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第65回人民院選挙実施 ほか

908年3月8日付

第65回人民院選挙実施 公正党議席最大に

900年以降継続的に準備が進む宇宙移住計画に関する議会での議論は佳境を迎え、焦点は「宇宙移住までの政策」「宇宙移住後の”政府”形態」へと移った。人民院の任期がまもなく残り1年に迫る908年3月、ハーフューズ・ギュチリュ首相は「宇宙移住に関する我々の計画に対する国民の信を問う」として人民院を解散。879年以来となる解散による選挙が幕を開けた。

ギュチリュ首相が率いる与党側は第44回地方院選挙同様候補者調整を行い臨んだ。二大与党の社会民主党と共和人民党は地方院選挙での反省を踏まえ、一部選挙区に於いては緑の党を含む形での調整が行われ、社会民主党幹部は「これで安心できる」と早い段階から自信をのぞかせた。

「宇宙移住は今後10年以内に可能になる」と言われ移住前最後の選挙とも噂される中での選挙は各党が今後の国家運営の主導権を握るべく舌戦を繰り広げた。

以下に選挙結果を掲載する。

政党改選議席数議席数増減
社会民主党155166+11
共和人民党5954-5
緑の党36360
トルキー労働党11584-31
公正党2155+34
共産党113-8
無所属32-1

結果としては与党は計6議席増と堅調の一方で、左派のトルキー労働党及び共産党は計39議席減、公正党が34議席増という大波乱となった。

与党は堅調に議席を伸ばしたことに社会民主党のアイシェ・バジェオウル人民院議員団長は「政府の方針が評価された結果だ」と支持者らに感謝を述べた。一方で候補者に関して共和人民党が社会民主党に配慮し候補擁立を断念することを基本とした調整が行われたと言われ、今回は現職は全員当選、新人候補の落選も3名のみと大健闘しながらも全体としては5議席減となった。ある共和人民党幹部は「社会民主党に埋没してしまったのかもしれない」と分析した。

野党はそれぞれで明暗がはっきりと別れた。逓減しながらも一定の議席を確保し続けていた共産党も今回は8議席を失うという大敗を喫した一方、公正党は結党以来最大の議席を確保する大躍進を遂げている。
イスタンベル大学のハーフューズ・ディンチョズ教授(政治学)は「与党が打ち上げた宇宙移住計画に対するスタンスによって明暗が別れた」と話す。

野党第一党のトルキー労働党は国家運営の主導権を奪還するべく戦ったが、宇宙移住計画に対して独自色を打ち出しきれなかった。段階的移住に関して「共和国人民は一体」と主張する一方、移住後の政府形態について「中央管理アーコロジーは置かない」とする姿勢は与党から「矛盾だ」と口撃の対象となり、劣勢となった。
「宇宙移住計画の断固阻止」を掲げた共産党は宇宙移住計画に賛同する他候補を顕著に口撃したが、移住について「反動主義や修正主義の陰謀」などとする急進的な姿勢は却って深刻な有権者離れを生み出し、これまで受けていた左派的な票を与党側に票を流出させる状態に陥り、共産党基盤とされたコンヤ県内から出馬したヤウズ・アヴシャル党首までも落選するほどの惨敗となった。
一方「現実的な宇宙移住計画」を掲げ、与党側の段階的移住に賛同しながらも外交や移住後の政府形態に疑問を呈した公正党は右派的な票のみにとどまらない幅広い層の支持を集めた。過去最大の議席獲得という結果にタリプ・オズズィル党幹事長は「与党に対する第二の選択肢を示すことに成功した」と分析、党幹部からは「もう一回選挙があれば野党第一党にもなれる」との強気な声も聞かれた。

ディンチョズ教授は「宇宙移住を前提とした計画立ての上、与党に対する明確な”対案”を示せた公正党が成功を収めた」と分析、左派が軒並み票を落としながらも社会民主党が一定の勝利を収めた点については「国民全体的な”右旋回”が起こりつつ有るのかもしれない」とし、今回の選挙が”最後の選挙”と噂されていることも踏まえつつ「仮に後2,3回選挙があればトルキー政界に何かしらの大転回が起こっていた可能性は否定できない」と話した。

宇宙移住までの最後の政権を担う公算が濃厚となったハーフューズ・ギュチリュ首相は「今後とも宇宙移住計画を推し進めてまいりたい」と話した。

第3回国家評議会準備委員会 現職3期目へ

906年3月、3回目となる国家評議会準備委員会(定数1328)が招集され、現職のフゼイフェ・アルトゥウ氏(社会民主党)が1181票を得て再任され、同氏による国家評議会議長は3期目へ突入した。

同氏は第1回、第2回共に与党各党やクルディア民主主義党、公正党などからの幅広い支持を受けながらも、独自候補擁立を模索するトルキー労働党一部の反目を受けて900票に届かない票数において任命されており、1181票での任命は同氏にとっての最多得票となった。

任命を受けてフゼイフェ・アルトゥウ国家評議会議長は「共和国の有るべき姿を探求し、人民の幸福のため全力を尽くす」と決意を表明した。

国家評議会議長は4選が禁止されており、921年3月の第4回国家評議会に向けて与党は候補を新たに模索するものと思われる。

その他

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