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安保理でKPO条約を巡り論戦
決議案否決 国際安保情勢深刻化に拍車
1181年1月、国連安全保障理事会で続けられていたカルーガ条約機構(KPO)を巡る論戦は、別烈加利芹5ヶ国が提出した決議案に対し、セニオリス連邦代表が拒否権を行使したことで否決され、決着を迎えた。
この論戦は、カルセドニーの提起を受けて始まったもので、先般公表されたカルーガ条約(KPO条約)の条文改正により導入された「先制的自衛権」が、FUN憲章およびA/RES/4/1と整合しない可能性があるとして、KPOに説明を求めるとともに、同条文の是正を要求することが目的だった。
KPOを代表して安保理に臨んだトータエ代表は、「国連非加盟国における戦争事態に対し、集団的自衛権を行使できるようにするため」と説明。しかし、これは国連憲章の手続きを経ずに、直接当事者ではない戦争事案へKPOが武力介入する権利を持つことを暗に認めるものであり、KPOの軍事的・領土的野心が顕在化したと捉えられた。
このKPOの姿勢に対し、リブルは「A/RES/4/1は既に規範として共有されておらず、死文化したものとして取り扱う」と宣言。さらにフローリドをはじめとする複数の国が同様の立場を表明し、波紋を広げる事態となった。
国際平和の枠組みが大いに揺らぐ中、別烈加利芹の5ヶ国が決議案を共同提出。決議案では、KPOに対し条約の修正を求め、改正が承認されるまで、「KPO条約における先制的自衛権」に基づく武力行使の禁止を要求しており、国際秩序の混乱を防ぐため、KPOの行動を制限しつつ、FUN体制の維持を目指した。しかし、「違反の可能性のみで安保理が対処すべきではない」と主張するセニオリスの反対により、同決議案は否決されるに至った。
否決の結果を受けても、共同提出国である共和国は慎重な姿勢を崩していない。当初からセニオリスの反対が予想され、決議の可決実現性が疑問視されていた為、積極的なロビー活動は行われなかったという。本紙の取材に対し、宮殿関係者は、「歴史上初めての拒否権という事について、特段の驚きはない。ある段階からは十分に認識されていた」「否決は残念だが、安保理の場で、KPOが既存の国際法秩序を軽視する姿勢を改めて示したことにより、世界的認識が強化され、これがKPOに対する一定の牽制効果を発揮する」との見解を示している。
「決議遵守の立場、再表明を」文化自由連盟が政府労働党を追求
共和国政府はこれまで一貫して、A/RES/4/1に対する明確な態度を示してこなかった。今回の安保理においても、同決議の取り扱いに関する政府の立場は明言されることなく、最後まで議論を避けている。
政府内部では、安全保障環境の不透明さが増す中で、同決議への遵守可否を明らかにすることが国益に反するとの意見が大勢を占めている。労働党内では、外交的柔軟性を確保するためにも、明確な立場を示すことは慎重に検討すべきだとの声が多い。
一方、今回の安保理での議論を受け、人民議会国家外交委員会では政府の対応に関する質疑が相次いだ。特に文化自由連盟は、共和国が安保理の場でA/RES/4/1の擁護を積極的に行い、決議案の可決に向けて最大限の努力を払うべきだったと指摘。政府の対応について「いたずらに軍事的緊張を助長しただけだ」と厳しく批判した。
アレキサンドル・コズイレフ文化自由連盟代表は、委員会後の会見で、共和国政府の平和維持に向けた姿勢について強く言及した。代表は、「共和国は、今からでもA/RES/4/1をはじめとする国連およびその他の規範に基づく平和体制の維持と尊重を掲げるべきだ」と発言。さらに、「陣営間の軍拡競争に歯止めをかけるため、政府は行動を起こし、国際的責任を果たすべきである」と強調し、KPO加盟国との友好関係や外交チャンネルを積極的に活用するよう求めた。文化自由連盟としても、引き続き政府に対し平和外交の推進を働きかける姿勢を示している。
コズイレフ代表の発言を受け、宮殿報道官は記者団の質問に対し、「政府として平和を望む姿勢に淀みはない」と強調した。さらに、「この間も友好関係にあるレゲロとの意思疎通・可能な範囲での情報共有に努め、KPO内での働きかけについても要請してきた」と述べ、政府の取り組みを改めて強調した。報道官は、政府の外交努力が軽視されることに懸念を示しつつ、「国際的な平和維持のため、引き続き関係国と連携し、適切な対応を進めていく」との姿勢を明らかにした。
混迷のカルセドニー政界
安保理決議案の否決に対し、比較的冷ややかな対応を見せる共和国政府とは対照的に、提起国であったカルセドニーでは政治的な波紋が広がっている。
カルセドニーの主要政党の一つである超越連盟は、決議案の否決を「外交的失策」と断じ、KPOや瀬国との関係悪化を招いた責任を問う形で、外交委員長(外務大臣)および国連大使の弾劾決議案を議会に提出。これが賛成多数で可決された。
弾劾訴追を受けたムメイ・トリディマイト外交委員長は公聴会で「国際社会の平和を守り、国益に資するための行動だった」と一貫して弁明したものの、擁護の声は限られた。さらに、公聴会直後に議事堂付近でムメイ氏が狙撃されるという衝撃的な事件が発生。同氏は同日中に死亡が確認された。犯人は狙撃地点で死亡した状態で発見され、地元当局は単独犯行として捜査を終了している。
この事件の後、1181年12月には外交委員長選挙が実施され、超越連盟が80議席中45議席を獲得。特に超越連盟内でもKPOとの関係改善を訴える五胞派が支持を集める結果となった。
新外交委員長には五胞派に属するネーナ・アメシスト氏が選出され、カルセドニーの外交方針に新たな変化が見込まれることとなった。
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ネーナ外交委員長のKPO加盟国歴訪 危険な外交方針の変節
ネーナ・アメシスト外交委員長は就任後、KPO加盟国への歴訪を精力的に進めている。
ルクスマグナとの会談では、A/RES/4/1の支持低下を受け、新たな戦争抑止の枠組みの必要性について意見交換が行われ、共同宣言でも新枠組み制定に向けた協力が確認された。
一方で、ルクスマグナに続いて行われたトータエとの会談では、KPO条約に対する是正要求を行わない方針を表明するとともに、桐国外相の「A/RES/4/1はもはや死文である」との発言を事実上追認した。そして、この会談ではルクスマグナとの声明に含まれた新たな戦争抑止枠組みについては一切言及されなかった。
その後のKPO加盟国との会談でも、国連憲章には言及するものの、A/RES/4/1やそれに代わる新たな国際規範についての言及はなく、これまでの外交方針からの大きな転換が浮き彫りとなった。前体制では国連憲章及びA/RES/4/1を基軸とした平和体制を重視していたが、ネーナ外交委員長の下でカルセドニーの外交姿勢は大きく変化している。
さらに、レゲロとの会談では、社会主義国家間の連携を目的とした国際会議「フリューゲルインターナショナル」に言及し、設置構想への支持を表明。このような時代錯誤的提案に無条件に賛同することは、国際安全保障上の懸念から目を背ける姿勢として受け取られかねない。KPO加盟国に対し、日和見的な個別対応を進めているとの見方も強まっている。
国連体制のみならず、国際社会において大きな影響力と責任を有するカルセドニーが、選挙の結果を受けた外交責任者の交代とはいえ、ここまで明確に国家の外交方針を変節させていることは、今後の国際情勢に対して決して良い影響を与えるものではない。ネーナ外交委員長が、平和国際協調を尊ぶべき立場であるならば、現在の言動は誤ったメッセージを国際社会に発信していると言わざるをえない。
御岳山地域復興
共和国、復興支援で主契約獲得
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御岳山諸島地域がフリューゲルにおける復興を正式に宣言した。再建委員会は同地域の復興を支援する国家・団体を公募し、ヴェールヌイ、トータエ、カルセドニーの3カ国が入札に名乗りを上げた。審査の結果、ヴェールヌイが選出されることとなった。
共和国にとっては、ルーンレシア帝国への開発支援以来となる新興地域の復興計画である。御岳山諸島地域は所謂WTCO・SLCN圏に属する国家体制の歴史が長く、国内では円滑な事業推進を不安視する声もあった。しかし、文化的な違いがある地域での開発参与という挑戦にもかかわらず、事業は順調に進展している。
工商計画省の主管のもと、現地では国家企業ヴェールヌイ鉱業燃料(ВГТК)の職員が資材の受け渡しや消費状況のモニタリング、鉱山探査や整備支援に従事している。あるВГТК職員は、「御岳山人民は勤勉であり、過去の開発ノウハウも継承されているため、技術指導はほとんど必要なく、我々は安心して見守る立場にあります。気候も良く、人々も温厚で、現地での協力体制は非常に円滑です」と述べた。
国家樹立準備本格化 憲法議会選挙実施
極左テロ発生に、国家人民軍派遣
経済復興が進み、安定を増す御岳山地域において、本格的な国際社会復帰に向けた国家樹立の準備が進められている。
第一回憲法議会選挙が民主的に執行され、民主・自由経済・平和主義を掲げる御岳山民主党が第一党に、次点には社会主義的性格を持つ社会未来党が選出された。両党は連立政権を樹立し、政治の安定化に合意した。
選挙結果を受け、共和国政府は祝意を表明し、「如何なる結果も発展と幸福に繋がるだろう」と述べ、民主選挙の支持と地域政治への不干渉を強調した。
一方、連立政権による憲法案の議会提出を受け、一部極左勢力が反発。儀礼的元首を置く議院内閣制を採用した憲法案に抗議し、市街地で武装蜂起する事態に発展した。
御岳山建国準備委員会は事態の収束に向け、共和国に支援を要請。共和国は国家人民軍を派遣し、武装蜂起の鎮圧に当たった。死傷者数は公表されていないものの、武装蜂起は鎮圧され、関与した者も当局により逮捕されている。
当局によると、この蜂起には野党第一党の御岳山共産党の議員3名が関与していたとされる。同党はKPO加盟国トータエとの関係強化を主張していたが、暴力的な極左勢力を内包していたことが明るみに出た。同じKPO加盟国レゲロが国際社会で支持を失って久しい社会主義の国際連帯を唱えていることとも関連が疑われる。
宮殿報道官は会見で、国家人民軍の派遣について説明。復興事業契約には治安維持の規定はなかったが、御岳山側からの要請と緊急性を考慮した適正な対応であったとした。さらに、共和国政府は、我々の政治的影響を最小限に抑え、民主的で平和裏な国家樹立を支援することが唯一の関心事項であると強調した。
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ブルースター紙 発行:42657期1084年11月下旬