2019/04/24 21:27:01
【フリューゲル安全保障】
第43回【セニオリス併合の真相はこうだ!】
レゴリス帝国によるセニオリス共和国の併合が世界に衝撃を与えている。物事の表面しか見えていない御仁にとっては「何が何だか分からない」事態であろう。しかし、一つ一つ事実を積み上げていくと思わぬ真相が明らかになっていくものである。
今回の併合は境地に陥ったセニオリスの発作的行動だと一般には考えられている。断じて違う。現状を見てみよ。レゴリスと普蘭の対立は激しさをまし同盟国なのが信じられないほどだ。あわや戦争になりかねない。さてこの急変で利益を一番受けたのはどの国であろうか。疑いようもない。セニオリスである。セニオリスは衛星レーザー照射問題、ミルズ火災事件、FENAにおける同国の加盟資格問題等で普蘭、レゴリスと激しく外交的に対立していた。特に普蘭に至っては軍事手段の行使すら匂わせていた。しかし、併合という奇策でレゴリスとの関係は言うまでもなく大幅に改善した。さらに併合に異議をとなえる普蘭はレゴリスと対立しセニオリスだけに構っている余裕がなくなった。もちろんレゴリスの庇護があるのだから、セニオリスに容易に手を出すこともできない。
偶然にしては出来すぎの結果であり、セニオリスはこの事態を狙っていたのではないか。また、同国の狙いは単に自国の安全を図るだけではない。もし普蘭=レゴリス両大国の戦争となれば勝者といえども無傷とはいえまない。その手負いの大国を叩く。これが813年戦争の屈辱を晴らし、さらに同戦争以降暴落した自国の国際的地位を一挙に高めようとするセニオリスの深謀遠慮なのである。
ただし手負い相手とはいえ、軍事弱小国セニオリス単体ではいかんともしがたい。有力な同盟国が必要である。おあつらえ向きの国があるではないか。そう、かつての盟友ガトーヴィチ帝国である。ヴェスニン軍務相の「主権を渡すような国と組んだから負けた」というセニオリス共和国への論難は両国間の謀議を隠す煙幕である。
王国はどうすべきか? ならず者にして仇敵普蘭との戦いにぜひとも参戦すべきである。同国を膺懲すべきである。この点は明確である。問題はレゴリスの盟友として参戦すべきか。あるいはセニオリスとガトーヴィチに加わるべきか。この問題は難しいが来週に検討してみよう。
コンラート・フライ 筆
元連合王国陸軍大佐、歩兵連隊長 三等王冠勲章受章
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