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SSpact瀬沖に艦艇派遣/世界経済展望に警鐘 他

条約機構軍が瀬沖に展開/連盟は対応非難

セニオリス共和国におけるクーデター発生から2年が経過した。
軍政を敷いた救国評議会は、条約機構による971年9月付勧告を黙殺、国連安保理31号決議を拒絶するなど、国際社会からの声を意に介さず、民意によらない国体改造を着々と進めつつある。
事態解決の糸口を見いだせない中、国連安保理は32号決議として、セニオリスへの物資輸送停止を世界各国に勧告、経済制裁という圧力強化に乗り出した。安保理決議を受け、交易関係のあったヘルトジブリールと新洲府は輸送を停止している。

このような中、サンサルバシオン条約機構(以下SSpact)は、972年7月に条約委員会を招集。971年9月付勧告と同内容の勧告を再度発し、救国評議会に速やかな履行を求めた。
971年9月付勧告は政治代表(ヴェールヌイ派遣)からの発表であったが、972年7月付勧告は軍事代表(ヘルトジブリール派遣)から発せられ、勧告にあわせ「条約機構軍が即応体制をとること」を明らかにし「救国評議会が勧告に従わない場合、加盟国の主権と国民の安全確保の義務を果たす」と強い表現が用いられている。
実際に、条約委員会は全会一致で、条約機構軍編成を決定しており、軍事代表指揮のもとで、加盟国軍が即応体制を整えることとなり、先の国連からの経済制裁とあわせ、軍事的にも最大限の圧力が示される格好となった。

共和国政府は、条約委員会の決定に従い、国家人民軍に対して必要な準備に着手するよう指示し、また国境軍の駆逐艦一隻をセニオリス近海に派遣すると発表した。
派遣されるのはスヴィトラーナ級1番艦「スヴィトラーナ」で、同じく派遣されるヘルトジブリール海軍駆逐艦と合流し、合同訓練を実施するという。

艦艇派遣発表の同日、文化自由連盟は声明を発し、政府の対応を非難した。
声明では「SSpactが加盟国軍に即応体制を要請したとしても、現時点で共和国が進んで艦艇を派遣するのは性急に過ぎる」「ヴォルネスク独立戦争の反省が踏まえられておらず、いかなる事情があれ、危機を煽ることに共和国が加担すべきではない」とし、人民議会を通じて、艦艇の即時撤収を求める意向を示した。

共和国の過去の経験から、外国の政情不安への関与に対して、政治に向けられる目が厳しくなるのは必然だ。
特にセニオリスを巡る問題では、自国や同盟国に対する脅威への対応ではなく、その同盟国自身の問題への対応を迫られている現状がある。SSpact結成以来続いている「共和国防衛のあり方」「集団安全保障体制参加そのものの是非」といった議論が、再燃することは避けられないだろう。

世界経済の展望に警鐘/工商計画省が報告

今後わずか十数年で、世界経済は暗礁に乗り上げる。そんな報告が、人民議会経済貿易委員会において行われた。
同委員会は近年、共和国が経済転換によって商農化した事に関連し、各国の成長率や生産統計を元に、輸出入の将来性について検討が行われている。
共和国自身は勿論、主要な輸出入先の政治経済安定性についても関心事となっているが、政府参考人として答弁した、工商計画省の調査統計2局(1局が国内/2局が海外を担当している)によれば、食料/燃料といった国の維持に必要な基幹資源は、972年1月の統計実施時点で、供給可能量の9割に達しているとした。また商品についても同様に、数年内に主要国の消費量が、生産量を上回る見込みであるという。またある商品輸出国は、自国の生産/輸出を掌握しきれておらず、慢性的に定期交易の不履行が発生している状況にあることも紹介された。

ミハイル・カフェルニコフ工商計画相は、報告された現状について「国際的に危機感が共有されていない。世界の国々は自身のことをあまり把握していないし、それは我々の想像をはるかに上回るものだった」と述べた。
危機的な需給状況が報告された一方で、政府は、共和国の輸出入管理は万全であり、内外における対策は971年中にほぼ完了したとしている。
また、需要は最大消費量、生産は名目輸出国に限った場合の統計であり、さらに範囲を広げた世界全体での理論生産能力や、消費国の「必要」消費量などを加味すれば、現実はそこまで悲観的なものではないと補足されている。

なお特定の国名や詳細な数値については、国家機密情報も含む為として明らかにされていない。

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ブルースター紙:フリューゲル暦35030期 973年1月中旬

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