2013/10/01 23:40:38
光龍8年(492年)12月1日の御前会議にて皇帝陛下はレゴリス帝国が提示した講和条件の受諾という御聖断を下された。姜首相以下全閣僚がこれに同意し、大幹帝国は連合国に対する降伏を宣言した。
御前会議の後、閣下は首相官邸にて拳銃自決された。
陛下及び閣僚は閣下の自決に動揺されたが、陛下の御勅命により金幸徳副首相が臨時に行政の最高責任者となることが取り決められた。
以下に閣下の御遺言を紹介する。
「至尊なる皇帝陛下、親愛なる幹国国民の皆様、また共に戦った盟邦OTO諸国民の皆様に対し、己の職責を放棄し、黄泉の国に参ることをお許し頂きたく思います。私はこの戦争で偉大な祖国を敗北させ、荒廃させてしまいました。幹国492年の歴史に泥を塗ったこととこの戦争で斃れた二千万以上の幹国国民や我が同盟国ノイエクルス国民に対する謝罪のため自決という手段を取りましたことをご理解ください。
我が祖国は圧倒的な国力の差をものともせず、大義を守るため、幹国の栄光を守るため、友邦ノイエクルスの平和を守るため最後まで戦い抜きました。
たとえ肉体が滅びても其の魂は永遠に生き続けるように、我が祖国は廃墟となろうとも勇敢な魂を持ち続ける限り何度でも復活を遂げることでしょう。
我が祖国は連合軍による攻撃により廃墟となり、家族や友人は死に絶え、多くの大切なものを失いました。
しかし、親愛なる国民全員にお願い奉ることはただ一つ、連合軍を寛大な心で許して下さい。
私がそうであるように志ある人々は皆、連合軍を恨み、憎んでいることでしょう。
ここで、その恨みを捨てて敵を許せと言うのは酷であることは私が一番理解しております。しかし、その恨みと憎しみは新たな恨みと憎しみを生み出し、不幸の連鎖は永遠と続くこととなるでしょう。
この連鎖を断ち切ることができるのは我が偉大な祖国、大幹帝国とその偉大な国民たちであります。
連合軍に対する恨みと憎しみを忘れ、許し、友人となることが大幹復興の第一歩となることを賢明な国民の皆様に理解いただきたく思います。
最後に、私の皇帝陛下に対する忠孝と国民に対する仁義の礼教精神は永遠に不滅であります。この戦争で散った英霊と共に偉大な祖国の復興を心より祈ります。
臣 姜英哲 」
共産主義勢力との戦いである龍鮮戦争、盟邦大石動帝国の滅亡、巨大隕石の落下、そしてこの戦争という幾多の困難に勇敢に立ち向かった無類の愛国者であり、幹民族の英雄である姜英哲閣下の逝去に全国民は涙を流し、同時にその偉大な精神と遺志を継いで国土再建へと向かう確固たる意志を強く世界に示した。
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龍鮮日報 第三十四号 492年(光龍8年)12月2日発行