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クルト軍部委員長が大統領に選出

936年12月27日付〈中央通信〉

 26日に行われた大統領選挙上院投票では革新党の支持するクルト・ムトライト軍部委員長が31票の上院票を獲得、14票にとどまった人民党の支持するケシス・サードオニクス中央処理委員長を破って大統領に選出された。クルト軍部委員長は革新党系としてはシジト・カーネリアン前大統領以来2人目の大統領となる。クルト軍部委員長は上院投票では革新党系・連合党系のほぼすべての上院議員と人民党系上院議員の一部の支持を獲得、かなりの大差をつけて上院を制した。
 人民党の分裂がこの結果を招いたと言えよう。もともと世論調査における人民党の支持率は革新党以下の野党を圧倒しており、現職のイルト・デマントイド大統領を擁する大統領選挙も人民党の圧勝が予想されていた。しかし、「中道派」であるイルト大統領のイデオロギーはしばしば人民党と対立するようになり、人民党はイルト大統領を推薦せず伝統的な委員会社会主義者であるケシス中央委員長を党公認候補として選挙戦に臨んだ。イルト大統領が人民党の支持を得られなかったにも関わらず大統領選挙への出馬を取り下げなかったため、人革両党の公認候補と合わせて894年以来42年ぶりに「三つ巴」の大統領選挙が展開されることになった。人民党系の表がイルト大統領とケシス中央処理委員長に分散した結果、一般投票で首位得票を得たケシス中央処理委員長の得票は42.3%にとどまり、33.8%のクルト軍部委員長を一般投票で振り切ることができずに上院投票での逆転を喫した。イルト大統領の獲得した19.8%を合わせれば人民党系候補は一般投票において50%を大きく上回る得票を得ており、人民党が候補を一本化できていればクルト軍部委員長は上院投票に進むこともできずに人民党候補が当選していた形であるが、結果としては人民党の分裂が12年ぶりの革新党政権の誕生に結び付いた。
 ただ、下院の3分の2に近い388議席を支配する人民党の影響力は大統領が革新党系になったとしても未だ強大であり、クルト政権も少なくとも最初の4年間は人民党の支持を得ながら政権運営を行っていくしかない。940年の共和国議会選挙で革新党が議席を伸ばせなければいきなりレームダック化するリスクもあり、クルト軍部委員長にとっては慎重な政府のかじ取りが求められるだろう。

瓦国で極右による事実上のクーデター

 935年8月10日投開票が行われたガトーヴィチ民主帝国における議会総選挙で極右政党・帝国発展党が200議席中74議席を獲得して第1党になり、ボリス・イリイチ・ギンクゴーネン帝国発展党総帥が同月20日に行われた首班指名選挙によって同国首相に任じられた。さらに、11月には42議席を確保して第2党の地位を得ていた共産党が「国体転覆を図った」として弾圧され、この42議席は「補欠選挙」で右派政党に分配された。この「補欠選挙」で帝国発展党が30議席を獲得したため、ガトーヴィチ民主帝国議会の過半数を帝国発展党が占める形となり、同国政府は極右に完全に掌握された。
 884年にガトーヴィチ内戦が終結して以来同国では社会民主党カリクリャータルスカヤ政権、社会民主党オルゴフ政権、労働党アレクサンドロヴァ政権と中道連立政権が続いてきたが、935年の同国北西部に対する巨大隕石の落下以降国内情勢が悪化、半ば暴動のような形で政権が崩壊する事態となった。選挙前は首相の所属政党でもあった労働党は8月10日選挙で1議席も獲得できず、共産党も議会から排除されたため同国中央政界に左派の色はほとんどないも同然となり、中道連立政権と比較的良好な関係を維持してきた共和国にとっては大きな衝撃として受け止められている。
 また、アレクサンドロヴァ前首相は暴徒に取り囲まれた状態で解散を余儀なくされたこともあって、解散権が適切に行使されたかについて国際社会は明確な情報が得られていない。これらを理由に共和国内ではガトーヴィチ新体制に対する「正当性の欠如」を指摘する声が上がり始めており、人民党内でも極左派として知られるレアン・カーネリアン下院議員はガトーヴィチ議会は適切な手続きで解散されておらず、したがって935年選挙の結果を共和国は承認しないとする決議案を8月10日選挙の直後に提出した。この決議案は対外事項への介入全般に反対する人民党主流派、FUNを介さない外交面での単独行動を否定する革新党、ガトーヴィチ新政権を刺激することを恐れる連合党全てから反対を受けて決議案は圧倒的大差で否決されたものの、11月に共産党が議会から排除された後の「補欠選挙」についてはさらに法的根拠が不明瞭であることから、レアン下院議員は「補欠選挙」に関する決議案提出を検討しているとしている。

ロムレー湖畔共和国から食料定期輸入

 セビーリャ地域における混乱が続き、同地域からの食料輸入が停止する中、外交委員会はロムレー湖畔共和国からの食料定期輸入契約を締結したことを公表した。輸入量は2ヶ月あたり食料30億トンで、セビーリャ地域からの輸入量の半分強がこの貿易によって補填される形となる。国際的な食料需給バランスの悪化が解消されるまでの一時的な措置とされ、恒久的な貿易とはならない見通しだ。
 共和国は対価としてWTCOレートに従って2ヶ月あたり0.030Funをロムレー側に支払うが、実際の送金は定期貿易終了時に一括支払いすることとされており、仮に契約が5年間継続した場合は定期輸送30回分に相当する0.900Fun、20年間継続した場合は定期輸送120回分に相当する3.600Funの支払いが想定されている。Funを対価とする定期貿易は外交委員会によれば「フリューゲル史上初めて」であり、国際的なFun流通の枠組みの一形態として重要な貿易契約となったとしている。

【社会】クリストバライト市ゲーム大会、年末年始に開催する案が一瞬浮上したものの結局開催されず。
【国際】中央銀行主催のいわゆる「GOTOミルズキャンペーン」、利用が不調。ペルニーア前総裁、「利用したからと言って病気になるわけではない」

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