メニュー 閉じる

第21回議会選挙・第20回大統領選挙実施 他

1150年1月24日付

【政治】小選挙区制導入法案が可決 ペルコビッチ政権の公約実現へ

<イグナイト・タイムズ>

1139年10月、議会は社会民主党(SDP)提出の、議会選挙における小選挙区制導入のための諸法案を賛成160反対38棄権2において可決した。同法案は1135年10月にロヴロ・ペルコビッチ首相が打ち出した選挙制度改革に基づくものであり、最終的にはSDPのみならず議会の幅広い支持を集め超党派による可決が実現した。

今般の制度改革は、地方分権理念の反映を目的として打ち出されたものだった。法案の議論過程においては、近年の選挙において優勢を保つSDPが改革を打ち出したことに対して野党のセニオリス社会党(ŠSP)など野党を中心に「自党の優位を固定化するための制度改悪の試み」などとして懸念する意見もあったが、首相の打ち出していた地方分権の訴えが最終的に支持を集め、最終的には当初より反対を貫いたŠSPと棄権に回った立憲民主党(UDS)を除く議会の大多数の賛成によって改革は実現した。

ペルコビッチ首相は議会での法案可決を受けて「コモンウェルスの民主制は一層深いものとなった」と声明。議会での超党派の支持に触れて、「法案を支え、セニオリスの民主主義と地方分権の発展に尽力した全ての人々に感謝したい」と謝意を表明した。

法案の可決により、最遅でも1147年に見込まれる第21回議会選挙は新制度下で行われることになる。各党の候補者は既に新制度下における選挙戦略の構築に取り掛かっており、ある若手議員は「生まれ育った地元での訴えが楽しみ」と小選挙区での活動に意欲を示した。

【政治】社会党、「ジブリール主義」綱領を採択 ”二輪外交”との差別化図る

<労働者ネット1000>

1143年8月、ŠSPは党大会を開き、「ジブリール主義」の外交政策などを含む新たな綱領を全会一致で採択した。ŠSPは1123年選挙において掲げていた「社会主義外交」路線の大敗から外交政策の再構築が課題となっていたが、1147年選挙を前にようやく議論が決着した格好だ。

新たな綱領では、SSpact・国連という10世紀半ば以降のセニオリス外交の根幹を継承しつつ、サンサルバシオン条約の謳う公平かつ公正な社会と平和の目標を重点に置き、ポスト・ヘルトジブリールのSSpactにおける責任ある地位を担うにふさわしい国家体制を構築することを提唱している。SDPの「二輪外交」の前提を認めつつ、SSpactに重点を置くことでSDPとの差別化を図る構えだ。

党の幹部らは、「SSpactと国連という外交的前提を認めたうえで、『二輪外交』における不足を補うという社会党に求められている姿を反映した」と語る。国家体制の構築については「平和主義は双方の適切な防衛体制があって成立するものとの認識のもと、現憲法下における軍事従事者制限の撤廃も視野に入れて適切な防衛体制拡充を行う」としており、社会共和国憲法(1002年憲法)でも触れられてこなかった建国以来の条項に左派勢力として初めて言及した。

ŠSPも含めた中道から左派の勢力は従来、外交を通じた防衛に重きを置き、防衛体制については非軍事用途衛星の打ち上げなど限定的に留める”ハト派”的な路線を取ってきた。今回のŠSPの転換は、従来右派に限定されてきた”タカ派”的立場がついに左右の対立軸によるものではなくなったことを示しており、連邦の外交論争がより活性化することが期待される。

【政治】第21回議会選挙・第20回大統領選挙実施 社会民主党大敗も勝者なき結果に

<イグナイト・タイムズ>

任期満了に伴う第21回議会選挙・第20回大統領選挙実施は、1147年5月に実施された。

ロヴロ・ペルコビッチ政権が主導した選挙制度改革後初の選挙戦となった今選挙では、SDPのロヴロ・ペルコビッチ首相の2期目、ひいては36年にわたり続いてきたSDP優位の是非が問われることとなった。

小選挙区制導入に伴って導入された候補者調整や選挙協力の枠組みである「政党連合」を巡っては、野党各党間でSDPに対抗するべく活発な交渉が見られた。主要な政党連合としてはŠSP・制度的超越党(ITP)による「社会党・加速ブロック」、進歩自由党(PSL)・コモンウェルス共和党(KRS)による「自由・進歩同盟」、UDS・セニオリス民主同盟(ŠDZ)による「民主保守連合」が形成された。

従来と比較しその戦い方が大きく変化した選挙戦において、SDPは議会過半数の維持と現職のグルバッチ大統領の後継者であるラヴォスラフ・メシッチ候補の当選を目指した。しかし大きく変化した選挙戦は、自ら導入を主導したSDPにとって大いな誤算となったようだ。

SDPにとっての誤算は、労働組合と農民を中心にしつつも幅広く党を下支えしてきた支持基盤が、小選挙区制においては左右にきっぱりと切り裂かれてしまったことだった。ペルコビッチ首相が太いパイプを有していたセニオリス労働総同盟は、従来の一国一選挙区制の元ではŠSP・SDPの双方を支持してきた。しかし小選挙区制となり双方の候補者がより直接的に対立する立場になると、地域の労働組合は対応に苦慮した。SDP幹部が楽観視していた多くの労働組合票は期待に届かない水準となり、あまつさえほとんどが「社会党・加速ブロック」の候補者に流入した選挙区さえあった。そしてSDPの命綱でもある幅広い支持層も、今選挙においては功を奏さなかった。混乱を見せた労働組合の組織票に対して、従来よりSDPの社会民主主義経済路線に批判的だった経済団体の票は一貫して右派の「民主保守連合」に向かい、小選挙区での勝利に大きく貢献した。焦るSDPの選対は経済団体幹部らと対談するなど歯止めを試みたが、ペルコビッチ首相がセニオリス労働総同盟の実質的な組織内議員と見なされていた経緯もあって求心力を欠き、むしろ地域の労働組合に不信感を与え票離れを招くという悪影響が残った。

SDPの最後の頼みは、SDPのメシッチ候補と「社会党・加速ブロック」のミア・ミロシュ候補の事実上の一騎打ちの構図となった大統領選挙だった。ある選対幹部は本選挙を「極左と中道左派の構図なのだから、自身より右を固めてしまえば勝てる簡単な選挙だ」と評し楽観視したが、実際の選挙戦はSDPの思惑通りには進まなかった。ミロシュ候補はŠSP所属ながらもITPの「加速主義」に共鳴する立場を強調し、目新しさを演出した。一方のメシッチ候補はSDP候補者として党の政策を繰り返す主張を繰り返し、討論会でも慎重な受け答えが目立ち、新鮮味を欠いた。ミロシュ候補が支持拡大に懸念のあった経済界への訴えかけを欠かさなかったこともあり、当初の世論調査で示されていたリードはみるみる失われていった。

そして選挙結果としては、議会選挙ではSDPが100議席減の大敗、大統領選挙では「社会党・加速ブロック」のミア・ミロシュ候補が勝利するというSDPにとって最悪とも言える結果になった。36年に渡るSDP優位が脆くも崩れたことを受けて、ロヴロ・ペルコビッチ首相は「今回のSDPに対する国民の厳しい審判は、ひとえに私の指導力不足によるもの」として謝罪。ペルコビッチ内閣の要員らは、首相こそかろうじて選挙区での勝利を掴んだが、閣僚では多数の落選者を出していた。SDPの次期首相候補としての立場については「国民の審判を受け止め、私としてはその地位を辞退したい」と表明し、「第21回議会での議論を静かに見守りたい」とした。

今選挙においてはSDPは明白な敗者となったが、代わる勝者は見いだしにくい状況にある。44議席を獲得し比較第一党となった右派のセニオリス民主同盟(ŠDZ)は「長きに渡るSDPの腐敗こそが我々を呼び起こしたのだ」と勝利宣言したが、「民主保守連合」は政党連合として最大勢力を得たとはいえ75議席に留まっており、政権構築には不透明感がある。一方ミア・ミロシュ新大統領が所属する「社会党・加速ブロック」もまた議会では50議席と勝利を得たとは言えない。

明白な勝者が居ない情勢の中で、各党間の連立交渉はいつにも増して熾烈なものとなっており、中間派のSDP・PSL・KRSの意向に注目が集まっている。

【政治】バーバラ・ガレシッチ氏が第11代首相に

<北方セニオリス新聞>

1147年5月、第21回議会は首班指名選挙を行い、新首相に106票を得たバーバラ・ガレシッチ前教育科学長官を指名した。

ミア・ミロシュ大統領は議会の指名に基づき、同氏を連邦の次期首相に任命した。

なお、同日行われた議長・副議長選挙では議長にドラジャン・ファーラン氏(セニオリス民主同盟)、副議長にはマルコ・ロビッチ氏(社会民主党)がそれぞれ選出された。

【政治】中道大連立政権 ガレシッチ政権を読み解く

<新セニオリス通信>

1147年5月に行われた選挙ではSDPが公認大統領候補の落選と議会で100議席減の大敗を喫し、36年にわたって続いてきたSDPの一党優位状態があっけなく崩壊することとなった。ロヴロ・ペルコビッチ首相は大敗の結果を受けて次期首相候補者の地位を退き、コモンウェルスは新たな首相を待ち望むこととなった。

しかしSDPが敗れたといえど議会情勢は明白な勝者を得ていない状態にあった。政党連合として最大議席を得た右派の「民主保守連合」でさえ75議席に留まる一方、大統領の所属する「社会党・加速ブロック」もまた50議席と議会による再可決を阻止できる水準に達しておらず、中間派のSDP・PSL・KRSを巡る連立交渉の行方が注目されていた。

中間派となった3党の議席も合わせて75議席となっていたことから、政界では連立交渉が行き詰まった際の最悪のシナリオとして、「首班指名選挙でも合意が得られず、ロヴロ・ペルコビッチ暫定内閣の元で解散再選挙」も囁かれていたが、熾烈な交渉の末セニオリス議会はどうにか合意点を見出したようだ。

第21回議会が最終的に首相に指名したのは、SDPのバーバラ・ガレシッチ前教育科学長官であった。同氏への投票はSDP・UDS・PSL・KRSの4党計106議席によるものであり、首相任命に意欲を示していたŠDZ・ITPは共に機会を逃すこととなった。UDSはŠDZとともに政党連合を形成する立場だったが、「ŠDZとの連立において安定的な多数派を構築できる見込みは低い」(中堅議員談)ことより、中道連立の枠組みに加わった。

SDPは今選挙において100議席の大敗を喫し、次期首相候補もその地位を退くなど組織的にも大混乱の状況にあったが、再度首相を輩出する立場に立った。中道左派から中道右派までを包括する大連立政権となることから、中間的な立場のKRSより首相を任命する構想も取り沙汰されたが、最終的には連立内の最大勢力となるSDPから「自由主義に近しい」と言われるバーバラ・ガレシッチ前教育科学長官を据えることで連立一致した。

裏切られる格好となったŠDZはUDSに対し「保守の精神を裏切った日和見主義者」と口撃したが、UDS幹部は「正反対に位置する大統領の下で、たった75議席で首相を勤められると考えるのは無邪気すぎる」と意に介さない姿勢を示しており、今回一定の成功を見せた右派連合の今後も注目される。

以下にガレシッチ政権の顔ぶれを示す。

役職名前所属
首相バーバラ・ガレシッチ社会民主党
外務長官ゴラン・オジュボルトコモンウェルス共和党
防衛長官サーニャ・ラーゲルクヴィスト立憲民主党
法務長官アナ・オジュボルト進歩自由党
財務長官ミリヴォイ・プロシネチキコモンウェルス共和党
内務長官ニキツァ・ブロズ進歩自由党
国土開発長官カルラ・ブルチッチ立憲民主党
教育科学長官ブランカ・プレンコビッチコモンウェルス共和党
経済産業長官ヴェスナ・ブロズ社会民主党再任
資源・エネルギー長官ナターシャ・ポリャク立憲民主党
運輸衛生長官ルカ・シミッチ立憲民主党
農務環境長官バーバラ・クネジェヴィッチ社会民主党再任
労働長官イーヴォ・ヴチュコヴィッチ社会民主党
厚生長官アイラ・マテシャ進歩自由党
行政改革長官オリーヴィア・ミラノヴィッチ立憲民主党

社会民主党単独政権から4党の連立政権に移行したことを受け、内閣の顔ぶれは実に党派性豊かなものへと変化した。首相を含めたペルコビッチ政権時代より引き継ぐ3名の人員はSDPが引き続き与党であることを示す証であるが、党派としては最多の閣僚を輩出するのはUDSであり、これまでの政権が掲げてきた「社会民主主義」の色合いは著しく薄くなるものと見込まれている。

ガレシッチ首相は就任会見において「国民がSDPに対し下した厳しい審判を重く受け止める」と改めて述べた上で、「連立パートナーと共に前政権以前の改めるべきは改め、真に国民に寄り添う政権となることを誓う」として前政権からの路線転換を明言した。

UDSのある議員は「左右からの圧迫を受ける中で、我が国の穏健政治を守り抜くことこそが我々の主眼だ」と明かす。少なくない有識者がSDPの社会民主主義とUDSの市場自由主義の相性の悪さを指摘する中で、中道を糾合するこの政権が真に穏健政治を守り抜くものになるか。ペルコビッチ首相の指導力が試されている。

その他

  • 【政治】ミア・ミロシュ大統領、大統領令第300号『地方公共団体における労組の主体的役割』に署名も議会にて無効決議 大統領・議会間の溝、ペルコビッチ政権の課題か(北方セニオリス新聞)
  • 【国際】ガトーヴィチ第53回選挙、右派与党が大敗し中道連立政権が発足 識者「目立った失政なくも、変化を求める声が情勢決めた」(新セニオリス通信)
  • 【社会】「ガレシッチ=SDP政権の発足は民主主義の軽視」ハルクステンにて抗議集会 ŠDZ「我々は決して封じられず」(ヤドラスコ・ニュース)
  • 【国際】国連総会第30回通常会期、2決議案が投票入りも経社理決議案は見送り 「国際的関心の欠如が組織創設を困難に」関係筋(北方セニオリス新聞)
  • 【社会】第200回メーデー大会、ITP関係者が初の登壇へ 労働者に寄り添う多様な声に対応(労働者ネット1000)
  • 【国際】エーゲ危機、「新エーゲ王国」解体も”過剰攻撃”により一部関係国が処分へ 消息筋「KPOの対応のまずさに尽きた」(新セニオリス通信)
  • 【経済】世界的工業化の余波 タンファ王国との食料定期貿易が開始 識者「世界経済への関与、国家外交にも資する」(ヤドラスコ・ニュース)

関連投稿