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【政治】地域内の各諸侯、歴史的「和協」が成立。本国の共和主義圧力への対応を旨とする 他

 いよいよ来年に迫った独立への住民投票に際し、イスタシア地域内では急速に共和主義への対抗の動きが進んでいる。これまで地域内では旧王国派、ラングラード皇帝家派、カトリック・ラウリス各教会派、など各諸侯が自勢力からの君主擁立を主張し争っていた。暫定首都など中立地域では住民の多くが君主制の将来的復活を切望しつつも、各勢力間の抗争については静観する動きが広まっており、ここ十数年にわたり独立運動が停滞した要因には、各諸侯派で意見がまとまらず統一した連携が取れなかったことが大きい。
 そんな中、5日にようやく社会自由党が仲裁する形で歴史的和協(アウスグライヒ)が成立、ノ連本国並びに他国からの内政干渉を監視・対応を図る他、独立後住民の意思が君主制に傾いた場合に、紛争を起こすことなく別途協議あるいは国民投票によって最終的な継承権の確定、あるいは別途統治体制の詳細な規定を進めていくことで合意した。これにより、ひとまず君主主義派全体で独立に向けて歩みを進めることができそうだ。

【政治】ノイエ本国による内政干渉の前触れか!?住民全体に動揺広まる 社会自由党は読解力向上キャンペーンを開始

 昨年7月にノイエクルス連邦政府から発出された「自由で平等な封建的秩序の存在しないイスタシア建設のための住民投票」宣言と、それに伴う国際的選挙監視団の派遣要請は、現在複数先進国家がこれに応じたことでイスタシア地域住民全体に大きな衝撃と動揺を与えた。住民の自由な意思を反映させると綺麗事を並べつつも、本国の意向を多分に含んだ条件付きの住民投票を実施する可能性が浮上したことに対し、住民の間では内政干渉の恐怖が日に日に高まっている。今年はじめに相次いだ国籍不明の爆撃機襲来も本国の陰謀によるものではないかとの憶測が広まる事態にも発展している。さらに、全国各地で「自由で平等な封建的秩序の存在しないイスタシア、それはただの無秩序だ!」とのスローガンが、ノ連直轄領に広がるスラム街や怪獣襲来にもかかわらず酒盛りに明け暮れる連邦軍兵士の写真とともに掲げられ、連日デモ隊の大行進が続いている。
 一方、各諸侯と距離を置く穏健派の与党社会自由党は、「国際的選挙監視団の被要請国が共和制国家に偏っている現状は公平性・内政非干渉の原則から遺憾であり、本国政府は君主制国家あるいはその他の政治体制の国家からも監視団を迎えるべきだった。住民の政治思想や意見はそれぞれ自由にあるべきだが、重要な局面であるからこそ投票所の掲示及び投票用紙の記述等には今一度一人一人が気を配らなければならない」とし、フリューゲル有数とされる潤沢な教育予算を投じ高校・大学生や一般向けに読解力向上キャンペーンを開始。住民投票のみならず、市井の契約書トラブルの予防なども含め全住民の意識向上を図る方針を示した。

【解説】イスタシア地域の政治思想と歴史的背景

 当報道局が今月独自で街頭調査や電話による世論調査を行った結果によると、有効な回答のうちノイエクルス連邦から何らかの形で独立することを望む住民は92%に達し、また独立後に望む政体についての自由質問については、君主制全般を挙げた人が全体の65%となった。共和制との回答は10%、分からない、その他が25%となった。

 今回の世論調査に対し、政治評論家のシロッコ・ウルファール氏はイスタシア地域に定着した住民の歴史的経緯を理由に挙げている。現在イスタシア地域の住民のうち最大多数を占めるランガル人は、旧イスタシア王国あるいはかつてのラングラード=カルス帝国にて君主制に慣れ親しんだ人々の末裔であり、特に元イスタシア王国臣民の間には、旧王国へ相次いだ他国の干渉がなければ現在も王国として発展していた可能性への悔恨が根強く存在しており、独立を期に王国再建を切望する声が大きい。西スラヴ系少数民族カルス人もまた、旧帝国に親しみを感じる人々が多く、その多くがラングラード皇帝家派を支持している。人口の20%ほどを占める前セニオリス共和国由来のハルクスタニア人の間には、伝統的に共和制への親しみがある程度存在はするものの、昨今のアイドル諸侯推し活ブームの影響や、共和主義者の多くがかつての故郷である現セニオリス連邦へ「帰還ドモロダツキ」としてここ数世紀間に移住していったことなどの要因から、共和制を支持する人々は少数派であるとみられる。唯一共和制支持が半数ほどを占めるオニキス人も、消極的な共和制支持に留まる事情から近年は推し活ブームに流されつつある上、オニキス人そのものが全イスタシア住民の5%程度であるため、大勢に与える影響はわずかなものとみられている。よって、住民投票が「真に民意を反映したもの」であれば君主制の復活は揺るぎないものとなることが予想されよう。ノイエクルス本国の意向と自称”国際的な選挙監視団”の動向次第、ではあるが……。

【社会】各地で多目的ドーム・スタジアムの建設が加速

 昨今、フリューゲル世界全体で空前の多目的ドーム・スタジアム建設ブームが到来している。推し活が盛んな我が地域では、多くの人々を収容可能なライブ会場施設の整備が急務となっており、この度のブームに乗っかる形で次々と建設が進んでいる。特に、先日オープンしたリュッセルハイム国際プラザは、収容人数5万人のドームと収容人数3万人のアリーナで構成されており、設計段階から野球のみならず音楽ライブや各種イベントでの使用を想定。この規模はフリューゲル随一であり、推し活文化を世界に広める第一歩となりそうだ。

フリューゲル暦 43000期 1194年 6月6日 ミュンツェンタイムズ

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