が21議席増の計25議席、ŠSLが11議席増の計15議席とそれぞれに勢力を倍以上に伸ばしたが、SCの3議席を合わせても拒否権発動後の再可決を阻止する5分の2超の水準には届いていない。大統領の権限が極めて限られる状況になることが予想され、ITPの議会議員団長は「我々の使命を阻むものは何も無い」と豪語した。
1159年以来続いてきた大統領・議会を制するITP支配の構図は、明確な転機を迎えることとなった。外交指針などITPへの疑念が明確に示された中で、5期目を迎えることが確実視されるタイチェヴィチ首相が応えることができるか、あるいは野党が悲願の政権奪還の契機へと繋がっていくのか。今後12年の行方が注目される。
【政治】ミア・タイチェヴィチ首相が五期目に
<北方セニオリス新聞>
1207年5月、第26回議会は首班指名選挙を行い、次期首相に157票を得たミア・タイチェヴィチ首相を指名した。
イーヴォ・アンチッチ大統領は議会の指名に基づき、同氏を連邦の次期首相に任命した。
なお、同日行われた議長・副議長選挙では議長にマルコ・ヴーケリッチ前議長(制度的超越党)、副議長にはサラ・モドリッチ氏(制度的超越党)がそれぞれ選出された。
【政治】ITP優勢にヒビ? 第五次タイチェヴィチ政権を読み解く
<新セニオリス通信>
大統領選挙においてITPの公認候補が48年振りに敗れ、ITP推薦のミア・ミロシュ元大統領を含むと60年振りにITPは大統領の地位を失った。一方で議会選挙ではITPは27議席減ながらも計157議席と引き続き大きな勢力を維持し、大統領・議会での”ねじれ”が再び生じる形となった。ねじれの構図となるのもミロシュ元大統領下での中道連立であったバーバラ・ガレシッチ政権以来60年ぶりの構図となったが、当時と比較すると大統領与党側が議会の再可決を阻止する水準に届いていない共通点の一方で、ITP系と中道派がそのまま入れ替わっている皮肉のような構図となった。
大統領選挙での敗北を巡り、ITP党内では党を主導してきた加速派への不満と共に、1207年時点で87歳となるタイチェヴィチ首相の続投への疑問も聞かれた。党では加速派が主張してきた”親KPO”的外交指針への疑問も指摘され、超越傍流に属する派閥からは党指導部の交代を主張する意見も存在した。また党内情勢としても落選者の多くは加速派であり、敗因は加速派の路線が支持を失っているとの分析も見られた。
しかし議席減にこそ終わったものの、逆風ながら5分の3以上を維持する結果となったことは、タイチェヴィチ首相のテコ入れの成果として超越本流を中心に評価された。また長年にわたり党のみならず急進的超越政策全体の表看板であった首相に代わりうる候補を超越傍流も提示する事ができず、首相自身も「私の身体・頭脳は、12年の時を経るごとにむしろ好調さを増している」と健在ぶりをアピールしたため、首相の交代論は立ち消えとなった。「彼女は”老い”という、多くの人類に共通する生物学的運命をも超越している」とは、ITP重鎮の談である。
以下に第五次タイチェヴィチ政権の顔ぶれを示す。
役職 | 名前 | 所属 | |
---|---|---|---|
首相 | ミア・タイチェヴィチ | 制度的超越党(加速派) | |
外務長官 | ドゥブラフカ・ショラ | 制度的超越党(天使派) | |
防衛長官 | ブランコ・ブロズ | 制度的超越党(天使派) | |
法務長官 | アンドリア・モホロビチッチ | 制度的超越党(加速派) | |
財務長官 | ベルナルダ・トムリャノビッチ | 制度的超越党(加速派) | 留任 |
内務長官 | ヤコヴ・ペルコビッチ | 制度的超越党(至上派) | 留任 |
国土開発長官 | マクシム・ブラジェビッチ | 制度的超越党(天使派) | |
教育科学長官 | エレオノール・ヴィドヴィチ | 制度的超越党(至上派) | |
経済産業長官 | ミラ・ヴライサヴリェヴィッチ | 制度的超越党(加速派) | 留任 |
資源・エネルギー長官 | ゴラン・ヴァレンティッチ | 制度的超越党(加速派) | 留任 |
運輸衛生長官 | イヴィツァ・プレンコビッチ | 制度的超越党(至上派) | 留任 |
農務環境長官 | コリンダ・ポポビッチ | 制度的超越党(加速派) | |
労働長官 | サーニャ・レコ | 制度的超越党(加速派) | |
厚生長官 | イバナ・マティアヴィッチ | 制度的超越党(至上派) | 留任 |
行政改革長官 | ゾラン・レコ | 制度的超越党(至上派) | 留任 |
今選挙を前にした外交論争では、不慮の事故により不随の状態となったグレグリッチ前外務長官の後継候補を含めて議論され、天使派が再び外務長官を輩出する立場に選ばれた。第四次政権において、天使派は外務長官ポストの代償に他のポストを失う辛酸を嘗めたが、今回は3ポストを確保している。また、至上派からも新規の登用が存在している。ITP内部において加速派の勢力が後退したことに加え、選挙結果を巡って加速派の責任が問われたこともあり、党の融和が一定程度意識されたものと考えられる。
一方で大統領選挙でITPに対し勝利したイーヴォ・アンチッチ大統領は、拒否権行使も事実上封じられた状況を踏まえ自身の公約について「タイチェヴィチ首相やITP議員とも建設的な議論を交わし、確実に前進したい」と期待を覗かせた。しかしITPの幹部は「我々が譲歩すべき理由は1つもない」と協力に否定的であり、大統領が訴えた政策の実現は見通せない。
5期目に突入したタイチェヴィチ政権はこれまで4期における盤石な姿勢と異なり、大統領との”ねじれ”を抱え、加速派の圧倒的な覇権を失った状態でスタートすることとなった。ITPは議会の大勢力を元に引き続き政策実現を図っていく構えだが、野党はこの12年間を「反転攻勢のための期間」と位置づけている。12年後に控える選挙が長らく続いたITP政権の終焉となるのか、はたまた復活を象徴するものとなるのかは、政権の手腕に掛かっている。
【政治】大統領、イスタシア情勢巡る対話「今期での実現焦らない」 国内基盤乏しく事実上断念
<イグナイト・タイムズ>
イーヴォ・アンチッチ大統領は1213年5月、就任後6年を迎えた記者会見において、選挙当初公約に掲げていた『イスタシア地域情勢を巡る関係諸国との対話』について問われ、「今期での実現を焦らない」との認識を示した。今期中の公約実現について事実上の断念を表明した格好であり、外交上の懸案となっている瀬加関係を中心とした対立状況の緩和が遠のく形となった。
背景にあるのは、大統領の国内基盤の弱さにある。大統領の掲げる対話路線は、大統領の出身母体であるŠSLの肝いり政策であったが、与党のITPは共同声明の内容も踏まえ選挙監視団関係国との対話は「誤ったメッセージを送る」として反対の姿勢を崩さず、公約実現には大統領府による専決が必至となっていた。
そして足元の有機的超越連合においても、相方のSDPはイスタシア情勢については「地域住民の自己決定の結果」として冷ややかに見つめ、大統領が強調した対話を通じた”問題解決”という方針についても「手段と目的が噛み合っていない」と難色を示した。選挙戦を通じてSDPとŠSLの議席数は再び逆転していたことも影響し、対話路線への理解は国内で広がらなかった。
ŠSL幹部は大統領を取り巻く状況について「国外との対話の前に、国内での対話で躓いてしまった」と肩を落とす。対話路線については「実現への見通しは閉ざされてしまった」と事実上の断念に理解を示しつつも、公約として掲げた点は「ITPの独断的外交の中で、一石を投じたことには価値があった」と意義を強調した。
その他
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