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WTCO設立500周年記念式典開催さる

1186年9月25日付〈中央通信〉

 24日、国際交易協力機構(WTCO)の設立を定めた国際交易協力機構条約(クリストバライト条約)の締結(686年9月24日)から500周年を記念した、WTCO設立500周年記念式典がクリストバライト市内で開催された。
 国際交易協力機構(WTCO)は、カルセドニー島共和国時代の末期に当たる686年にカルセドニー、ヨリクシ共和国、蒼鋼国、サン・ピエル共和国の4ヶ国によって発足した。直後の第1回加盟国会議において加盟した御岳山諸島自治巫女共和国も設立に向けた協議に参加していたため、同国も事実上の原加盟国と見なされている。703年のカルセドニー革命以降60年余りの鎖国期を経て、763年にカルセドニー社会主義連邦共和国が国際社会に復帰して以降、WTCOはカルセドニーとその同盟国であったローレル共和国を中心とし、早期は中夏人民共和国、813年戦争後にはガトーヴィチ帝国などのフリューゲルにおける主要国を加盟国に加え、長年にわたってフリューゲルの主要同盟の一角として活動を続けてきた。816年には後のフリューゲル国際連合(FUN)の設立につながる「フリューゲル平和原則条約起草委員会」の設立を決議し、850年にFUNが発足して以降はSLCNと共同でカルセドニーやリブル民主主義人民共和国をFUN安全保障理事会の同盟理事国の席に送り込んできた。
 軍事的協力を最小限とする純粋な経済同盟としてのWTCOの性格は、フリューゲルの情勢次第では加盟国の規模を急速に拡大させる役割を果たしていた。FUNの発足直前の840年代においては8ヶ国の加盟国を数え、991年から1020年までの30年間はFUNに4ヶ国の理事国を送り込んでいる。一方で、規模の拡大は加盟国内での軋轢を生じさせることもあり、816年のガトーヴィチ帝国の加盟に当たっては加盟国内で意見が一致しなかった結果として最終的に多数決により同国の加盟を承認している。また、843年に発生した普蘭ライン危機においては、加盟国であった普蘭合衆国とカルセドニー社会主義連邦共和国が対立し、最終的にWTCOは普蘭合衆国を無期限の加盟資格停止とした。
 1020年に大石動帝国がフリューゲルを去ってからは、カルセドニー、ガトーヴィチ、リブルの3ヶ国がWTCOの主要加盟国であるという状態で安定し、1135年にセビーリャ責任国を加え現在は4ヶ国体制にある。1175年2月下旬には御岳山諸島が、1181年12月中旬に大香麗帝国が国際社会に復帰したが、両者はそれぞれの外交的情勢から現在はWTCOの加盟国であるとはみなされていない。また、823年にWTCOの加盟国として滅亡したヴォルネスク・スラヴ共和国の後継国家であるタンファ王国は、WTCOの加盟資格を直接的に継承しているとは一般には見なされていないものの、カルセドニー社会主義共和国とは友好関係にあり、記念式典にはWTCOの旧加盟国としての扱いを受ける状態で出席した。
 WTCOは近年は組織として活動する機会が往時ほど頻繁ではないが、現在のフリューゲルにおける主要同盟の1つとしての地位を維持しており、また、その国際社会に対して示してきた様々な貢献―最恵国待遇の理念、WTCO公定レート、フリューゲル平和原則条約起草委員会の提唱、各種の新興国支援など―はフリューゲル全体から高く評価されている。この記念式典が現在のフリューゲルに存在する国・地域の7割以上が参加する盛大な形で開催されたことは、その証左であろう。

祝辞

【カルセドニー社会主義共和国 ネーナ・アメシスト外交委員長祝辞】
ここ、クリストバライト市において国際交易協力機構条約が締結されてから本日で500周年を迎えます。この記念日において、我が国を代表して祝辞を述べる栄誉を賜ったこと、誠に嬉しく思います。
WTCOは、我が国が鎖国体制を終了してフリューゲルに対して向き合い始めた瞬間から、我が国とともにあり続け、その加盟国の利益のみならず、国際社会自体の進歩にも寄与し続けました。WTCOは新興国支援基金その他の枠組みを利用することで途上国に対するウラン鉱山開発支援や福祉施設建設支援を公正な形で提供しています。その支援を受けた国家の中にはWTCO加盟国となった国家もならなかった国家も存在しているという事実は、WTCOがその自己利益のためではなく、国際社会全体の利益のために貢献してきたことを端的に示すものでしょう。WTCOの定めた公定レートが、若干その制定時の意図とは異なるとはいえ、各国の間で広く尊重されていることもまた、WTCOが世界経済を歪ませる存在ではなく、世界全体に通用するスタンダードの提唱者としての役割を果たしていることの証左でありましょう。また、SLCNやSSPactとの相互協力に関する議定書は、WTCOと他の国際組織の間の協力を円滑化し、この組織が陣営間対立のためのブロックとしてではなく、国際協調を提案するための発射台として運用されてきたことを明らかにするものです。
しかし、何より、WTCOは816年に開催された第7回加盟国会議において、フリューゲルの平和原則に関する条約の提案に関する決議を採択し、フリューゲル平和原則条約起草委員会の発足に結びつく提案を行った組織であり、現在のフリューゲルの国際協調体制の基盤としての役割を果たしているフリューゲル国際連合の設立に対して最も大きな貢献を行った組織であります。これこそがWTCOのフリューゲルに対する最大の貢献であって、WTCOをフリューゲルに永遠にその名が刻まれるに値する存在とする成果であります。我が国は、WTCOがこのフリューゲル史を変えた概念の発議主体となったことを誇りに思うものでありますし、当時から現在に至るまで我が国がWTCOの一員であることを誇りに思うものであります。
WTCOは構成こそ入れ替わり続けながらも長年多くの国家の支持を得続けたことにより、発足から500周年というこのよき日を迎えることができました。この式典は当初加盟国や旧加盟国の範囲内でひっそりと行う予定でありましたが、一部の非加盟国からも出席の意志があるとの連絡を受けたことによって、こうして非常に多くの方々を迎えての開催をとり行うことに成功いたしました。これは、WTCOがその設立時の意図を超えて、国際社会全体から評価を受けるに値する組織となったことを示すものであり、その創設国の1国である―もはや、この場に創設者の一員と言えるのは他には御岳山諸島の方々しかいらっしゃいませんが―我が国として無上の喜びであります。
国際交易協力機構万歳! フリューゲルの発展と栄光に万歳!

フリューゲル暦1186年9月24日
カルセドニー社会主義共和国外交委員長
ネーナ・アメシスト


【神聖ガトーヴィチ帝国 アンナ・ヴァシーリエヴナ・ヤナーミェヴァ為政院総理大臣祝辞】
国際交易協力機構が創設500周年を迎えるにあたり、神聖ガトーヴィチ帝国を代表して祝辞を申し上げます。
我が国は、813年の義理戦争の傷跡の深き816年に、WTCOに加盟しました。当時のソフラノヴァ外政大臣による義理戦争に関する弁明こそ必要とせられども、当時のカルセドニー社会主義連邦共和国をはじめとするWTCO加盟国の厚情に浴して加盟を果たし得たことは、我が国が国際社会へ復帰する歴史的な第一歩でした。その後、WTCO友邦の支持を得てフリューゲル国際連合の一般理事国を務めたことや、多くの借款が我が国の経済再建と成長の原資となったことに鑑みれば、我が国の戦後の発展に欠くべからざる共同体であったことは間違いありません。
そして、WTCOは我が国の戦後の発展のみならず、フリューゲル経済の安定的な成長にも大きく貢献しています。いうまでもなく、WTCOレートは事実上のフリューゲルの基準下限レートとして広く認知されており、フリューゲル各国がこれを参照しています。WTCOが、単なる加盟国間の経済同盟の枠にとどまらず、フリューゲル世界の国際交易協力を体現する組織として今なお務めを果たしていることは、9世紀来の加盟国として喜びに堪えません。
最後になりますが、国際交易協力機構を創設したカルセドニー島共和国政府を後継するカルセドニー社会主義共和国政府に感謝を申し上げつつ、国際交易協力機構が次の500年も相栄えんことを願うとともに、その理念をフリューゲルの津々浦々にいっそう輝きわたらせんとする志をこめて、祝辞といたします。
カルセドニー万歳! 国際交易協力機構万歳! フリューゲル万々歳!

フリューゲル暦1186年9月24日
神聖ガトーヴィチ帝国為政院総理大臣
アンナ・ヴァシーリエヴナ・ヤナーミェヴァ


【御岳山諸島 大道寺夏帆第35代巫女長内定者臺下祝辞】
 本日はWTCO発足500周年という喜ばしい場にお招きいただきまして、厚くお礼申し上げます。
 本日、この晴れやかな節目を迎えられましたことは唯一の源加盟国であるカルセドニー社会主義共和国を始めとした各国の弛まぬ努力の結果とお慶び申し上げます。
 WTCOは経済弱者である発展途上国のセーフティネットとして永く活動を続け、これからも国際社会における経済の縁の下の力持ちとして発展し続けていくことが鮮明に拝察されます。
 国際交易協力機構と言う名は遡れば御岳山諸島が国際社会で活動していた時代に提唱した名前であり、本経済協力体は諸島の歴史を語る上で欠かせない存在となっております。現在弊政府は臨時政府であり、正式な国体の設立に向けて奔走する最中であります。今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
 WTCOのますますのご繁栄と、ご臨席の皆様のご健勝を祈念いたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。
 ありがとうございました。


【ラ・フローリド共和国 カタリーナ・ドミンゲス通商院長閣下祝辞】
国際交易協力機構(WTCO)が設立500周年を迎えられたことに、心より祝意を表します。
長きにわたり、貴機構が世界の交易と経済発展、平和的な国際協力の促進に果たしてこられた役割は計り知れないものがあります。
今後とも、持続可能で公平な経済環境の構築に向けた貴機構のさらなる発展と成功をお祈り申し上げます。
ラ・フローリド共和国 通商院長 カタリーナ・ドミンゲス


記念式典に参加された来賓の一覧

  • カルセドニー社会主義共和国(現加盟国)
    • 社会主義評議会議長(住環境委員長) ペンタ・ブラッドストーン 閣下
    • 外交委員長 ネーナ・アメシスト 閣下
  • 神聖ガトーヴィチ帝国(現加盟国)
    • 皇太子・イヴァングラート大公 ジーフ・グリブノーヴィチ・リーソフ 殿下
    • 為政院総理大臣 アンナ・ヴァシーリエヴナ・ヤナーミェヴァ 閣下
  • リブル民主共和国(現加盟国)
    • 国軍最高司令官 国家大元帥 岸田武雄 閣下
  • セビーリャ責任国(現加盟国)
    • 最高行政評議会議長 ペドロ・ロドリゲス・バレリア 閣下
  • 御岳山諸島(旧加盟国)
    • 第35代巫女長内定者 大道寺夏帆 臺下
  • タンファ王国(旧加盟国)
    • スラヴ・ファシスト党通商部部長 イリヤ・ウラジミロヴナ・ウリヤスカヤ 閣下
  • レゴリス帝国
    • 総統 レティシア・エルヴェシウス 閣下
    • 外務大臣 レオノール・ダングルベール 閣下
    • 特命全権大使(カルセドニー社会主義共和国駐箚・SLCN担当) ドロテーア・ディーツゲン 閣下
  • ロムレー湖畔共和国
    • 中央議会議長 ナディーヌ・マチルド・イシャール 閣下
  • ヴェールヌイ社会主義共和国
    • 工商計画大臣 ヤロスラフ・ニマエフ 閣下
    • 在加全権大使 ユル・ヤンヴァリョフ 閣下
  • ラ・フローリド共和国
    • 通商院長 カタリーナ・ドミンゲス 閣下
  • セリティヌム連邦
    • 連邦執政官 オリフィア・クリュサノス 閣下
    • 駐加大使 アウルス・カッシウス・レントゥルス 閣下
  • ルクスマグナ共和合衆皇国
    • 皇 アダム・フォン・ミルズ 陛下
    • 外務大臣兼光国外交全権代理人 ベルガーナ・フラウンフェルト 閣下
    • 首相兼ルクスマグナ社会民主主義連合最高指導者 レンヤ・ミストフォールト 閣下
  • ノエシタ社会主義共和国連邦
    • 大統領 ヨシフ・ノエシタ・シュターリン 閣下
  • アレクシス・ルーンレシア帝国
    • 皇后兼外務長官 シェーラ・アレクシス 陛下
  • トータエ社会主義人民共和国
    • 外務大臣 ジョーセフ・カリヌニコフ 閣下
  • レゲロ社会主義人民共和国
    • 副外交通商相及びレゲロ人民労働党経済委員 エトリト=ジノーチ 閣下
  • ノイエクルス連邦
    • 連邦陸軍大将、自由国国民議会議員 クリストバル・オルギン閣下
  • イスタシア自治領
    • 自治政府代表 エトガー・フォン・ファルケンハウゼン 閣下
  • ヘルトジブリール社会主義共和国
    • 国家評議会議長 レイラ・ローレライ 閣下
  • ロシジュア帝聖平和ドミニウム
    • 中務ソシアート代表 ヴェロニカ・エタニティーナ 閣下
  • セニオリス連邦
    • 外務長官 エマ・グラバル 閣下
  • 新洲府共和国
    • 貿工部長 顔建雄 閣下

以上22ヶ国・地域

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