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Exquisite Dream 【寄稿】完全平和主義とはどの程度の平和主義か?

2013/05/21 19:44:51

[url=http://tanstafl.sakura.ne.jp/uploads/veiros_1369133074_Screen%20Shot%202013-05-21%20at%207.37.53%20PM.png][img align=left]http://tanstafl.sakura.ne.jp/uploads/thumbs/veiros_1369133074_Screen%20Shot%202013-05-21%20at%207.37.53%20PM.jpg[/img][/url]【寄稿】完全平和主義とはどの程度の平和主義か?

アクアマリン王国が来たる10月の新国王即位式典にて、[b]「完全平和主義」[/b]を宣言予定という報道はルーシェベルギアスのスオミ人コミュニティにおいても論議を巻き起こした。
ご存じの通りルーシェベルギアスは軍隊を保持していない。
しかしそれは、別に国民がことさらに反戦、反軍思想の持ち主だからというわけでは無い。ミニ国家という特殊な政治事情からくる現実的な選択であり、仮にルーシェベルギアスの領土と人口が今の50倍あれば、何らかの防衛体制が構築されるだろう。
また当然ながら、軍隊を持つ国家が先軍政治、暴力賛美、軍国主義であるというわけでも無い。

仮にルーシェベルギアスが他国からの宣戦布告や軍事的攻撃を受けた場合、ルティーナ公爵は即日で他国に亡命し、カベルネ・ソーヴィニヨンの奪回に他国の軍事力を頼ることだろう。
ルーシェベルギアスは軍隊を持ってはいないが、それを誇りに思うことはしない。その重要性は重々に承知しているのだ。

アクアマリン王国の完全平和主義が、単なる専守防衛であれば何も問題はない。しかし、もし同国の平和主義が、「諸国民の信義に信頼する~」などといった国軍の解散を伴うものであった場合、同地域の軍事的バランスに重大な変化が発生することは必至である。アクアマリン政府には平和主義宣言という耳障りは良いが非現実的な政策を実行に移す前に、慎重な討議と検討が求められる。

【投稿者:キュオスティ・ランジェル。軍事評論家、スオミ国籍。】

== Flugel Another Story vol.4 ======

 自分がルーシェベルギアスに留学したのは、必ずしも自分の本意ではなかった。宮廷を離れて静かに暮らしたいと父王に告げると、次の日にはこの国への移住を勧められたのだ。
 留学という体裁を採ってはいるが、期間は無期限であり、宮廷語で翻訳すると「戻って来なくとも良い」らしい。ルーシェベルギアスを成蘭連邦に組み込む布石か、或いは自分と違って覇気も才能もある弟への王位継承への布石か。父王の思惑は解らない。

「ルティーナ殿下」
「はい」
 自分を見下ろしながら、美少女が微笑む。
 目的の宮殿に辿り着いて挨拶も早々に、自分は飛行機酔いと時差酔いにより倒れ伏したのを覚えている。目が覚めたのは公爵の膝の上。
 言うべき様々な外交的、あるいは儀礼的言葉が浮かび、彼女の微笑みの前で消えて行く。
「ご気分は如何ですか?」
「……まだくらくらしています。お恥ずかしい……」
「お気になさらないで。出会いは記憶に残った方が」
 人と話すのは得意ではない。ましてや年頃の異性など。そんな自分に比べて、この白い肌の、箸より重いものを持ったことのなさそうな虚弱な少女が国家一つを支え、各国首脳との会談に応じているのかと思うと内心忸怩たるものが無いわけでも無かったが、三半規管が未だに悲鳴を上げているのは仕方が無い。
「王子様。これから毎日ルティーナを可愛がって下さいね」
 公爵が手を握り、耳元に甘い声で囁く。その声と表情の妖艶さに息を飲む。
「……殿下?」
「ルティーナは悪魔ですから。王子様を誘惑して虜にします。鬱病だった頃のことなんて思い出せないようにしてあげましょう」
「……私を気に入っていただけたと解釈してよろしいでしょうか」
「はい。これから毎日、王子様の思い描く理想の女の子を演じてあげます。そして貴方は恋という罠に囚われて、心の底から私を愛するようになるの」
 変わった子だと思った。そして恐らく彼女の言う通りになるのだろう。自分はもう囚われて、逃げられない。逃げ続けた人生の終着駅がここだ。

※上記文書はイメージであり実際の外交に影響を及ぼしません。
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