1247年4月1日付〈Advance! Victory Is Within Us〉紙
1日未明、南部ガーネット州・南東部パイロープ島・東部東ジャスパー準州を中心に大規模な地盤沈下が発生した。海没した国土面積は5万平方キロメートルに上ると見られており、ガーネット州ではスペサルタイト島南西部のデマントイド・カロベニス両市が、パイロープ島ではスティショバイト市を構成する4現代都市のうち2都市が、東ジャスパー準州ではタイガーズ・アイ、アクラオーラ、ツリーアゲートの3市が水没したと報告されている。これらの現代都市群を中心に被災者総数は2000万人を超えると推計されているが、現時点で社会主義評議会から明確な発表はなく、各地では地域に駐屯する軍部隊が地元住民と個別に協力する形で救助活動に当たっている。被災地近くに駐屯する陸空軍部隊も一部が沈下に伴って壊滅的な損害を受けており、他地域からの支援を得られない状態での災害対応は困難を極めている。
市内の軍事工場が沈下に伴って壊滅したものの、都市区域自体への被害を辛うじて免れたグロッシュラーライト島・ウィルトゥーシア市では、自由民主統一戦線に属する治安部隊「国土緊急防衛運動」が都市を掌握したと発表した。当該組織のリーダーであるデメトリオ・ロメロ・アセベド氏の名義で発表された声明によれば、社会主義評議会が国民の命や財産を守るために適切な行動を取っていないことは明らかであり、これを受けて国土緊急防衛運動はガーネット州やその他の被災地域において治安維持及び救助活動に全面的にコミットすることを決定したとされる。また、国土緊急防衛運動にはガーネット州に駐屯する陸空軍部隊から人員及び装備が合流しており、ガーネット州内外の「志ある軍人」が参加することを拒まないとしている。
サンディカリスト連合、南部諸地域における救助活動への協力を発表
サンディカリスト連合タライ・カーネリアン代表は1日13時から南部ブラッドストーン市の水没した防災都市を臨む海岸で記者会見を開き、ガーネット諸島やパイロープ島を中心とした南部地域における救助活動に協力することを表明した。南部地域のうち大きな被害を免れたのはブラッドストーン市・ヘリオトロープ市・ユーファストーン市を中核とするカルセドニー島南部地方に限られており、タライ代表は「我々はこの地域において現状最も力を持った組織であり、被害を免れた立場としての責任を果たさなければならない」と述べた。伝統的に労働組合の影響力の強いカルセドニー島南部においてはサンディカリスト連合の組織力が大きいとされており、これを救助活動に投入することを明言した形である。
記者団から挙げられた社会主義評議会に救援を依頼する意志はないのかという質問に対しては、「社会主義評議会は近年正方・台形両派と超越連盟の対立により麻痺状態にあり、委員会社会主義勢力の“共通利益”である北西部地域の治安以外に関心を持っていないように見える」と述べ、社会主義評議会を頼りとしていないと明言した。サンディカリスト連合からは社会主義評議会に対してアイシャ・ヘリオトロープ外交委員長を輩出していたが、これについては「ルーンレシア・イスタシア戦争の終結後に辞職し、既に職務を取っていない」答え、社会主義評議会の不作為に対するサンディカリスト連合の責任を否定した。
サンディカリスト連合の関係者によると、反政府組織とみなされていた自由民主統一戦線系の組織が国軍の一部を掌握する動きを見せていることを踏まえ、サンディカリスト連合側にも国軍と合流すべきだとの指摘がなされているとされる。社会主義評議会が沈黙を保っている中で自由民主統一戦線とサンディカリスト連合が主導権を争う構図になりつつあるようである。
国土緊急防衛運動、「もはやガーネット州軍は社会主義評議会の指揮統制に従わない」
1247年4月7日付〈Advance! Victory Is Within Us〉紙
6日正午、国土緊急防衛運動デメトリオ・ロメロ・アセベド代表は国内で活動を続けている各報道機関に対して書面で声明を発表し、ガーネット州に駐屯する陸空軍部隊すべての指揮権を掌握したと宣言した。声明においてアセベド代表は地盤沈下を阻止できず、沈下の発生後も不作為を続けている社会主義評議会に対して「国民の生命と財産を守ろうとせず、自らの権力と利益のために沈黙を続けている」と非難、ガーネット州内の軍部隊トップである諸島方面軍司令官代理リゴベルト・アリセア・ブランケル中佐との協議の結果、諸島方面軍はもはや社会主義評議会や軍部委員長の指揮統制には従わず、国土緊急防衛運動が諸島方面軍の指揮権を無期限に掌握することに合意が得られたとした。この声明を受けてガーネット州内の複数の陸空軍駐屯地において発砲を伴う小規模な衝突が発生したものの、国土防衛運動は全般的には平和裏に指揮権を掌握したとみられている。
この指揮権以上について現時点で社会主義評議会は声明を発表していないが、南方方面軍司令官シェルン・モスアゲート中将はサンディカリスト連合のタライ・カーネリアン代表との会談の後に記者団に対して「個人の見解である」と断ったうえで、「南方方面軍は救助活動に協力するが、カルセドニー軍最高指揮官はあくまで軍部委員長であり、”指揮権を移譲”という判断を行った諸島方面軍に対しては遺憾の意を表明する」と述べた。タライ代表は諸島方面軍の指揮権移譲について記者団の質問に答えなかった。
オート・スティショバイト軍部委員長、「国土緊急防衛運動」を「反逆者」と非難
1247年4月7日付〈中央通信〉紙
7日早朝の〈Advance! Victory Is Within Us〉紙の報道でガーネット州内の反体制派組織である国土緊急防衛運動がガーネット州内に駐屯する諸島方面軍の指揮権を掌握したとの報道を受けて、オート・スティショバイト軍部委員長はクリソプレーズ市内の軍部委員会本部ビルで会見を開き、デメトリオ・ロメロ・アセベドなる人物が率いる「国土緊急防衛運動」について「反逆者」であるとして非難した。また、リゴベルト・アリセア・ブランケル中佐について、「諸島方面軍に属する歩兵師団の大隊長であった」とした上で、「地盤沈下に際して複数の将官が行方不明になったとみられているが、ブランケル中佐は諸島方面軍の指揮系統を掌握する立場になく、ブランケル中佐の行為も反逆に相当する」と指摘した。ブランケル中佐は既に軍内の役職を解かれ、訴追を受ける立場にあるとした上で「諸島方面軍は直ちにカルセドニー島に撤収するように命じた」「今から48時間後までの期限を過ぎてガーネット諸島に留まっている軍人はすべて反逆者である」と述べた。
これを受けて、「国土緊急防衛運動」のスポークスマンは「今まさに地盤沈下を受けた救援活動に当たっている軍部隊に対して本土撤収を命じるというのは狂気の沙汰でしかない」とし、「国土緊急防衛運動」やブランケル中佐の行為について「人命と人々の財産を守るという観点から最善の行動を行っており、それに反逆のレッテルを貼ろうとする行為は、社会主義評議会が国民ではなく自らの権力を守ろうとしていることの明らかな証拠である」としている。
【政治】生産搬送配給委員会高官、社会主義評議会について「もう何ヶ月も会合が開かれていない」と発言。
【国際】クリストバライト市、市を挙げて御岳山大社共和国のFUN復帰を歓迎。「WTCOの設立メンバーである御岳山がFUNの一員としてここクリストバライトに戻ってきてくれたことに感謝」
【政治】セレスティノ・ラボイ・ドローレス動力委員長、ウェストカーネリアン市内の自宅で不審死。ウェストカーネリアン市治安機関は「自他殺の両面から捜査」とするも、地盤沈下の最重要責任者の不審死は数々の憶測を呼ぶ。