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産業マニュアル

 本記事はフリューゲル暦1188年、現実時間2025年3月9日のアップデート後のゲームシステムに基づく、各種産業の消費資源・生産資源についてまとめ、それぞれの産業化のためのコツについて解説することを目的としています。一部はマニュアル(2024年版)の情報の再掲になっていますが、各種産業化のためのTipsを含む、チュートリアルに近い方向性の記事となる予定です。
 なお、本記事で資源価格の換算が必要となる場合は、上記の時期におけるカルセドニー社会主義共和国が採用している公定レートである以下のレートを使用します。本記事では、損益分岐下限特化率という言葉を用います。これは、投入資源の価格を上回る生産額を得るために最低限必要な特化率として定義されます。当該産業を維持するための労働者や産業地形から発生する維持費については完全に無視しているため、実際にはこれよりさらに一定程度高い特化率がなければならないことに注意してください。

資源種類基準価格
燃料1兆Va/1億ガロン
食料2000億Va/1億トン
商品4000億Va/1兆Va相当
10兆Va/1万トン
鋼鉄4兆Va/1億トン
石油1兆Va/1億バレル(砲弾の原料価格の計算に使用)

農業

燃料消費4000万ガロン/稼働農業規模1000万人
資源消費なし(燃料のみ)
生産基礎値1億トン/稼働農場規模1000万人
特化率
最大特化率1729.35%

 農業は、必要な投入資源・生産資源ともに非常に廉価であること、特化率の向上幅が他の資源に比べて非常に大きいことを特徴とする。投入する燃料の価値(4000万ガロン=0.4兆Va相当/稼働規模1000万人)を上回る食料を生産する、損益分岐下限特化率は100%となる。実際には、ほとんどの農業国がこれよりもはるかに高い特化率で生産を行っている。特化率900%の場合、稼働規模1000万人ごとに燃料4000万ガロンを食料10億トンに変換していることになり、実質収益は1.6兆Va(食料の売上2兆Vaから燃料費用0.4兆Vaを引いた差分)となる。

商業

燃料消費2000万ガロン/商業売上高1兆Va
=2000万ガロン×(1+特化率/100)/稼働商業規模1000万人
資源消費商品1兆Va相当×(1+特化率/100)/稼働商業規模1000万人
生産基礎値資金1兆Va/稼働商業規模1000万人
特化率
政体値=200(権威主義)、300(民主主義)、0(警察国家)
最大特化率305.325%

 商業は、特化率に応じて上昇するのが商業規模当たり商品取り扱い規模であって、商品取り扱い規模当たり資金収入ではないという点が重要な特徴である。また、燃料消費も稼働している商業規模ではなく、商品売上に比例する。つまり、商品1兆Vaを消化するごとに得られる利益は常に0.4兆Va(資金1兆Va-商品価格0.4兆Vaー燃料価格0.2兆Va)であり、他産業では決定的な役割を果たしている規模の経済がほとんど働かない。したがって、損益分岐下限特化率は0%である。
 ただし、商業は社会保障維持費の計算において非常に大きな影響力があり、また商業規模拡大に不可欠となる現代都市は(周辺に発生する近郊住宅地を含めて)過密地形であることから、商業大国は維持費が非常に高額となる。こちらまで考慮すれば現実的には低特化率(≒警察国家体制)の商業大国を形成することは現実的ではない。なお、維持費の計算は非線形性があり、単純に産業規模に比例しないためこの記事では扱わない。

工業

燃料消費1億ガロン/稼働工業規模1000万人(軽工業)
4億ガロン/稼働工業規模1000万人(重工業)
1億ガロン/稼働工業規模1000万人(先端工業)
資源消費食料1000万トン/稼働工業規模1000万人(軽工業)
鋼鉄3330万トン/稼働工業規模1000万人(重工業)
銀2500トン/稼働工業規模1000万人(先端工業)
生産基礎値商品0.5兆Va相当/稼働工業規模1000万人(軽工業)
商品2兆Va相当+砲弾200メガトン/稼働工業規模1000万人(重工業)
商品1兆Va相当/稼働工業規模1000万人(先端工業)
特化率
最大特化率648.375%
備考発電所によりさらに生産効率の上昇が可能(最大1.8倍)。本記事では発電所の維持コスト(燃料)は無視している。
太字は2025年3月9日アップデート後の変更点

 工業は主たる原料である銀が高価格で取引されていることもあり、特化率が非常に重要な産業である。また、軽工業・重工業・先端工業の3種があり、それぞれに性質が異なるため、個別に解説を行う。

軽工業

 原料である食料の消費はごくわずかのようであり、実質的には「燃料を商品に変える」産業である。生産量自体は少ないが、2025年3月9日アップデートの結果、かなり高効率な産業に強化された。2025年3月9日アップデート後の損益分岐下限特化率は183%(工業人口1000万人当たり0.5×(1+1.84)×1.8=2.556兆Va相当の商品が生産されるので、燃料1億ガロン+食料1000万トンの1.02兆Vaを上回る)にアップデート前の609%から劇的に低下した。
 アップデート前においては生産効率を無視した自給経済であればかろうじて採用に値するという評価の産業であったが、現時点では非常に有力な選択肢へと変化したと言えるであろう。

重工業

 採用すべきではない。国家規模が小さい場合は採用に値する!

 重工業の鋼鉄消費量は2025年3月9日アップデートで劇的に引き下げられた。鉄鉱山1基の1ターン当たりの平均採掘量は3500万トン程度であるが、重工業はアップデートで人口あたり商品生産性が半分になり、商品当たり鋼鉄消費量が4分の1になったので、鉄鉱山1基でサポートできる重工業規模はアップデート前の8倍にあたる1051万人に達する(1000万人当たり鋼鉄が毎ターン3330万トン必要なので、3500÷3330=1.051(千万人)となる)。これはアップデート前の先端工業を上回る(アップデート後の先端工業は下回る)値であり、重工業最大の問題点であった「まともな国家規模の工業国が採用すると一瞬で鋼鉄を食い尽くす」点がほぼ完全に解消されたと言える。
 一方で、燃費の悪さはアップデートで磨きがかかった。鉄鉱山1基から生産される鋼鉄を全て消費するためには6ターンあたりのべ6306万人の工業が稼働することになるため、燃料25.2億ガロンを必要とする。これは先端工業の3倍に相当する(人口あたり燃料消費が4倍なのに鉱山あたり燃料消費が3倍に留まるのは、先端工業の人口当たり資源消費が重工業の3分の2であるためである)。
 損益分岐下限特化率は132%(工業人口1000万人当たり鋼鉄3330万トン+燃料2億ガロン=市場価格3.332兆Vaの原料から、2×(1+1.32)×1.8=8.352兆Va相当=市場価格3.34兆Vaの商品が生産される)であるが、今後鋼鉄の価格が高騰する可能性もあるため、その場合はこれに合わせて必要特化率も上昇していくことが想定される。特化率600%の重工業国家の場合、6ターンごとに鉄鉱山1基から生産される2.1億トンの鋼鉄と25.2億ガロンの燃料を約160兆Va相当の商品と約1万6000メガトンの砲弾に変換すると試算される。これは実は非常に高効率である(市場価格33.6兆Va相当の原料を市場価格64兆+16兆=60兆Va相当の製品に変換している)。鋼鉄が1億トン=4兆Vaで安定して手に入るのであれば先端工業を押しのけて採用すべき水準に達している。

先端工業

 工業と言えばこれである。損益分岐下限特化率は387%(工業人口1000万人当たり1×(1+3.87)×1.8=8.766兆Va相当=市場価格3.51兆Vaの商品が生産され、銀2500トン+燃料1億ガロンのコスト3.5兆Vaを上回る)である(なお、かつてカルセドニーが「工業特化率の損益分岐点」記事を書いた際には燃料1億ガロン=2兆Vaのレートが用いられていたため、要求特化率は今より高かった)。ただし、現実的には維持費その他のコストを支払わなければならないため、実際の工業国は特化率500~600%が要求されることが多い。

重工業と先端工業の比較

 商業大国カルセドニー(商業規模300兆Va/6期)を「食わせていく」のに必要な資源量を検討する。計算上都合がいいため、工業国の特化率として561%を仮定する。なお、工業とは別に、300兆Va相当の商品を消化するために6ターン当たり60億ガロン(ウラン鉱山3.75基分)の燃料が必要である。食料については資源消費は商工業に比してわずかであるため省略する。

  • 重工業:鉄鉱山2基(鋼鉄4.2億トン/6期)+ウラン鉱山3.15基(燃料50.4億ガロン/6期)を原料として必要とする。これを全て消費するために6期当たりの工業述べ人口1.26億人を必要とする(工業実稼働規模2100万人=リブル1国程度の工業国)。これにより、商品生産量12.6(千万人)×2(兆Va/千万人)×(1+5.61)×1.8=300兆Va相当を確保することができる。
  • 先端工業:銀鉱山3基(銀6.3万トン/6期)+ウラン鉱山1.6基(燃料25.2億ガロン/6期)を原料として必要とする。これを全て消費するために6期当たりの工業述べ人口2.52億人を必要とする(工業実稼働規模4200万人=ロシジュア1国程度の工業国)。これにより、商品生産25.2(千万人)×1(兆Va/千万人)×(1+5.61)×1.8=300兆Va相当を確保することができる。

 すなわち、重工業は先端工業に比べて燃料消費が圧倒的に多い(生産商品1単位あたり2倍、原料鉱山1基あたり3倍、労働力人口あたり4倍)が、原料1単位当たりの商品生産量が先端工業の1.5倍、人口1単位当たりの商品生産量が先端工業の2倍であるため、同量の商品を確保するために必要な原料鉱山の数が3分の2に、必要な工業人口が2分の1になる。結果として、300兆Va相当の商品を生産するために必要な鉱山数は重工業5.15基、先端工業4.6基となり、見た目ほど大きな差は存在しない。重工業は上記のプロセスで3万メガトンの砲弾を副産物として生産するので、「効率の先端工業、砲弾の重工業」という形でバランスが取れている、というのが2025年3月9日アップデート後の両種工業の評価である。

すべての産業に共通のTips

  • 人口1000万人当たり食料5000万トンを毎ターン必要とする。また、食料備蓄は毎ターン0.5%ずつ「腐る」。ただし、自国の農業生産がある場合は、当該ターンの生産量の18倍がこの「腐敗」から免除される。
    • 食料非生産国が食料の最大備蓄である1000億トン近辺を維持しようとする場合、「腐る」分を補充するだけで毎ターン5億トン程度の食料を必要とする。これは1億人分の食料消費に相当する!
  • すべての産業は、当該産業に従事する人口が√3/2≒86.6%の時に特化率が最大化される。
  • 教育投資は「教育指数が98以下の時に実行可能で、実行すると教育指数が5増える」という仕様である。
    • 教育投資を実行し続けるだけでは100までしか伸ばせない。
    • 「教育投資を削減」すると教育指数が3減るので、再度教育投資を実行することで100を超えられる。
    • 教育指数100の時に「教育投資削減」を4回実行すると教育指数が88まで下がるので、「教育投資」をここから3回実行することで達成できる指数103が理論上の最大値となる。
  • 「最大特化率」は当該産業の従事者率86.6%、インフラ指数100、教育指数103の時の理論上の特化率である。
    • 商業の場合は民主主義であることも要求される。
  • 首都レベル4、教育指数100の場合、その国の公務員の数はおおよそ「人口の16分の1+軍人数」となる。

典型的な経済体制例

加筆予定

商業大国

モデル国家:カルセドニー社会主義共和国・トータエ社会主義人民共和国

工業大国

モデル国家:神聖ガトーヴィチ帝国

商農業国

モデル国家:昭栄国

中規模工業国

モデル国家:リブル民主共和国

小規模工業国

モデル国家:タンファ王国

資源輸出国

モデル国家:カドレン共和国