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ロシジュアの政党

 本稿では、ロシジュア地域における政党について簡潔に列挙する。

漸進党(Gradual Party)

保有議席数:100→103→70→32

超越度:★ 中道・日和見主義

 とりあえず今まで通り無難に政治をしていこう、という何も定まっていないようで定まった党是を持つ政党。

要は無所属では体面が悪いと考える無党派議員が所属する政党である。現状維持を望むライトな保守派に人気の政党だ。近年は左右に振れた党員の離反が相次いで勢力を落としているが、未だに強固な中道主義を標榜する者が残存している。これを「ユルトラ漸進党」と揶揄する声もある。

加速党(Accelerating Party)

保有議席数:184→186→258→300

超越度:★★★ 左派・ケインズ主義

 政府による積極的な経済介入で国富向上を図ろう、という典型的なケインズ主義派閥。国家主導の公共事業政策により、不況・失業対策には自信アリ。

 真逆の党是を掲げる空飛ぶ党や、地方経済への中央政府の干渉を嫌う色彩党とは仲が悪い。反面、公共事業重視のメガリ拡大党や大規模な機械化事業を図るマシナリア党とは場合によって提携も可能とみられる。

 922年選挙では、隕石災害復興などで政府の助力を受けている人々からの支持を集め、ぜんまい党に次ぐ議席数を獲得した。926年選挙でも党勢を維持したものの、ライバル政党である空飛ぶ党が躍進してきたため危機感を強めた。930年選挙で全議席の25%を獲得し、934年選挙ではさらに勢力を増して「大きな政府陣営」の盟主となった。今までの選挙で一回も議席数を減らしたことがない、すごい政党。

空飛ぶ党(Flying Party)

保有議席数:102→168→79→193

超越度:★★ 右派・新自由主義

 政府による経済介入は市場の混乱を招くとして、最低限の景気調整以外の経済政策を否定するフリードマン的政党。資本主義者から絶大な支持を集めており、政治資金は潤沢。

 もちろん経済介入を是とする加速党とは犬猿の仲で、政府主導のボトムアップを求めるぜんまい党とも相性が良くない。対して地方経済の尊重を訴える色彩党は、空飛ぶ党の放任的な経済政策を評価している。

 926年選挙では反ベーシックインカム論を主導し、世論の支持を得ることに成功。今までぜんまい党優位だった選挙区での趨勢を次々とひっくり返して第二党へと躍進した。しかしアイギアロス提案について党内不一致が発生、930年選挙で大きく議席を落として三流政党へ転落してしまう。だが漸進党の巻き込みや色彩党からの支持の引きはがしで、934年選挙では見事第二征討への返り咲きを果たした。「小さな政府陣営」の盟主である。

 

 

ぜんまい党(Clockwork Party)

保有議席数:206→151→177→141

超越度:★★ 左派・社会民主主義

 格差の縮小を第一目標に掲げ、労働者の待遇改善・低所得層の収入アップを図る社会民主主義政党。都市人口の多くを占める労働者の支持を得ている。

 労働環境の悪化は政府の怠慢だとする思想から、放任的な空飛ぶ党とは対立関係にある。また、雇用を脅かすロボティクス化の推進に積極的なマシナリア党との仲はよろしくない。

 922年選挙では、「得られた20年」で深刻化した労働問題を受け、強力な支持基盤である労働者層から後押しされて第一党となった。しかし926年選挙で目玉政策としたベーシックインカムの導入を巡って賛否両論の世論形成を促してしまい、大きく議席数を減らして第三党の座に収まった。その後は議席が増えたり減ったりと微妙な推移を続け、934年選挙にて加速党との一応の政策合意を発表、大きな政府陣営に仲間入りした。

メガリ拡大党(Megali Expansional Party)

保有議席数:52→32→消滅

超越度:★★★ 左派・列島改造主義

 インフラ整備・計画都市化などでロシジュアの地を大規模改造し、居住のために最適化しようという派閥。その改造には全ロシジュアの民の幸福を願った皇帝の意志が働いているとする。開発が進んでいない農村地帯や交通渋滞などに悩まされる都市部などに、広く薄い支持基盤を持つ。

 過去に立ち返ろうとする遡る党とは対立している。一方、大規模公共事業に前向きな加速党との関係は良好である。

 922年選挙では住環境の向上や区画整理などを標榜して話題を集めたが、公共事業に関心のある層が加速党支持に流れてしまったためか、党勢を伸ばせず議席獲得数は全政党中最下位となった。もはや独自の支持基盤を掌握するのは困難という判断が下された結果、930年選挙を前にして加速党への合流を決断。全党員が加速党に移籍して消滅した。

遡る党(Undoing Party)

保有議席数:92→95→103→消滅

超越度:★★★★ 右派・懐古主義

 皇帝存命期の帝国時代が最良の政体であったとし、その栄光の世に立ち返ろうとする時代逆行的な派閥。皇帝への崇拝心が強い者から熱烈に支持されている。

 古くから継承されてきたロシジュアの地を改造しようとするメガリ拡大党には批判的。加速党・空飛ぶ党という二大政党どちらにも依らず、第三勢力として存在感を放っていたが、次第に党派対立が表面化。934年選挙にて統一的な遡る党は解散され、党員たちは大きな政府陣営の針逆党、小さな政府陣営のバベルの塔にそれぞれ移籍することになった。

マシナリア党(Machinaria Party)

保有議席数:164→134→112→151

超越度:★★★ 左派・コーデクス主義

 皇帝の下ではAI統治が最適だとして、コーデクス主義的な高度機械化・電子化社会の構築を模索する政党。人件費を削減したい資本家に大人気。

 失業者を増やしかねない産業の機械化に反対するぜんまい党とは分かり合えない。政府主導の産業改革に意欲のある加速党とは協力可能。同じ資本家層を支持母体としつつも、機械化の導入は各人の自由とする空飛ぶ党との関係は微妙。

 922年選挙では、工業化とともに関心が高まりつつあったオートメーション化の流れに乗って、第三党にのし上がることに成功した。しかし第一党がよりによって不倶戴天の敵のぜんまい党であるため、実質的には発言力を抑え込まれた印象がある。その後はいまいちな経過を辿るが、党勢を崩した経験はないため比較的支持基盤が安定しているようである。

色彩党(Multicolored Party)

保有議席数:100→131→201→91

超越度:★★★ 右派・地方分権主義

 地方の帝国民ソシアートによる自治体制の尊重を訴える派閥。ロシジュア平和連邦時代を理想化し、連邦主義をも標榜する。

 同様に中央政府の地方への干渉に否定的な空飛ぶ党は好印象。反対に中央政府の積極介入を主張する加速党は毛嫌いしている。また、地方にも改造の手を伸ばすメガリ拡大党とも関係は著しく悪い。930年選挙にてアイギアロス提案の受け入れを声高に訴え、なんと第二党へのし上がることに成功。だが一過性の人気だったようで、続く934年選挙では見る影もない惨敗を喫した。

針逆党(Reversing O’clock Party)

保有議席数:48

超越度:★★★★ 左派・建設的懐古主義

 934年選挙で解散した遡る党の後継政党の一つで、大きな政府陣営。名前の由来は読んで字のごとく、過去への逆行を能動的に行うという意志の表れである。

 

バベルの党(Party of Babel)

保有議席数:46

超越度:★★★★ 右派・縮小的懐古主義

 934年に解散した遡る党の後継政党の一つで、小さな政府陣営。名前の由来は伝説上の巨大建造物・バベルの塔からで、巨大化しすぎたために天空に住む神の怒りを買った逸話から、「バベルの塔」状態のロシジュアを小さくしていこうと主張する。