メニュー 閉じる

セニオリス自由党分裂 他

940年11月14日付

【政治】セニオリス自由党分裂 進歩派の独走裏目に

<新セニオリス通信>

940年10月、セニオリス自由党の自由派、共和派、立憲派の幹部3名は合同記者会見を開き、派閥としてセニオリス自由党を離脱し、新たな政党として「自由民主党」を立ち上げると発表した。

3派閥に所属する議会議員らは全員がこの新党に参加する見込みであり、これによって議会の比較第二党は22議席の社会民主党から45議席を見込む新党の自由民主党へと移ることになる。
また、大統領補佐団において唯一の共和派出身者であったドゥブラフカ・グルバッチ国土開発長官は辞任を表明した。野党となる自由民主党への参加のためと見られ、ダリオ・ヴィドヴィチ大統領代行は後任にティホミル・マノリッチ氏を任命する人事を公表した。議会はこれを速やかに承認する見通しだ。

一方のセニオリス自由党には進歩派のみが残る格好となった。3派閥の新党立ち上げを受けて急遽開かれた党大会では議会議員団長が責任を取るとして辞任。党内の層が薄くなったことで「『自由主義の本旨』は行方不明となった」とは党中堅の言葉であり、党内では早くも自由主義の総合商社の看板であった「セニオリス自由党」という党名の見直しを求める声が出ている。

この分裂の背景には、進歩派単独で議会の125議席を占めるという独走状態への3派閥の不満があった。政策筋によれば、ヴィドヴィチ政権は社会民主党のサマンタ・プロシネチキ前大統領を否定する形で誕生しながらも、「政策的な距離は自由党の他派閥よりも社民右派に近い」格好となっていたとされる。自由派と立憲派は第2回議会中間選挙で打ち出された「社会自由主義」に懐疑的な立場を崩さず、自由党内の分断の深まりを憂いた共和派がこの2派の分離に乗じた格好だ。

分裂劇によって、共和国には自由主義を標榜する政党が分立することとなった。両党は早速943年5月に予定される第3回選挙に向けて火花を散らし始めており、初の”自由主義同士の戦い”となる選挙の行方が注目されている。

【政治】共産党、党綱領の改正を採択 労働組合との連携目指す

<労働者ネットワークニュース>

第2回議会中間選挙以後続いていた議論に関連し、セニオリス共産党の党大会は党綱領の改正案を最終的に全会一致で可決、採択されることとなった。

今回の綱領改正は「労働組合への権限付与」が主な趣旨だ。これは社民党のサマンタ・プロシネチキ政権時代に高揚した労働組合のナショナルセンター設立の機運に関連し提起されたものであり、長期に渡る党内議論の成果物となっている。
新綱領は革新的な路線を維持する労働組合との協力を意図しており、共産党の支持基盤獲得や、あるいは党が掲げる革命においての連携行動をも目指したものである。

この改正により「共産党による社会主義体制実現への道がより一層現実味を帯びた」とある専門家は分析する。今回の綱領改正は、同時に提唱されていた「民主集中制」構想ほどではないにせよ、労働組合への妥協という形で共産党が穏健化したとの印象を与えると見られ、第3回選挙での得票増加に貢献すると目されている。

一方で労使交渉を軸とした労働組合の健全な発展を提唱している社会民主党の幹部は「イメージを傷つける行為だ」と憤りを隠さない。
また別の専門家は「一部の労働組合が主張するところの労働組合を経済運営の軸とする”新体制”は、共産党の理想とは合致しない部分が見られる」と指摘しており、この綱領改正は共産党にとって必ずしもいい面のみとはならないようである。

第3回選挙は近づいている。今回の共産党の綱領改正のみならず、各党は勝利に向けエンジンを稼働し始めた。労働者の権利向上に貢献する価値ある選挙となることができるか、市民の公正な目線が試されている。

その他

  • 【国際】”大スラヴ主義の復活”?昭栄、ガトーヴィチにおいて関連報道 報道官「関心ない」(イグナイト・タイムズ)
  • 【社会】共産党系労働組合、「セニオリス労働組合評議会」を形成 943年選挙でゼネラル・ストライキ計画か?(ヤドラスコ・グループ)
  • 【政治】共産系労組の第3回選挙でのゼネスト計画報道 政府「過激主義は共和国にそぐわず、選挙妨害には厳しく対処」(北方セニオリス新聞)
  • 【社会】セニオリス労働組合評議会、943年ゼネスト計画を否定も「我々は”より進歩的”」と発言 憶測広がる(新セニオリス通信)

関連投稿