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経済転換/新型サプサン/超国代表交代/石動へ祝電

経済構成転換/300年の完全自給に幕/関連報道

経済構成転換、方針固まる

政府はこれまでの経済構成を転換する方針を固めた。宮殿の定例会見で明らかにされたもので、新しい経済構成の原則として近く閣議決定される見通しだという。ザラフィアンツ首相は、就任時の所信表明演説において「復元を意味するものではありません」としつつも「自主独立の完全自給経済の再建」を明言していたことから、経済構成の転換が、自給経済構築にどの程度の影響があるのか注目される。

(960年12月 ブルースター紙)

新しい経済構成を閣議決定/首相談話

政府は新しい経済構成についての基本方針を閣議決定、あわせてザラフィアンツ首相の談話を発表した。
以下はその全文。

私は閣僚評議会議長に就任して以来、国土再整備、経済再建、外交安全保障の再構築といった重要課題に取り組んでまいりました。また957年から958年にかけ、再建前共和国の過去総括についても取り組み、その中で多くの反省と課題に向き合い、これからの時代、我らの純粋社会主義共和国が目指すべき有り様について、慎重に検討を重ねました。
長年に渡り、共和国は完全自給経済を志向してまいりました。フリューゲルの歴史上、自給経済を実践した国家は数多ありますが、5000万人以上の人民に充実した社会保障と高い教育を平等に施しながら、国際市場や貿易先の変動に動揺することがない独立性を有し、先進国規模での完全自給経済体制を構築しえたのは共和国のみであって、私をこれを誇りに思い、先人達に深い尊敬の念をいだいています。
一方で、完全自給経済は、黎明期(500年代後半)の国際情勢下、安全保障上必要と判断され、その構築が進められたものです。
10世紀を間近に控えた今日、共和国と諸外国との国際関係は大きく変化しております。これに照らせば、現在の我々は、国際経済の動向に動揺しない安定性、独立性を守りつつも、より豊かな経済を構築することが可能です。
私は、純粋社会主義が、この地に住まう全ての人民を精神的、物質的に豊かにするためにあり、それを防衛して、未来永劫存続させるために共和国という国家の枠組みが存在するという、建国の精神及び社会主義憲法の趣旨に立ち返り、共和国経済の構造について、必要な変更を加えることを決断いたしました。
国家と人民の生命と財産を保証し、然るべき安定性を確保しなければならない大前提から、国家の血液たる燃料並びに人民生活の基本となる食料について、引き続き自給体制を堅持してまいります。工商分野においては、巨大軽工業によって商業を支える従来の方針を改め、商業生産性を改善し、歳入強化を図ります。この為、商品を諸外国からの輸入に頼ることになりますが、安定性と信頼性の高い輸出元を確保することを第一とし、次いで可能な限りの分散を図ってまいります。既に予想される必要輸入量の確保に目処はついており、これらを実施する為の障害はなにひとつありません。基幹資源を自給し、また歳入を内需で賄う(輸出対価に依存しない)という点で、共和国の自主独立を確保する経済上の取り組みが後退することはないのです。
歳入の強化により、国家としての能力を高め、もって政治外交上の責務を果たし、これまで以上に人民生活を向上させていくことに、党と政府は引き続き全力をあげてまいります。

(961年2月 労働者の勝利/ブルースター紙他)

新型サプサン発表/カルセドニー高速鉄道で採用へ

提案時パンフレットの一部
サプサンは別加関係発展の礎になれるのか

963年7月、カルセドニー社会主義共和国は、同国における高速鉄道計画並びに共和国からの技術導入を発表した。
計画では、970年の開業(クリソプレーズ=クリストバライト間)、980年代半ばの計画全線開通を目指す。
同国での発表から2ヶ月後の963年9月、ヴェールヌイ鉄道は導入予定の新型車両の詳細を公開した。
真っ白な車体に赤いライン、カルセドニー国旗と同色の星マークをあしらったデザインは、ひときわシンプルな印象を受ける。
名称はシロハヤブサを意味する「ジャーファルコン」ヴェールヌイ鉄道での区分名は「サプサンCHAL」だという。
この新型車両はガトーヴィチ向けに開発されたサプサンGOTに、ガトーヴィチ開発省鉄道部門が改良を加えた現行タイプを原型としている。安全性・快適性・環境性の向上が謳われており、新しい制動制御装置や車体傾斜装置を備えているとされる。

アレクサンドル・エフレーモフ ヴェールヌイ鉄道企業長
「在来線と路線共有しながら、安全堅牢な高速車両として導入されたのがサプサンです。これをガトーヴィチ高速鉄道向けに広軌で拡大改良を加え、高速性能を飛躍的に向上させたのがGOTでした。高度な市街化地域が広がる大国カルセドニーにおける高速鉄道は、直線区間が比較的確保されているガトーヴィチ高速鉄道とは求められる性能が違います。今回我々がカルセドニーに提案する新型サプサンは、最高速度性能ではなく、曲線通過速度の向上に注力すると共に、フリューゲルを代表する先進国の人民に満足していただける快適性能と、時代に即した環境性能を追求します。新型車両と実績ある運行管理システムで構成される、快適で正確無比な高速鉄道は、カルセドニー人民の期待に必ずや応えることになりましょう」

二度目の輸出成功を成し遂げたサプサンは、共和国の着実な復興を更に印象づけ、人民に勇気を与えることになった。カルセドニーは、数少ない燃料輸出先のひとつであるものの、政治外交上の接点は少ない。今回のサプサン採用が両国関係の発展に大いに寄与してくれることを願うばかりだ。

(963年9月 ブルースター紙)

ロシジュアで中務ソシアート代表が交代

別超会談での前代表と共和国首相
エレオノラ新代表
超越スムージーが世界的話題に

ロシジュア帝聖平和ドミニウムにおいて、中務ソシアート代表の交代を同国報道ソシアートが報じた。
中務ソシアート代表はロシジュアの事実上の国家元首職。
勇退するアーニャ・イノセンティナ氏は代表を19年務めた。「後輩たちに代替わりする頃合い」と考えての決断だったという。新代表にはエレオノラ・コンポージナ氏が就任した。

代表交代の報を受け、共和国宮殿は「共和国の友人に感謝とお祝いを表明する」とする声明を発すると共に、ザラフィアンツ首相が親書を送ったと発表した。
親書は「共和国の友人であるアーニャ・イノセンティナ氏の勇退と、エレオノラ・コンポージナ氏の代表就任をお祝いし、新代表のもとでロシジュアとヴェールヌイの友好関係がさらに発展することを期待する」といった内容だという。
アーニャ・イノセンティナ前代表は、両国の友好関係のはじまりとなった949年別超会談でザラフィアンツ首相と会談しており、以来親交があった。
「首相はイノセンティナ氏に、引退を機に共和国に旅行してはどうかと勧めているらしいとも聞きます。同氏の引退を寂しく感じているようです」(本紙記者)

(961年3月 ブルースター紙)

石動で紀元550年式典/共和国も祝電

961年5月、大石動帝国において、同国の紀元550年を祝う式典が盛大に催された。
式典において足利輝子征夷大将軍が、同国の歩みについて「波乱に満ちた盛衰の繰り返し」と述べた通り、石動は三度の滅亡を経て949年に国際復帰したばかりだが、復帰以来精力的に活動して、その地位を取り戻しつつある。
式典では、共和国ザラフィアンツ首相からの祝電も紹介された。国交がない国としては唯一の紹介であり、報道によれば同国内でも異論があるなか、征夷大将軍の意向で紹介が実現したものだという。
同国の式典の当日、宮殿は定例の会見で「党と政府は、石動帝国の創建記念に祝意を表明する」とし、祝電の送付は、ザラフィアンツ首相の強い意向によるものだとした。

ザラフィアンツ首相は、二日後の人民議会外交委員会において、石動へ祝電を送付した経緯について、連盟議員の質問に答える形で以下のように述べた。
「様々な歴史的経緯はありますが、別石が直接的に対立したことはないと承知しています。国際における利害関係を言えば、石動に限らず、どのような国家間においても少なからずあるものです。両国は近しい時期に国際社会に復帰して再建を進めている点で共通しており、私はこれを一つの契機として、両国融和が成されるべきだと考えています。同国の報道が正しければ、祝電に対する大将軍殿下の振る舞いにあらためて敬意を示さなければなりません」

(961年5月 ブルースター紙)

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