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【政治】イスタシア独立投票要綱発表

(ラ・オリエント電)連邦最高評議会は選挙監視団を派遣する5か国からの要請に応える形でイスタシア独立投票に向けた6か条の基本原則を発表した。6か条の基本原則ではイスタシアにおける封建的身分制度を廃止し、人民主権に基づいた自由な政治体制を確立するよう求めており、イスタシアの諸政治勢力はこの原則に従う形で独立後の統治機構案を提示し、住民投票での投票を求める事が出来る。発表された基本原則は以下の通り。

1. 一部で主張される「君主を戴く人権」なるものは認められない。
  君主制の選択は統治機構に関する問題であり個人の人権として論じるのは不適当である。
2. 独立に際して現在実質的に存在しない王位を設けるのは認めない。
  イスタシア王位なるものは歴史的存在でありこれを現代に蘇らせる必要性は認められない。
3. 国政と地方政治の両方のレベルで立憲主義、人民主権、民主主義を確立する。
4. 封建的身分制度、またこれに基づく特権は認められない。
  財産、称号の世襲は合理的な範囲内で許容されるがこれらは身分及び特権とは関係しない。
5. 個人の自由を尊重する体制を確立する。
6. イスタシア国内に居住する各民族に平等な権利を保障する。

基本原則の発表を受け連邦直轄領に本拠を置く在イスタシア邦人連絡会はイスタシアにおける諸民族の完全な平等を目指す自治共和国連邦の素案を発表した。この案では現在の諸侯領をそのまま自治共和国に転換し、また自治領直轄地と連邦直轄地を統合したミュンツェン=モーティス自治共和国を新たに設けるものとしている。
各自治共和国は民選の議会と大統領を有し全国レベルでは連邦議会が立法を担い、自治共和国大統領から構成される大統領評議会と連邦議会が選出する行政監視委員会が行政権を共有する。また国家元首は大統領評議会による輪番制が想定されている。
この統治機構案は君主制支持者の多いとされるイスタシアにおいてはやや急進的であり直接採択される可能性は現時点では低いと見られている。一方イスタシアの政治勢力は団結こそ表明したもののイスタシア王位の創設という夢物語が封じられた事で動揺しており、混乱を増すイスタシア情勢を踏まえれば彼らが早急に統治機構案を纏められない限りより急進的な案が出てもおかしくはないだろう。

6か条の基本原則に対する質疑応答

記者「基本原則は監視団諸国に強制されたものであり連邦とイスタシアの自決権を損ねるものでは無いか」
パトリシオ・アフォンソ連邦最高評議会議長「この基本原則は至極当たり前の前提を単に明文化し関係諸国と共有するものであり、特段連邦の権利を損ねるものでは無い」
記者「イスタシア領内では王制を求める声が大きいが、イスタシア王位の創設を否定すべきでは無かったのでは」
議長「イスタシア人民が王制に対し憧憬を抱いている点は慎重に検討された。しかし自治期間を通じて王制確立に向けた具体的な動きは無く、必要な政治制度は準備されていない。またイスタシアにおいては封建的制度が残存しておりこれらを新国家に継承すべきでない事は明らかである。この状況下ではまずイスタシアにおける立憲主義と人民主権の確立に重点を置くべきで、抽象的な王制創設は人民の権利を保護する観点から不適当であると判断した」
記者「封建的身分制度の廃止とは諸侯の廃絶や処刑を求めるものか」
議長「あくまで身分制度の廃止であり求められるのは世襲特権の廃止である。政治権力から切り離され名誉称号として保持する事や、それらの人物が民意に基づいて公職に就く事まで妨げる想定は無い。もちろんイスタシア人が望むのであれば財産没収を含む完全な廃絶に進む事も否定はしない」
記者「選挙監視団に君主制国家が含まれておらず共和主義に傾倒しているとの批判が出ているが」
議長「選挙監視団はイスタシア国家の制度を決めるための組織ではなく連邦とイスタシアによる住民投票を支援し住民意思が適切に反映されているかを監視するための存在である。その構成国に君主制国家が含まれている必要性は無い。選挙監視団の派遣要請に当たっては我が国との関係性と主要な同盟を網羅する事を重視しており、その観点から十分な諸国が選出されている」
記者「イスタシアにおける政治制度を準備するため諸外国への支援を要請する事はあるか」
議長「イスタシアにおける政治制度はイスタシア住民により準備されるべきであり、連邦から諸外国へ支援を要請する事は無い。ただ諸外国の民間組織がイスタシア人の要請に基づき政治制度準備の手伝いをする事はあるだろう」

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