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第17回議会選挙・第16回大統領選挙実施 他

1103年10月9日付

【政治】第17回議会選挙・第16回大統領選挙実施 左派政党躍進も大統領選は”ねじれ”

<イグナイト・タイムズ>

任期満了に伴う第17回議会選挙および第16回大統領選挙は、1099年5月に実施された。

最大勢力ながらも優位を掴むには至らない制度的超越党に対し、勢力が拮抗するコモンウェルス共和党、セニオリス社会党、社会民主党が手を結び対抗する構図となる”勝者無き選挙”の印象が強かった前回選挙の結果から、今選挙では明確な優位を掴む勢力が現れるかが注目された。

制度的超越党のステファン・ホルワート大統領は当初2期目への意欲を示していたが、最終的に党が大統領候補として選んだのはキャロリーナ・ファブリス政権の閣僚であったペトラ・カティッチ元農務環境長官だった。現職ではなく、ましてや最近になって党籍を置いたに過ぎないカティッチを選出した背景には、ひとえに世論調査における彼女の圧倒的支持率にあった。ITP公認候補として体制の”超越化”こそ支持するものの、コモンウェルス共和党を筆頭とした穏健派との連携を否定しない姿勢は”超越至上主義”を掲げる党としては極めて異例なものだったが、世論の圧倒的な後押しが党内議論を決着させた模様だ。

独走するカティッチ候補を追う有力候補としては、4者が入り乱れる混戦模様となった。社会民主党・進歩自由党・立憲民主党の3党推薦を取り付けたステファン・マノリッチ候補(コモンウェルス共和党)は中道穏健派の代表者として立ち、左派のサラ・バルン候補(セニオリス社会党)と右派のゴラン・ポリャク候補(セニオリス民主同盟)はそれぞれに中道連立から溢れる格好の中で党派の独自色を強め、そして「イデオロギーからの脱却」を超えた「党派性からの脱却」を掲げたマルコ・メシッチ候補(無所属)も台風の目となった。4者は激しい追い上げを見せたが、選挙戦前から明らかだった圧倒的な差は覆し難く、世論調査では終始カティッチ候補の優勢を許す状況だった。

一方議会選挙では、大統領選挙において”物議を醸す”候補を公認した影響から制度的超越党陣営には乱れが見られた。例年の選挙戦では、大統領候補者が議会議員候補者と連携し運動することで相乗効果を狙うことも少なくないが、今選挙では党公認のカティッチ候補の演説はもっぱら単独で行われる姿が目立ち、議員との微妙な関係性を印象付けた。選挙運動に関わったある関係者は「議員候補の側から応援演説を断ってしまう例が少なくなかった」と明かし、党として公認候補への不信感を最後まで拭えなかった様子が明らかにされた。議会選で代わって支持を拡大させたのは、政権与党であった社会民主党とセニオリス社会党だった。左派の両党は任期中の実績を中心に訴え、旧来からの労働組合などの支持基盤を固めるとともに、迷走が目立った制度的超越党に対し安定感を見せつけた。

選挙結果としては、大統領選挙は制度的超越党のペトラ・カティッチ候補が逃げ切りを果たした一方で、議会選挙では制度的超越党が36議席を失い19議席に留まり、代わって社会民主党が33議席増の64議席、セニオリス社会党が19議席増の51議席を得るという明暗の分かれるものとなった。

ペトラ・カティッチ新大統領はホルワート前大統領から制度的超越党出身大統領という地位を引き継ぐことには成功したが、党は議席を大幅に減らしたために前大統領以上に存在感を発揮しづらい立場に置かれることとなった。大統領は「体制の超越化という目標のためなら、あらゆる勢力との協力を惜しまない」としたが、議会第一党となった社会民主党は「超越至上主義に固執する党と協力しうる領域は極めて限られる」と否定的であり、”事実上の議院内閣制”の状態がますます進みそうだ。

【政治】ベルナルダ・トムリャノビッチ氏が第9代首相に

<北方セニオリス新聞>

1099年5月、第17回議会は首班指名選挙を行い、新首相に116票を得たベルナルダ・トムリャノビッチ氏を指名した。

ペトラ・カティッチ大統領は議会の指名に基づき、同氏を共和国の次期首相に任命した。

なお、同日行われた議会・副議長選挙では議長にアイラ・クトゥラ氏(社会民主党)、副議長にはアントニヤ・シカティッチ氏(セニオリス社会党)がそれぞれ選出された。

【政治】中道左派の凱旋 トムリャノビッチ政権を読み解く

<新セニオリス通信>

1099年5月の総選挙の結果は、左派の社会民主党と社会党が強固な支持固めと政権与党としての実績によって議席増を果たし、制度的超越党と右派政党は共に議席を落とす結果となった。制度的超越党は大統領選こそ逃げ切る形で勝利したものの、議会では勢力を大幅に減らす結果となり、”超越至上主義”の主張は後退したと言えよう。

64議席を獲得し議会第一党となった社会民主党は連立交渉に際し、大統領選挙における連携を連立の枠組みに活用することを選択した。すなわち大統領選においてステファン・マノリッチ候補を公認・推薦した4党のうち、社会民主党、コモンウェルス共和党、進歩自由党の3党によって連立を構成することとした。

以下にトムリャノビッチ政権の顔ぶれを示す。

役職名前所属
首相ベルナルダ・トムリャノビッチ社会民主党
外務長官ズラトコ・マテシャ社会民主党
防衛長官ドゥブラフカ・シューケルコモンウェルス共和党
法務長官ミルコ・パヴロヴィッチ社会民主党再任
財務長官イワン・マタチッチコモンウェルス共和党
内務長官クリスタ・ミラノヴィッチ進歩自由党
国土開発長官アイラ・ロビッチ社会民主党再任
教育科学長官ズラトコ・マリッチ社会民主党
経済産業長官オリーヴィア・ファーランコモンウェルス共和党
資源・エネルギー長官セナ・マノリッチ社会民主党再任
運輸衛生長官ヤコヴ・シューケル社会民主党
農務環境長官バーバラ・マタチッチコモンウェルス共和党
労働長官ミレンコ・メシッチ社会民主党
厚生長官ゾラン・マノリッチコモンウェルス共和党
行政改革長官フルヴォイェ・メシッチ進歩自由党

政権与党のうち2党はコソル前政権の枠組みを引き継ぐものであったが、社会民主党に政権の主導権が移ったことに起因して内閣の顔ぶれは大きく入れ替わった。前政権からの再任は社会民主党の3名のみとなっており、これは社会民主党が政策立案についても主導権を握ろうとしていることの現れと見られている。

トムリャノビッチ首相はカティッチ大統領の掲げる「体制の超越化」について、「協力の可能性を全て否定するものではないが、乗り越えなければならない壁は多いだろう」と指摘した。社会民主党幹部も「社会民主党と制度的超越党の超越に対する認識の違いはあまりにも大きく、協力しうる領域が現時点で想定し得ない」とし、ホルワート前大統領に引き続き大統領の権限が極めて限られる”事実上の議院内閣制”の状態が展開されそうだ。

その他

  • 【政治】カティッチ大統領、大統領令第253号『セニオリスの体制超越性の検証』に署名も議会にて無効決議 首相「具体的な評価手法欠如し施行不可能」(北方セニオリス新聞)
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