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第9回大統領・議会選挙実施 他

1017年6月11日付

【政治】第9回大統領・議会選挙実施 社会党が両選挙を制する

<イグナイト・タイムズ>

議会・大統領の任期満了に伴う第9回選挙は、1015年5月に実施された。

選挙戦を前に、現職のミア・ゴトヴァツ大統領、ミラ・イェリッチ首相は共に次期選挙に出馬しないことを表明しており、今選挙は久しぶりに大統領候補者、首相候補者の全てが新顔揃いとなった。

初の超越同盟出身の大統領であったゴトヴァツ氏は前回選挙の結果を「超越の始まりの日」を高らかに宣言したが、その任期中は議会の大半を握る社会党との交渉に失敗し、ゴトヴァツ氏がその拠り所としていた”超越理念”は共和国の行政機構を僅かに効率化したのみに留まった。この結果から、前回選挙で支援に回った他党議員らからはゴトヴァツ氏の超越偏重とも言える姿勢を問題視する声が生じ、超越同盟では代わって資本主義的色の強いマーヤ・マノリッチ氏が候補者として台頭することとなった。マノリッチ候補はゴトヴァツ大統領と異なり、自由民主党と保守党からの正式な推薦を得た。ゴトヴァツ大統領は自らの任期を振り返り「この12年間でセニオリスはより超越的な地へと変化した」と実績を強調したが、自由民主党幹部は「何も進んでいない」と冷ややかに評価した。

一方社会党では、イェリッチ首相が「私が共和国のために成すべき仕事の多くは終わった」とし、78歳の年齢を理由に首相から退くことを表明。次なる首相候補を決めるための党員投票では、「イェリッチ首相の路線を引き継ぐ」とした無派閥のダヴォール・ゴトヴィナ内務長官が、各派閥の所属者を抑えて首相候補者の座を得た。また大統領候補は、第8回選挙において社会党候補者が敗れた要員が中道派層離れにあったと見られたことから、サマンタ・プロシネチキ第2代大統領の玄孫であり社会民主主義者としても知られるイワン・プロシネチキ氏が選出された。超越同盟候補者と距離が産まれた社会民主党の推薦も取り付け、中道派層へのアピールに注力した。

個人の人気が最終的に行方を決めた前回選挙と異なり、今選挙は社会党が終始主導権を握った。大統領選挙ではマノリッチ候補が前回選挙のゴトヴァツ大統領と同じく空中戦からの逆転を狙ったが、プロシネチキ候補が隙を見せずリードを守り続けた。議会選挙は新顔のゴトヴィナ首相候補の知名度が不安視されたが、社会党の組織がゴトヴィナ氏を全力で支えた。

最終的な選挙結果としては、大統領選は社会党のイワン・プロシネチキ候補が当選。議会選では社会党が14議席減ながらも127議席を獲得し、両選挙を制する大勝を遂げた。超越同盟のマノリッチ候補は空中戦及び資本主義的主張の広がりに期待をかけたが及ばず、進歩自由党のルカ・プロシネチキ候補、サンディカリスト連盟のアナ・バルバリッチ候補、無所属のゴラン・ベキッチ候補は広がりを欠いた。

プロシネチキ新大統領は「社会共和国の建設的運営のため微力を尽くす」と語り、高祖母とは異なり議会でも所属政党が優勢という盤石な情勢に漕ぎ出す。社会党幹部は今回の結果を受け「今回も社会党単独政権への信任を受けた」と評価、「ゴトヴィナ政権は何ら問題なく発足することだろう」と話した。

セニオリス社会党は今回の選挙により再び大統領・議会の双方を掌握する盤石な体制を得る。イェリッチ首相退任後の社会共和国においても、引き続き社会党が存在感を示すこととなりそうだ。

【政治】ダヴォール・ゴトヴィナ氏が第3代首相に

<北方セニオリス新聞>

1015年5月、第9回議会は首班指名選挙を行い、新首相に127票を獲得したダヴォール・ゴトヴィナ氏を指名した。

イワン・プロシネチキ大統領は議会の指名に基づき、同氏を共和国の次期首相に任命した。

なお、同日行われた議長・副議長選挙では、議長にカロラ・ヨシポヴィッチ前議長(セニオリス社会党)、副議長にはイーヴォ・ゴトヴィナ氏(社会民主党)がそれぞれ選出された。

【政治】3期目の社会党単独政権 ゴトヴィナ政権を読み解く

<新セニオリス通信>

1015年の第9回選挙において、セニオリス社会党は再び同党出身の大統領を輩出し、そして第9回議会は127議席によって再び社会党が優勢を保つこととなった。

議会・大統領の「ねじれ」が再び解消された今、社会党単独政権の3度目の発足を拒む要員はもはや存在せず、事前の党員投票により首相候補者に指名されていたダヴォール・ゴトヴィナ氏はつつがなく第3代首相に就任する運びとなった。

以下にゴトヴィナ首相による内閣の顔ぶれを示す。

役職名前所属
首相ダヴォール・ゴトヴィナセニオリス社会党(無派閥)
外務長官アントニヤ・シミッチセニオリス社会党(社民派)再任
防衛長官ブランコ・オレシュコビッチセニオリス社会党(共産派)再任
法務長官セヴェリナ・ウグレシッチセニオリス社会党(社民派)
財務長官ズヴォニミル・ヴィドヴィチセニオリス社会党(社民派)再任
内務長官ティホミル・ペルコビッチセニオリス社会党(社民派)
国土開発長官ラドヴァン・トムリャノビッチセニオリス社会党(共産派)再任
教育科学長官イヴァナ・リンドヴァルセニオリス社会党(社民派)再任
経済産業長官ゴラン・グレグリッチセニオリス社会党(社民派)再任
資源・エネルギー長官ハナ・シューケルセニオリス社会党(社民派)再任
運輸衛生長官セヴェリナ・オレシュコビッチセニオリス社会党(共産派)
農務環境長官ブランコ・ステピナツセニオリス社会党(共産派)
労働長官マリン・リンドロートセニオリス社会党(無派閥)再任
厚生長官イヴィツァ・サナデルセニオリス社会党(共産派)再任
行政改革長官ダリオ・マテシャセニオリス社会党(社民派)再任

選挙戦や党員投票におけるゴトヴィナ首相の「イェリッチ首相の路線を受け継ぐ」という言葉の通り、内閣の顔ぶれはイェリッチ前首相による二度目の内閣を概ね踏襲するものとなった。新顔の4名のうち、半数は党員投票において首相の有力なライバルであったアイラ・グレグリッチ前法務長官、エリーカ・マリッチ前運輸衛生長官の2氏の代役、1名は前内務長官であった首相の代役であり、第二次イェリッチ内閣に見られた新顔起用の傾向は全く見られない。

野党はこの方針を「イェリッチ政権の延長線上に過ぎない」と冷ややかな視線を送るが、ある社会党幹部は「首相はイェリッチ路線の継承を訴えて就任した」と指摘し、批判については「むしろ首相が自らの任務を遂行できていることの何よりの証左だ」と擁護している。

新顔の大統領・首相のもとで、3期目の社会党単独政権は静かに開幕した。社会党優勢体制がつつがなく継承されていく中で、社会党の背負う責務はますます重大になったと言えよう。

その他

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