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普欧帝国宣伝部 【特集】ケーニヒスベルク大学教授による『鉱山帝国主義』評

2012/03/08 2:11:51

【特集】ケーニヒスベルク大学教授による『鉱山帝国主義』評(1)
先日、ノイエクルス自由国にて「反鉱山帝国主義」デモが予想以上の盛り上がりを見せた。
このニュースを受けて帝国内では困惑から罵倒まで様々な反響が各メディアに寄せられているが、
一連の動きの中でノイエクルス大学教授の著作『鉱山帝国主義』に関する注目が一挙に高まった。
そこで本宣伝部はケーニヒスベルク大学国際政治学部のシュミット教授、歴史学部のリッター教授を招き、
『鉱山帝国主義』の書評と今回のデモ、両国の政策に関するコメントを求めた。
※リッター教授・・・歴史学部教授、大学教授陣の長老とも言うべき御人、シュミット教授・・・国際政治学部教授

宣伝部国際政治課課長ハンス(以下ハンス)「シュミット教授、リッター教授、よろしくお願いします」
シュミット、リッター両教授「よろしく」
ハンス「まずリッター教授に『鉱山帝国主義』の概略について説明して頂きます」
リッター教授「まずこの本についてだが、国際政治と経済の観点から我が国の政策を批判したものだ。
本の中身について語るのならシュミット君の方が良いと思うが、我が国の伝統的な政策について語るには、
歴史学をやってる私の方が良いというところだろう。違うかね?」
ハンス「おっしゃる通りです。教授はこの本を読んだ大勢の人間が感じた疑問をもうお分かりになっていると思われます」
リッター教授「うむ、この本の著者は我が国が途上国経済に大きな影響力を持ち、他国を介入させぬ経済圏を作ることで
ノイエクルスやその他の国の孤立化を図っていると、大体彼が言いたいのはこんなところか」
シュミット教授「おおよそその通りですね、リッター教授。そしてある意味、それは間違っていません」
リッター教授「そうだな、なかなか我が国の外交機構や経済構造の把握がよくできているじゃないかね。
だがこの人は普欧史に疎いか、あるいはノイエクルス人の心性は我々の行動を理解できていないんじゃなかろうか」
ハンス「はい、著者は我々の交易についても『互恵関係構築の名を借りた経済的束縛』と記しています」
シュミット教授「束縛も何も、我々に富の再分配を求める以上の意図などある訳ないでしょう」
リッター教授「そこが向こうの人には理解できないんだろう」
ハンス「私もそう思います。とはいえ、10年位前から国内でも企業主たちが文句を言っていますが」
リッター教授「まぁ彼らの言わんとしているところも分らんではない。資本家は儲けなくてはならんからな。
しかしな、我が国の歴史上の経験は色々なところに根を張っているのだ。上流階級から民衆まで色々と、な」
シュミット教授「富というものに対する考え方からして我々は余所の国の人と違いますからな」
ハンス「そうですね。ですが、この本の著者も多くの他国人も訳が分らないと思いますので、リッター教授、お願いします」
リッター教授「うむ、そもそも我が国は植民船団の事故から出来た国だ。船団の不時着先で先住民と血みどろの戦争をした」
ハンス「植民戦争ですね」
リッター教授「そうだ。先住民から略奪した食糧で我々は生きながらえた。当時私も銃を取ったものだよ。
漂流中の生活は困窮というに尽きる。一部では食人さえ行われたというじゃないかね。みじめなものだ」
ハンス「まったくです。しかし、当時の状況を考えれば」
リッター教授「そこらへんの是非は個々人の判断するところだ。まぁ後世の人間がそれをやるのは難しいがね。
さて、生きながらえたことはいいが、その代わりに我々は重大な過ちを犯してしまった。先住民を根こそぎ殺したのだ」
ハンス「はい。後の発掘調査では重大な発見がありましたね」
リッター教授「うむ、353年の調査では(15,11)、(14,12)で何かの卵2個を連続発見した。この遺構は凄かったよ」
ハンス「考古学上の発見も重大でしたが、それだけではありませんね」
リッター教授「そうとも。今は亡き建国王をはじめ当時の人々は自分たちの失策を思い知ったのだ。
先住民は森林資源の利用において普欧人が再現できない高度な文化を有していた。これは重大なことだよ」
ハンス「森林資源の活用はここ最近かなり重要性が高まっています。特に薬学の分野では」
リッター教授「現代の技術で先住民が使っていた薬を研究してもね、生成法は分らんそうだ。効力は折り紙つきだよ。
私は先住民の罠にかかって猛毒に犯されたことがあってね。仲間が先住民から奪った薬で助かったんだが、
今普欧製薬が作っている薬であの時の私を死の淵から救い出せるものはないそうだ」
ハンス「幸運でしたね」
リッター教授「そこで私を含め皆思ったんだよ。『豊かさ』とか『富』というものはなんなんだってね」
シュミット教授「その問いが我々の哲学に与えた影響は非常に大きい。これが我が国の外交政策にも影響を及ぼしています」
※長くなったので中断します。上の記事に続く。

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