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SEACOM

概要

 社会主義経済支援調整会議(СКСЭП-SEACOM)は、ヴェールヌイ社会主義共和国とレゲロ社会主義人民共和国の二国間で設置された、相互扶助を目的とする調整機関である。620年9月下旬に調印された「レゲロの主権回復に伴う社会主義経済支援調整会議設置に関する協定(SEACOM協定)」を根拠としている。

締結の背景と実態

 570年代後半、レゲロによる国際法を無視したミサイル演習事件を発端とする一連の混乱の結果、581年5月以降、レゲロは「ヴェールヌイ・レゲロ統制条約」に基づき主権をヴェールヌイに移譲し、民主化を目指すこととなった。619年9月にはレゲロで初の普通選挙が実施され、民主政府が発足したことを受け、両国は統制条約の破棄に合意した。
 38年間に及ぶ統制条約下において、レゲロは外交・通商・経済の各分野でヴェールヌイによる指導・斡旋・庇護を受け続けた。主権回復後もレゲロ新政府は同様の関与と支援を要望した。レゲロは統制条約以前からしばしばヴェールヌイとの連合国家形成に意欲を示しており、条約締結後にはヴェールヌイへの併合を容認する姿勢すら表明した。しかしヴェールヌイにとっては、自国の外交方針や法制度に反するうえ、経済・安全保障面でも大きな負担となるため、この打診を一貫して拒否し続けた。(こうした協議の難航が、統制条約の長期化を招いた一因でもある。)
 この状況を踏まえ、双方の希望を折衷する形で構想されたのが、名目上は主権国家のままレゲロを実質的にヴェールヌイの影響下に置くSEACOMであった。協定は主権国家間の相互扶助を謳っていたが、議長国の地位はヴェールヌイが辞退しない限り専有する仕組みであり、履行義務を伴う各種合意の協議においてヴェールヌイは常に完全な優位を保持することとなった。

 SEACOM協定は620年9月、ヴェールヌイの首都サンサルバシオンで調印・発効され、その場で第一回会議が開催され、1号合意が議決された。この合意では、ヴェールヌイが議長国となること、ならびにレゲロ銀鉱山における一切の権利をヴェールヌイが取得することなど、協定が目的としたヴェールヌイ優位の両国関係が具体的に規定された。レゲロの銀資源はヴェールヌイを中継して友好国を中心とした諸外国へ輸出され、レゲロにとっては主要な国家財源として安定した収益をもたらす一方、その中抜きによってヴェールヌイも多大な利益を享受した。もっとも、このレゲロ銀資源に依存して得られた余剰利益は、結果的にヴェールヌイ本来の内需経済の弱体化を招き、ひいては国家機能停止の遠因となった。

 また、SEACOM協定は、統制条約の解消に伴うレゲロの独立、すなわち国際規範を遵守する民主国家としての主権回復を世界に宣言することを第一義とした構成を採っている。しかし実際には、前述の通りレゲロが単独で外交通商活動を行うこともなく、また世界から真の独立国家として扱われることもなかった。この事実はヴェールヌイ国内では覇権・植民地主義として批判され、レゲロ国内では新民主政府の求心力低下に直結した。やがてレゲロは統制条約以前の独裁体制へと回帰し、この経験は双方にとって大きな教訓を残すとともに、現在に至る両国関係にも少なからぬ影響を及ぼしている。

協定解消とその後の両国関係

 ヴェールヌイとレゲロの両国は、ともに一時的に国家機能を停止した時期があり、その段階で協定の効力も停止したものと見なされた。両国が国際社会に復帰した後に行われた、990年1月の両国外相会談で、協定が「もはや無効」であるとして正式に解消が確認されることとなった。
 その後、1070年4月には、ヴェールヌイがレゲロに対して経済支援を行う「ヴェールヌイ・レゲロ経済協力覚書」が締結された。同覚書には、「かつて両国間に広範かつ強固な協力関係が存在した歴史を想起し、その根拠となったSEACOM協定に掲げられた――主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、両国に適した個々の社会主義の実現による平等と互恵、並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な友好協力関係を維持・発展させる――との理念と理想を踏まえ」ることが明記されている。
 このように、SEACOMは解消後の現在に至っても両国の歴史的協力関係を象徴するものとして言及されており、かつては主従関係を規定していたSEACOMも、解消後になって初めて、両国友好の礎のひとつとして本来の役割を果たすに至った。

協定本文

レゲロの主権回復に伴う社会主義経済支援調整会議設置についての協定

 ヴェールヌイ社会主義共和国とレゲロ社会主義人民共和国(以下両国)は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、両国に適した個々の社会主義の実現による平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な友好協力関係を維持、発展させることを決意した。
 レゲロ社会主義人民共和国は、貿易及び通商と、一般外交と安全保障の分野において、国際的に公正と認め得る慣行に従うことを確認し、これを維持促進するうえで、ヴェールヌイ社会主義共和国に準じて自らの国益を確保することを希望する。
 ヴェールヌイ社会主義共和国は、レゲロ社会主義人民共和国が、主権を有する対等の友人として、貿易及び通商と、一般外交と安全保障の分野において、国際的に公正と認め得る慣行に従って、福祉を増進することについて支持し、両国共通の利益について、これを保全発展させる意思を確認するので、次の規定を協定した。

1.レゲロ社会主義人民共和国の主権回復について
1-1.両国は、581年5月に締結されたヴェールヌイ・レゲロ統制条約が、第五条が履行された結果として、第六条の定めに従って、無効となったことを確認する。
1-2.両国は、レゲロ社会主義人民共和国が、世界の様々な国と同等の主権国家としての地位を回復したことを確認し、国際にこれを宣言する。
2.社会主義経済支援調整会議の設置について
2-1.両国は、両国域内において、両国の特性を最大化させることにより、経済的に統一された単一市場と生産基地を創出することによって、持続可能な発展を促進して、相互に扶助する義務を負う。
2-2.2-1の目的を達するため、両国は、両国の代表からなる「社会主義経済支援調整会議」を設置する。
2-3.「社会主義経済支援調整会議」を構成する両国のうち、一方が議長国として議長を選出する。
2-4.議長国は両国の合意があれば交代する。
2-5.「社会主義経済支援調整会議」の意思決定は、両国代表の協議と合意に基づく。
2-6.合意が得られない場合、議長が採否を決定することができ、これを合意と見なす。
2-7.合意は合意書として第三国が閲覧できる形態、手段により公開される。
2-8.両国は、合意を履行する義務を負う。
3.協定の改定について
3-1.本協定は合意に基づいて改定される。

合意

1号合意(620年9月下旬)
1.両国は、ヴェールヌイ社会主義共和国をSEACOM議長国として選任した。
2.両国は、両国間の交易について契約の必要が生じた場合、FENA標準レート及びENEC標準レートの、どちらか一方の価値上限を超えない範囲で価格を決定することにした。
3.両国は、レゲロ社会主義人民共和国で産出される銀について、ヴェールヌイ社会主義共和国が鉱山開発と販路を確保、提供した事、また現状において銀がレゲロ経済の主力源泉であり、その維持についてヴェールヌイ社会主義共和国が責任を負っていることを考慮し、銀の採掘と維持、定期交易に係る各事項について、ヴェールヌイ社会主義共和国がこれを運用することにした。
4.両国は、レゲロ社会主義人民共和国で産出される銀について、その備蓄の個別の契約及びその輸送については、事前連絡の必要がないことを確認した。

2号合意(632年9月初旬)
1.両国間の定期交易について
1-1.両国は、両国間で既に実施またはこれから実施される定期交易について、その変更にあたっては1年前に通告しなければならないこととした。
1-2.両国は、一号合意3及び4が、二号合意1-1に優越することを確認した。
2.近年の世界的な社会不安を発端とするレゲロ社会主義人民共和国の治安悪化に対し、ヴェールヌイ社会主義共和国が必要な援助を行う事について
2-1.資金換算100兆Va相当の各種資源について、レゲロ社会主義人民共和国の要請があれば、ヴェールヌイ社会主義共和国は速やかにこれを融通することにした。
2-2.両国は、レゲロ社会主義人民共和国内のヴェールヌイ社会主義共和国軍の駐屯について、現状の二か所から最大三か所まで可能とすることにした。
2-3.両国は、レゲロ社会主義人民共和国内におけるヴェールヌイ社会主義共和国軍駐屯地の設置及び撤去にかかる一切について、レゲロ社会主義人民共和国に裁量権を一任することにした。