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緊迫のイスタシア情勢

外政府、イスタシア情勢への強硬姿勢 宰相府は「軍事的手段」の文言に懸念示す

本件の発端は、かつてイスタシア地域の一部勢力が独立の際に掲げた「アイドル君主制」構想にある。いわゆる「姉君体制」と呼ばれるその政治理念は、君主主義の範疇を超え、象徴的存在を偶像化する危険性を孕むとして、帝国の外政府は当初から深い警戒感を抱いていた。 外政府高官の一人は本紙の取材に対し、次のように語る。
「当時、外政府はイスタシア独立の過程で、もし実際にアイドル君主制が発足した場合、宣戦布告を含む断固たる措置を検討していた。今回の声明は、再建を目指すという報道があった程度でも対応するほど、同体制に対して強い警戒を維持している証拠だ。外政府としては、既存の陣営に属さぬ分、独自判断で行動できる点もある。」
かつて所属したKPOが一定の抑制的役割を果たしていたことは明白である。しかし現在、盟邦レゲロを除き、トータエの政府機能には不透明さが残り、ルクスマグナはほぼ無関心のようである。こうした中で、外部から外政府の強硬姿勢を抑止することは、現実的に困難な状況にある。 一方で、帝国内部にも慎重論は存在する。宰相府関係者によれば、声明案の策定段階で「軍事的手段」という表現に強い懸念が示され、宰相自身も報道陣に対して「その文言は行き過ぎだ」と繰り返し述べていた。 それでも最終的に声明は外政府主導で発表され、宰相府はこれを止めることができなかった。ある政治学者は「外政府は皇后陛下の統べる機関であり、実質的に帝室の意思そのものを体現する」と指摘し、今回の一件を「帝国政治における外政府優位構造を改めて示した事例」と分析する。
イスタシア問題は、単なる外交上の懸念に留まらず、帝国における権力の在り方そのものを浮き彫りにしたとも言えよう。

セニオリスで帝国旗焼損事件 極右勢力の間で反発強まる

セニオリス共同国際通信によれば、対イスタシア声明を受けて「イスタシア主権協会」が自主自立の政府再建を求めて主催したデモで、暴徒化した一部の参加者が「声明撤回」を訴えながらルーンレシア帝国旗に着火し、付近の芝生に延焼するなど一時騒然となり、火はまもなく周囲の市民らにより消し止められたが、付近の道路が封鎖され、2名が軽いやけどを負うなどの被害が発生し、現地警察は放火および軽傷害などの容疑で関係者3名を逮捕したという。
外政府関係者によれば、「本件は現地の治安当局の適切な処理に委ねるべき内政問題であり、外交的抗議の対象とはならない」としており、現時点で公式な抗議声明を発表する予定はない模様だ。一方で、帝都では本件報道を受け、帝国戦線支持者らが「国旗を汚す行為への処罰を求める」としてデモを行い、帝国戦線は外政府に抗議文を提出した。
国内保守層では「国家象徴に対する侮辱が軽視されている」との不満の声が上がっている。 もっとも、外政府としては「感情的反応に流されるべきではない」との立場を崩しておらず、対応を見守る姿勢を維持している。政治評論家の間では、今回の事件は「外交上の緊張ではなく、むしろ帝国内部のナショナリズム問題になるだろう」との見方も出ている。

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