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ラス・アノド海賊連合

フリューゲルで活動する多数の海賊団の連合体。862年 10月下旬に活動を活発化させた。中心となっているのはジャバルティ提督率いるヴォルネスク系民族勢力。フリューゲルで戦乱が発生するたびに難民や流民が発生しており、武装したそれらが母体となっている。翌873年に内紛により解散した。

海賊は小銃やロケットランチャーで武装しており、高速ボート数船で貨物船・タンカーを襲撃し乗っ取りを行っている。速度が出るように改造された小型の漁船が用いられることもあり、漁船と海賊の区別は困難である。

ラス・アノド本土は長らくの内戦で荒廃しており、海賊が政府を乗っ取っている。産業と呼べるものはなく、地下資源に乏しく、土地はやせ気候は厳しく、農業にも適していない。インフラは整備されておらず、時代遅れで老朽化している。禿げ山と荒れ地が広がっていおり、水や緑は貴重なものとなっている。

衛生状態も劣悪である。高級住宅街であっても、ネズミやゴキブリを目にしない日は無い。いくら気を付けていても不衛生な食器や水、出所不明の食材、油や環境の変化など、旅行者がお腹を壊すのは当然である。野良犬もそこらへんにうじゃうじゃしており、狂犬病の予防接種は必須である。

まっとうに働いて経済的成功を収める可能性は絶無である。識字率は10%以下であり、初等教育も行き届いていない。法治という概念は無く、その場にいる暴力に秀でたものが取り仕切る文化が浸透している。強盗や殺人、レイプなどの暴力事件の発生率は世界でもトップクラス。政治・経済・生活環境のすべての面で「人間が生きるに過酷な地」であり「修羅の国」と称される。気の弱い人であれば名前を聞いただけで卒倒するとまで言われている。

ラス・アノド人は実にお気軽に殺し合いを行う。彼らの行動を端的に表現すると、
・すぐ怒る
・すぐ刃物を振り回す
・すぐ殺す
・すぐ徒党を組む
・すぐ個人間の喧嘩を組織間の抗争に発展させる
というものになる。
海賊は気に入らないことがあると名誉を傷付けられたと感じ、命を賭けてでも名誉を回復すべきだと考えている。特に、笑われることや馬鹿にされること、恥をかかされることを極端に嫌っている。

まともな仕事が存在しないため、情報技術者たちはSPAMメールやマルウェア、コンピュータウィルスを国外にばらまいている。ラス・アノドのドメインは、世界でもっとも信頼性の低いドメインである。

首都はアノード。戦利品の処分や兵器の取引が行われているが、一面にスラムが広がっている。

男性ではモヒカン刈りが頭髪ファッションとして定着している。
民族構成としては陸地破壊弾で地形ごと破壊された南西ヴォルネスク人の難民・移民の子孫である、ヴォルネスク系民族が70%を占めている。黒人系の原住民が25%。その他戦乱で発生した難民からなる。

頭領はジャバルティ提督であったが、864年3月初旬のミルズとの紛争直前にカルセドニーへ逃亡した。二代目の頭領はゲネボス提督。

873年に海賊議会を発足。
議員は選挙によって125名が選出される。被選挙権・選挙権は海賊組織に加入しているもので、いわゆるムラビトに参政権はない。
提督の選抜方法は勇勝劣敗。議席の数ではなく肉体的に最強の議員が提督になる。

まともな稼業はアホだ
つまらない仕事でケチな金をもらい
毎日地下鉄で通う奴らはクソ喰らえだ
タマも付いてねえふぬけだ
欲しい物は奪い取る
文句をたれる奴はたたきのめせば黙る
余計なことは考えない
〜海賊の歌(ラス・アノド国歌)〜

ミルズ資源開発株式会社
ミルズ皇国からの開発援助の美名のもとに送り込まれた搾取企業集団。海賊政府の主だった高官を賄賂で籠絡し、開発権・採掘権を騙し取っている。海賊政府の高官たちは巨万の富を得ているが、国民の99.9%の人間にはなんの恩恵も得られていない。鉱夫は劣悪な環境に低賃金で死ぬまで働かさせられ、事故死や虐待死も多い。既得権益を守るために傭兵が雇用され、その銃口は国民に向けられている。
周辺の村落の小麦畑が干ばつで全滅した際には、悪天候に強い作物として大麻を持ち込み、換金作物として栽培させている。

至誠覇極製鐵株式会社
サンシャ独立国から進出した武闘派製鉄企業。実際には採掘部門、製鉄部門など複数の系列企業からなる。特に警備部門の粗暴さは有名。ミルズ皇国のラス・アノド進出に危機感を抱いたサンシャ政府の意向により派遣されたと噂されているが、当局はこれを否定している。ミルズと同様に海賊政府への強烈なロビー活動を行い、高官を賄賂で籠絡し、開発権・採掘権を騙し取っている。
その行いはミルズ資源開発と大差なく、現地雇用者は使い捨て同然の待遇であり、極めつけには私設の非公式な刑務所まで建設している。

北西神拳
一子相伝の暗殺拳。独特の呼吸法により「常人は己の潜在能力の30パーセントしか使えないが、北西神拳は残りの70パーセントも使用するのが極意」。
敵の経絡秘孔を指や拳や足により直接的に気を送り込み突く。経絡秘孔は全身に708あり、柔らかく押せば体内の治癒力を活発化させるが、深く突けば血の流れを異常促進させ細胞を破壊する。内部から人体を破壊する拳として恐れられている。
一子相伝ということであるが、ヴォルネスク崩壊の混乱により自称伝承者は数多く存在する。

南東聖拳
「陰」の北西神拳に対応する「陽」の拳法。北西神拳と異なり一子相伝とは限らず、「陽拳」ゆえ「表」の世界に広く伝承された事で、流派もさまざまに分派し、その数も多い。手刀等で鋭利な刃物を用いたかのように相手を切り裂く、もしくは突き刺さして貫く技が特徴として挙げられるが、流派によっては武器の使用も許されている。
悪党どもの中にもこれらの流派を汲んだ格闘術が伝わっている。