理想的な君主主義とは

名もなき一人のリント帝国大学教授

私が思うに君主主義の本質は、統治者が絶対的な権威を持ち、それによって国家の安定と秩序を維持することである。権威なき君主は単なる象徴に過ぎず、統治の正統性を喪失せざるを得ない。ゆえに、理想的な君主制とは、君主が揺るぎない権威を確立し、その「威」によって国家全体を統率する体制でなければならない。本文では、強固な君主権の確立、統治の安定性、正統性の維持を軸に理想的な君主主義を論じる。

1. 君主の絶対的権威の確立

君主の権威は、国家の中心的基盤である。
君主制を実現するためには、君主が以下の要素を兼ね備えていなければならない。
1つ目は君主は単なる政治的存在ではなく、国家そのものと一体化した存在だということだ。国家の命運は君主の意志と直結し、その発する言葉と行動は絶対的な影響力を持たねばならない。

2つ目は法律・行政・軍事・外交のあらゆる分野において、君主は最終的な決定権を持つべきということである。臣民が政策を立案し、実行することは許されるが、その全ては君主の承認なしには成立しない体制であることが理想的である。

3つ目は君主の権威の絶対性の確立である。この権威を世俗的な権力闘争の中に埋没させることは、体制の崩壊を招きかねない。君主は、超越的存在として崇敬されることで、その統治が疑われることのない地位にあるべきである。

2. 統治の安定性の確保

絶対的な権威を持つ君主の存在は、国家の安定性を保証するものでなければならない。そのためには、以下の条件が必要である。
1つ目は継承の厳格化であろう。君主位の継承は、制度として完全に確立され、いかなる異論の余地もない形で維持されなければならない。後継者の選定において混乱が生じることは、君主の権威を損なう最大の要因となりやがて国家の崩壊を招くだろう。

2つ目は変わらぬ統治の原則である。国家の政策や方針は、特に非常に愚かな臣民の短期的な世論や外圧に左右されるべきではない。君主の意志が最優先され、政治の一貫性が維持されることで、国家は長期的な発展を遂げることができると考える。

3つ目は秩序維持である。君主の統治を脅かす勢力は、断固として排除されなければならない。内部の動揺を防ぎ、統治の一体性を維持するためには、徹底した管理・監視体制が求められるであろう。

3. 正統性の維持

君主の統治が長期的に存続するためには、その正統性が疑われることなく、確固たるものでなければならない。
君主の権威は、その歴史的な正統性によって支えられなければならない。国家の起源と発展が君主の存在と不可分であることを臣民に認識させることで、統治の安定が保証される。

また、君主は単なる政治的統治者ではなく、国家そのものの象徴として機能する必要がある。その存在が臣民の精神的な拠り所となり、絶対的な支持を得ることが求められるのである。

そして君主が統治の方向性を定める際、迷いや躊躇があってはならないがそれが生じることは必ずある。そういった時にその姿勢や姿を臣民に見せてはならない。強固な意志を持っており、それを明確に表明することで、臣民は君主の統治を疑うことなく従うようになる。

結論

理想的な君主主義は、単なる象徴的存在としての君主などではなく、国家の統治者として絶対的な権威を有する君主によって成り立つ。君主の権威が揺るぎなく確立し、統治の安定性が確保され、正統性が維持されることで、国家は長期的に繁栄することが可能となる。権威なき君主は、残念ながら君主制においては無意味かつ無価値であり、民主的な選挙による君主の選出などは論外である。君主主義とは、国家と君主が完全に一体化し、絶対的な支配を実現することによって初めて成り立つのである。