913年5月1日付ミルズ地域統治委員会広報〈ミルズ通信〉
【速報】キングいのら出現し都市壊滅 50万人が犠牲に
912年6月18日に突如としてキングいのらが出現し都市および森林を蹂躙する事態が発生しこの災害により(10, 11)に存在していた近郊住宅地が壊滅し50万人が犠牲となる大惨事となりました
尚キングいのらはその後3期に渡って地域領土を破壊しましたが烈天加の平和維持部隊に射殺された模様です
文責:リアス・ジェファーソン(Rias Jefferson)ミルズ地域籍
編集:トコア・ブラッドストーン(Tojkoa Bloodstone)カルセドニー社会主義連邦共和国籍
独立を求め市民がデモ
913年4月に首都でミルズ地域独立を求める市民によるデモが行われました。
デモ隊は「国家を我らの手で」と書かれたプラカードを掲げながら行進したのちに解散した模様です
ある参加者は本紙記者の取材に対し「我々はこれまで停滞してきた、安寧に縋り成すべきことを成さなかった、だからこそ歩まねばならない」とコメントしています
文責:リアス・ジェファーソン(Rias Jefferson)ミルズ地域籍 ※無編集
第5代最高執行官就任、ミルズ地域の安定的統治の象徴
911年1月1日、カルセドニー社会主義共和国より派遣されたクケン・アメトリンミルズ地域最高執行官がガトーヴィチ民主帝国籍のゲオルギー・マクシミリアーノヴィチ・マシュターボフ前最高執行官に代わって就任した。クケン最高執行官は891年に制度が発足してから5代目の最高執行官であり、カルセドニー人としてはタジン・ツァボライト初代最高執行官以来2人目となる。
最高執行官制度は20年以上にわたって運用されているが、制度の運用状況は最高執行官によって大きく異なっている。タジン初代最高執行官は既存の統治委員会決定の遂行を要請する最高執行官命令を発出したにとどまったが、ガトーヴィチより派遣されたヨーシフ・ヴィッサリオーノヴィチ・フーリエフ第2代最高執行官はその任期中に6回の最高執行官命令を発し、その中には既存の計画に含まれない開発方針の指示、ミルズ地域と外部との定期貿易の許可などかなり積極的なものが含まれる。逆に、レゴリス帝国籍のアウレール・ビュットナー第3代最高執行官はその任期中一切最高執行官命令を発しなかった。
これほど多様な最高執行官が任につき、5年ごとに交代するというのはミルズ地域はもちろん、国家元首の任期が5年以下であることが珍しいフリューゲルの歴史上でもあまり例がない。ミルズ地域が最高執行官制度の下安定的な経済運営が可能となっていることは、最高執行官の尽力はもちろん、ミルズ地域がかつてのような軍閥に覆われた不安定な地域からある程度の「安定した地域」へと変化を遂げていることを象徴していると言える。
統治委員会は第9号決定に基づき設定された国土開発計画の完了と次なる計画の策定に向けた議論を既に開始しており、ミルズ地域が次の段階に進む日もそう遠くはないであろう。
文責:ラハン・トリディマイト(Raqhan Tridymite)報道局長 カルセドニー社会主義共和国籍
ミルズ人の主権意識の高まりに寄せて
913年4月、首都で国連統治領ミルズの独立を求める市民がデモを敢行した。帝国新報の特派員が所在するビルの窓からも、デモ隊が行進する様子を見ることが出来た。ミルズ地域では、長らく失われていたミルズ人の主権意識が急速に高まっている。本紙910年報道の「選挙よりもカニが食べたい」では、民主主義国家として独立するために必要不可欠な選挙制度よりも、食生活の向上を優先する民意があらわになった。しかし、首都近郊にキングいのらが二度も出現するという国難を経て、地域の行政を国際連合に移譲する統治領体制に変革が必要だという意見が、ミルズ市民の間で醸成されているようである。
ミルズ人の主権意識が増長するのみならず、ミルズ人の行政能力もまた向上していることも注目に値する。ミルズ人を雇用しているミルズ地域農林局は、度重なる記念碑建造を遺漏なく実行したほか、貿易局定期貿易管理部・自由貿易枠管轄部は、大量の木材定期輸出と頻繁なる単発貿易を卒なく管理出来ている。ミルズ人の行政能力は、フリューゲル国家に求められる「産業と貿易」を振興し維持するだけの水準に達したようである。このことから、同様に「産業と貿易」に関係する資源管理局鉱山管理部、貿易局特殊貿易申請部におけるミルズ人を雇用することが出来よう。更に、ミルズ地域報道局取材部のミルズ人記者の文章作成能力も洗練されつつあることから、報道局の出版部・編集部にミルズ人を採用することも可能であろう。
しかし、司法局の検察部及び裁判部、並びに部局こそ存在しないが警察・軍事を担う組織に、ミルズ人の参加を容認するかについては、先日、ミルズ地域統治委員会においてガトーヴィチ民主帝国政府が提出した防災都市建設に関する決議案に対して、時期尚早である旨の意見が多く付せられたことからもわかるように、慎重を期する必要がある。
ミルズ人の主権意識の高まりに応えるように、統治委員会、並びに最高執行官室は、ミルズ人を雇用することが出来る部局を段階的に増加させ、ミルズ人に行政への参画を促すなどして、将来的なミルズ地域独立へ、少しずつ駒を進めていくべきだ。
文責:帝国新報社会部 サクラ・サクーロヴィチ・インシーニェフ(Сакура Сакурович Инсинев)ガトーヴィチ民主帝国籍