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第24回議会選挙・第23回大統領選挙実施 他

1187年12月9日付

【政治】第24回議会選挙・第23回大統領選挙実施 ITPの優勢続く

<イグナイト・タイムズ>

任期満了に伴う第24回議会選挙・第23回大統領選挙は1183年5月に実施された。

アナ・ゴトヴァツ大統領の2期目と制度的超越党(ITP)の191議席獲得という地滑り的勝利の結果となった前回選挙に続き、今選挙における焦点はITPの優勢を継続すべきか否かとなった。選挙戦を前に前回選挙で合わせて一桁議席に落ち込んだ野党らは政党連合「有機的超越連合」を結成し巻き返しを狙った他、ハルクステン人やハルクステン地域住民の利害を代表する全国政党として「中央党(Stranka Centra / SC)」も結成された。

3選禁止の規定に従い退任するゴトヴァツ大統領の後継候補としては、同じITP加速派からハナ・ブラシッチ候補が立候補した。対する野党の「有機的超越連合」は大統領候補を巡る各党派間の軋轢や準備期間の短さのために、統一候補の擁立を断念した。代わって対抗候補としては超越系労働団体の超越的経済労働者連絡会議(PKTER)の経歴も持つ無所属のイバナ・ヴィシュニック候補と、中央党からハルクステン人の権利擁護を訴えるアントニヤ・ポリャク候補の二者に絞られた。

野党を代表する有機的超越連合が選挙戦の顔ともなる大統領候補を擁立出来なかったことで、選挙戦は終始ITPに有利な状態で進んだ。一部の社会民主党(SDP)関係者はPKTER出身ながら労働団体の結集を模索し穏健派にも顔が利いたヴィシュニック候補の支援に回るなどしたが、無所属ながらも超越系の出自を持つヴィシュニック候補が「ITPへの歯止め」として機能するかには疑問がつきまとい、ITPに対抗する候補としてはいささか目新しさを欠いた。一方の中央党のポリャク候補は当初より「ITPの超越はセニオリスの伝統的価値観に適合しない」と反ITPの色を明確にしたが、ハルクステン人以外への支持に広がりを欠いた。

ITPは1179年憲法の成立の功績と「超越的経済改革」の継続を訴え選挙戦を堅調に戦い、野党の混迷をよそに支持層を着実に固めた。結果として大統領選挙ではITPのハナ・ブラシッチ候補が当選し、議会選ではITPが計188議席を獲得する地滑り的勝利に終わり、前回選挙に引き続きITP優勢の政情が続く形となった。野党勢力は完敗であり、SDPのある幹部は「穏健主義としての超越が見直されるには未だ時間がかかるだろう」と肩を落とした。

ブラシッチ新大統領は「党が掲げる超越的改革を全面的に支持し、完遂にむけて尽力する」と語った。識者はゴトヴァツ前大統領は「幅広い支持基盤を背景に独自の発言も行うことで『良識あるITP党員』との評を得ていた」とし、新大統領の指針について「党の路線を着実に推進する『忠実なITP党員』となることを示した」と評価している。

1179年憲法の成立後初となった今選挙では、ITPの超越的改革が信任を受ける形となった。タイチェヴィチ首相は次期における課題について「職業的自律共同体への完全移行」を掲げており、党の宿願実現に向けて取り組みがますます加速していくことが予期される。

【政治】ミア・タイチェヴィチ首相が三期目に

<北方セニオリス新聞>

1171年5月、第24回議会は首班指名選挙を行い、次期首相に188票を得たミア・タイチェヴィチ首相を指名した。

ハナ・ブラシッチ大統領は議会の指名に基づき、同氏を連邦の次期首相に任命した。

なお、同日行われた議長・副議長選挙では議長にアナ・グレグリッチ前議長(制度的超越党)、副議長にはズラトコ・プレンコビッチ氏(制度的超越党)がそれぞれ選出された。

【政治】加速主義の覇権続く 第三次タイチェヴィチ政権を読み解く

<新セニオリス通信>

前回選挙に引き続き1183年選挙はITPの地滑り的勝利という結果に終わり、急進的超越はさらに12年の機会を与えられることになった。選挙戦を前に党内では、加速派と経済政策面での親和性が高い天使派が「超越本流」に近づき、代わってタイチェヴィチ首相の1176年8月談話「人種・民族的なあらゆる目論見は旧時代の遺物」に反発した色彩派が非主流の「超越傍流」に接近する変動が見られた。加速派内部でも、肥大化した派閥事情や外交的な路線の相違から天使派や至上派に移籍する動きがあったが、選挙戦を経て加速派主導の党運営は再び是認される格好となり、加速主義はまだしばらくITPの政策を象徴するものとなりそうである。

党内情勢の変動を踏まえてもなお盤石な加速派の主導、そして選挙戦での大勝はタイチェヴィチ首相が無条件で再任されるには十分なものだった。ある党幹部は「党全体の理論的支柱という枠を超え、1179年憲法の実現という明確なる功績を残した首相を代えうる人材は存在しない」とまで断言しており、”タイチェヴィチ路線”は今やセニオリスにおける超越の形そのものになりつつあるとさえ言えるだろう。

以下に第三次タイチェヴィチ政権の顔ぶれを示す。

役職名前所属
首相ミア・タイチェヴィチ制度的超越党(加速派)
外務長官エマ・グラバル制度的超越党(天使派)
防衛長官ゴラン・グレグリッチ制度的超越党(加速派)留任
法務長官サンドラ・オレシュコビッチ制度的超越党(加速派)
財務長官カルラ・フリードリーン制度的超越党(加速派)留任
内務長官ドゥブラフカ・バルバリッチ制度的超越党(至上派)留任
国土開発長官アンドレイ・キタロヴィッチ制度的超越党(天使派)
教育科学長官アントニヤ・ペルコヴィッチ制度的超越党(至上派)
経済産業長官エレオノール・タイチェヴィチ制度的超越党(加速派)留任
資源・エネルギー長官ヨシップ・ガレシッチ制度的超越党(加速派)留任
運輸衛生長官ミア・クネジェヴィッチ制度的超越党(加速派)留任
農務環境長官マルコ・パヴロヴィッチ制度的超越党(加速派)留任
労働長官コリンダ・ロビッチ制度的超越党(加速派)留任
厚生長官ゴラン・オスモクロビッチ制度的超越党(天使派)
行政改革長官アントニヤ・ラニロヴィッチ制度的超越党(加速派)留任

長官人事は多くの面で第二次政権を踏襲するものと言えるが、色彩派からの閣僚が退けられ「超越本流」に属する天使派と至上派から初入閣が出るなど、党内情勢の変化を反映した人事も見られる。天使派は主流派となるに従って至上派を上回る3名の長官を輩出し、「超越本流」内部でも加速派は天使派との連携をより重視していることが示された形となっている。

識者はその中においても外務長官の人事について、「選挙戦の前から続いた外交政策の論争が反映されたもの」と指摘している。加速派出身であったラヴォスラフ・ルジチカ前外務長官は、カルーガ条約における”先制的自衛権”の文言を巡る国連安保理での審議の経緯を踏まえKPOとの連携に傾倒しつつあると言われた。一方の天使派は超大国時代のヘルトジブリールへの憧憬から「烈天加三国協調」や「天別友好」を派閥の外交政策としても取り入れているとされる。

識者は外務長官人事について「KPOに傾倒しつつあった政権の外交政策を、ITP政権以前の中道政党などが採っていたものにも比較的近い『国連中心の協調外交』に振り戻そうとする姿勢の表れ」と評価するが、一方で天使派の若手は「工業・軍事の超大国という国力をも背景にしていたヘルトジブリールにおける外交を、国情が大きく異なるセニオリスが踏襲することはあまりに厳しい」ともこぼす。加速派の幹部は「同盟理事国間の連携が崩れ去った今となっては、天使派はその理想を大幅に修正する必要にも駆られるだろう」と予期しており、別の識者は「前外務長官のような特定陣営への傾倒を振り戻すとしても、天使派が望む三国協調のような枠組みの復活は12年で果たせない道のりとなるだろう」と指摘している。

タイチェヴィチ政権は選挙戦での再びの勝利を経て、盤石な体制で3期目に望むこととなる。カルーガ条約を巡る論争などで国際情勢が着実な変化を迎える中、急進的超越政策を巡る国内の政策課題とともに外交課題にも対応できるか。政権の手腕が問われている。

【社会】読者が問う ルジチカ前外務長官独占インタビュー

<北方セニオリス新聞>

1166年1月、第一次タイチェヴィチ政権の衝撃的な幕引きと共に就任したラヴォスラフ・ルジチカ前外務長官は、1183年5月の第三次タイチェヴィチ政権の発足とともに退任した。外務長官の交代はITP党内の外交論争を反映した結果と言われたが、少なくない党関係者は外交政策について「多かれ少なかれ何らかの転換が必要なことに変わりがない」と語る。そのような外交的転換点において外交の最前線に居たルジチカ前外務長官は、セニオリスや国際社会について何を見つめたのだろうか。

本紙では事前に読者からルジチカ前外務長官への質問を募集し、独占インタビューの形で直接回答を得た。

初めに

――本日はよろしくお願いします。

よろしく。

――随分とお酒を飲まれているようですが。

ああ、お陰様で退任してからというもの暇だけはあってね。今日も朝から捗って仕方ないよ。

――よろしいのですか?もしよろしければ日程の方を…

(手を振って)いやいや大丈夫だよ。臭いだけで全然酔ってないから。
ペン回しだってほら…(ペンを落とす)おっとっと滑っちゃったね、ほらっ(再度落とす)…あれ?
まあとにかく大丈夫。せっかく来てくれたことだし、今やっちゃおうよ。

――はあ、わかりました。では読者からの質問を紹介いたします。

どうかお手柔らかに(笑)

国連安保理、”先制的自衛権”事件を受けて

――決議案の共同提出国として、同盟理事国の中でセニオリスだけが加わらなかったのは何故でしょうか?(50代 事務員)

あれねぇ、ぶっちゃけちゃうと、連邦が自分の意志で加わらなかったというよりは、連邦は最初からあちらさんの眼中になかったというだけなんだよね。俺もグンちゃん(※筆者注:ヴチュコヴィッチ国連大使)も、正直なところ議題が出るっていうことすら予期してなかったね。

――予期してなかった、とは?

ああいう議題って事前にそれとなく調整があったりするもんなんだよ。あ、これ言ったらまずかった?(笑)まあいいや。
今回、連邦に対しては事前にそういう話が全く無くて、いきなり議題が出てきた格好だったんだよね。一応外部からの判断材料として、公開質問状が出ているというのはあるにはあったんだけど…。

――予測できなかった、ということですか。

うん、そこからまさかああいう主張が出てくるとは俺には思えなかったなあ。グンちゃんは「安保理の議題となるのなら何らかの話があるものと思っていた」とか言ってたかな?
事前に何も話もなかったっていう時点で、なーんか嫌な感じがしたのは確かだなあ。
あの時点で、もう他のところとは話付いてたんだと思うと、なかなか寂しいもんだね。まあ、「予測できなかったのはお前らが無能だから」と言われちゃ返す言葉もないけどね。

――ヴチュコヴィッチ国連大使は安保理において「他国が恣意的に条約に介入する前例を作るべきでない」と主張し、拒否権を行使しました。
しかし、一部の国ではこの主張や拒否権行使は評判が悪いようです。
私たちは外国人にこの件について聞かれた際にどのようにセニオリスの正義を証明すれば良いのでしょうか?(60代 小売業)

グンちゃんはやるべきことをやったと俺は思うよ。
まあ、ウケは良くないかもね。拒否権なんて国連の300年以上の歴史で一度も使われたことがなかったんだから。
でもそんな権利を使わざるを得なかった背景については、もっとしっかり考えられてもいいと思うんだよな。
俺も色々と聞いてたことはあるもんだから、どうしてもね。

――セニオリスの正義の証明、については。

正義?正義かぁ…そうだよなぁ、正義だったよなあ。
間違ってほしくないのは、決議案の賛成国にもそれなりの正義があって賛成を表明していたということなんだよね。
こちらにはこちらなりの正義があったように、あちらにはあちらの正義があった。そして、残念ながら相容れることはなかった。それだけのことなんだよね。

――外国人にこの件について聞かれた際、については。

それ、実際に居たとしたら学術的な場か、そうでなきゃ避けたほうがいい人なんじゃない?(笑)
まあいいや。俺が人に訊かれたときによく言う喩えがあってね。
「ある店でオレンジジュースを注文してリンゴジュースが渡された時、あなたはその店の営業停止を求めますか?あるいは、オレンジジュースの取り扱い停止を求めますか?」というものなんだけど…

――オレンジとリンゴ、ですか…

まあ要するに単純な話なんだよ。店側には確かにリンゴジュースを渡した瑕疵があったかもしれないけど、少なくともオレンジジュースがそこにあるのなら、少なくとも営業停止や取り扱い停止を求める必要はまったくないよね。

――何やら、難しい喩えのようですが。

喩えたほうが説明しやすいでしょ?とにかく、グンちゃんはそこで「オレンジジュースはそこにあるじゃないか」と話をしたんだ。店側も、「リンゴジュースが手渡されることがないように管理できます」という話をしていたんだ。だけども、少なくない人は「オレンジとリンゴを間違えた時点でオレンジジュースを取り扱う資格はない」と怒り続けた。まあ、誰も幸せにならない話題だったなと思うよ。
…この例え、理解できた?

――申し訳ありませんが…

あれー?そんなに変な喩えなのかな?今のところ、嫁にしか納得してもらえないんだよね…
まあいいや、もし人に訊かれた時はこの喩えを使っていいよ。ちなみに、俺はリンゴジュース派だけどね(笑)

――A/RES/4/1が死文化した、というのは本当なのでしょうか?(10代 フリーター)

“アレ”ね(苦笑)まあ、みんなが死んだと言うんなら死んだじゃないかな、実際。

――連邦の認識としては。

これ以上でもこれ以下でもないと思うよ。だってそうとしか言えないもの。

――そうとしか言えない、とは?

いやいや、そうとしか言えないんだよ、本当に。あの決議案がもし本当に”アレ”の存亡を決めるものだ、だから絶対成立しなきゃいけなかったんだって言うなら、もっと丁寧に議論すればよかったんだよ。
俺は、決議が成立しなかったと言うだけで死ぬようなヤワな法規範だったとは思ってないよ。そうしたらあの決議案の賛成国から真っ先に「死文だ」と言い出して、それでみんな連邦の反対のせいにするんだから、なんか納得できないんだよね。
でも、みんなに死んだと言われてしまえば、”アレ”も死ぬしかないんだよ。だって、そういう法規範なんだから。誰々のせいだとか、どこどこのせいだとか、そういう話ではなくね。ま、それはそれとして俺は、アイツのせいと思っているのが居るけどね(笑)

――アイツのせい、とは?

流石に言うわけないでしょ(笑)この感情は棺まで持っていくよ。ナイショ!(笑)

――感情、ですか。

そう、感情。文書主義だなんだと言われてるけど、感情って結構無視できない要因なんだよ?実はね。
ま、だからこそ言わないんだけどね(笑)本当に感情でしかないから。気にしないで!

――リブル労働新聞において、同盟理事国派遣陣営であるSSpactが「腐敗陣営」と表現され、拒否権を持つことについて批判されていました。
このような意見を持つ国家によりSSpactやセニオリスの権利が脅かされることはないでしょうか?(20代 飲食業)

俺、あの談話ってかなり興味深いものだと思うんだよね。だって、陣営に入ってる加盟国は陣営内の国を推薦すべきだって、今までどの国も公言しなかったことだもの。
それ自体はまああちらさん方の立場表明であって、SSpactはその立場には立ってないよっていうだけのことなんだけど…
じゃあ加盟国が4を割って自力で一般理事国出せなくなったら問答無用で腐敗同盟なのか、とか、腐敗同盟からの票のお陰で理事国の地位を保てている国は腐敗理事国なのか、とか、いろんなことが考えられそうだよね。
まあ、SSpactにとってあの談話の中で一番重要なことは何かと言ったら、結局「SSpactは軽視すべからざるもの」ということなんだよね。それに対して言うべきことといったらやっぱり「お誉めいただき光栄です」しかないよね。ありがたい話だよ。

――SSpactやセニオリスの権利が脅かされる、という点については。

うーん?SSpactの権利?ごめん、話が結びつかなかったけど…

――(読者からの質問を再度読み上げる)

あぁごめんごめん、そういう話か。
まあ、拒否権という制度そのものではなく、特定のどこかが拒否権を持っているということに不満を抱く人は居るだろうね。
でも連邦がやったことって、あくまでも国連創設以来憲章にベタ書きされていることに過ぎないんだよね。
もしも特定国のそういう権利を奪ってやろうと意気込む国が居たとして、そしてそれが国連の多数派を占めるとしたならば…まあ、国連憲章は紙くずになった、ということだろうね。

国内外のニュースについて

――食料輸出が止まってしまわないか心配です。貿易は大丈夫なんでしょうか?(40代 農家)

あー…そう言われてみれば確かに居るよね。大きな取引先が。
んー、確かに農家にとっちゃ死活問題だろうね。でも食料貿易を止めるって実は輸入国の方が勇気がいるし、案外大丈夫じゃないかな?
第一、お互いのためにならないもんね。

――輸入国の方が勇気がいる、とは?

個人的には、燃料を止めるよりも扱いが難しいものだと思ってるよ。燃料がなくても経済が止まるだけで済むけど、食料がないと死人が出るからね。
先に絶対に飢えないように担保してからでないと、その国の政治としても動けないんじゃあないかな。俺がその国の外交官だったら胃痛で死にそうになるだろうなあ。

――カルセドニーのネーナ外交委員長の印象を教えてください。(10代 学生)

ああ、あの子ね。かわいい女の子だよね。

――かわいい女の子、とは?

ん?あれ?違ったっけ?でもさっきテレビで見た時本当にかわいかったなー。一目惚れしちゃいそうだったよ。俺の嫁もあんなんだったらよかったのになあ。

――印象を。

ああ、ごめんごめん。印象ね。かわいい子だと思うんだけどね…
目的のためには手段を選ばない、他人をスケープゴートにすることも厭わない、危なっかしい子なのは間違いないね。ようは、黙ってたほうがかわいい子だね。
まあ、台形派のあの…誰だっけ?グンちゃんなら名前知ってるはずなんだけど…とにかく台形派のあれよりかはマシかな。
あれに任せてたら、火のないところに火をつけ始めるからね。それに比べりゃまだいいよ。

――イスタシアの独立は実現するんでしょうか?(30代 教員)

あそこ早く独立したほうがお互いのためなんじゃない?最初の頃なんて、お互いに相当無理してた感じすらあったよね。
でも確か何もしなくても、独立までもうあと数年になってたっけな?忘れちゃった。アナちゃん(※筆者注:ゴトヴァツ前大統領)に聞けばわかるんだけどなー

――セニオリスにおいて君主主義に展望はありますか?(30代 運輸業)

君主主義?そいや前ハルクステンに遊び行ったら王国祝賀祭やってたなあ。あの盛り上がりはすごかった。我らが大統領閣下じゃぁあの盛り上がりは無理だね。
あそこの地域には本気で君主制やろうって言ってる人もいるらしいし、君主候補者っていう人もいるらしいけど…だれだっけ?あの熱を見てたら、あながちそれも嘘じゃないんだなと思えてくるよ。
でも、あれってあの公園での局所的な盛り上がりなんだよね。
全国的に盛り上がれるかってなったら、また別なんじゃないかなぁ。超越に適合するかもわからないしね。

――超越との適合、ですか。

うん、超越。もっといえば、ITPの政策との適合性だよね。もちろん、超越の元祖が君主制だっていうのは知ってるよ。(※筆者注:ロシジュア帝聖平和ドミニウム)
我らが首相が言ってることってようは「超越的平等」なんだよね。そういう国の元首にあえて特権階級みたいなのを設けるのか、と言われると…ねぇ。

――ゆで卵の茹で時間を教えて下さい。(20代 学生)

あっ、卵は超越的に茹でたいタイプ?(笑)ふふん、残念だけど俺は卵は炒める派なんだな。

――炒め時間は。

まあ普通に、ある程度ダマになってくるまでかな。ん?もしかして料理のときまで超越のこと考えちゃう感じ?

――世の中にはπ分計なるものもあるそうですが。

物好きなもんだね…。使い方次第で美味しいものは出来るんだろうけど、俺はそもそも料理のときに時間計ったりしないからね(苦笑)
それでも超越的な飯が食いたいんだというなら、我らが首相のスムージーがオススメだよ。あれはすごいよ。レモンとモロヘイヤが材料のはずなのに、第一印象は強烈な苦みで、生コンクリートのような舌触りと喉越しの後に、何度うがいをしても取れない凄まじい青臭さを残してくれるんだよ。一度飲めば、3日はどんな美食も超越的に感じられるぞ。あれほど素晴らしい超越的食物は他にはないね。

結びに

――政界復帰の予定はありますか?(70代 無職)

復帰?ないないない(笑)もういい歳だし、このまま隠居しておくよ。

――退任後は何をされているのですか?(50代 農家)

まーー…ご覧の通り堕落した生活ということに尽きるんだけど…一応誰かからの相談を聞いたりだとか、本を書いてみたりだとか、そのくらいかな。まあ一番大変なのは、孫の面倒をみるときだけどね(笑)酒を飲んでいるというわけにはいかないから。

<<終>>

その他

  • 【政治】ブラシッチ大統領、大統領令第335号『職業的自律共同体移行に向けての行政支援』に署名 首相公約を全面的に後押しへ(北方セニオリス新聞)
  • 【政治】ハルクステン州自治議会、ハルクステン中央党のマーユ・ニランデル氏を議長に任命 「参加を見送った14オプチナも含めた55オプチナの意思を結集」(ハルクステン・ポスト)
  • 【国際】民族主義は復興するのか?ラテン主義・スラヴ主義の僅かな兆し 識者「各国内での動きに留まっているのが現状」(ヤドラスコ・ニュース)
  • 【社会】セニオリス労働総同盟の斜陽 イバナ・ヴィシュニック候補に”密かに期待”も敗北で打撃 「穏健派としての存在意義を再度見つめ直す時」(セニオリス社会レポート) 
  • 【社会】ゆで卵の超越性「時間のみに依拠するなら、あらゆる調理は超越性を有しうる」イーヴォ・コラク記念超越学院大学にて激論も結論出ず 「卵が先か、超越が先か」(コペルニクスの芽通信)
  • 【国際】KLF残党、「森林にて自給自足生活」の謎 目撃者語る「まさに天からの恩寵のよう」加国五大氏族、衝撃の”後方支援”とは!?(月刊グレムリン)

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