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【政治】社会経済効率化促進法可決。政府は建物・土地の収用と市民の再定住措置が容易に。他

【政治】社会経済効率化促進法可決。政府は建物・土地の収用と市民の再定住措置が容易に。

<サンシャ・ヘラルド>

 901年7月4日、市内でも議論の対象となっていた社会経済効率化促進法が賛成多数で可決された。この法案の審議過程では、一部の上院議員が明確な反対意見を表明するなどの異例の事態が複数回発生した。

 政府は「経済国家サンシャ」の建設を目指し、停滞した国内経済の打破を図るための大規模な工業化を目指していた。国内は比較的の広い土地は開発し尽くされているため、工業施設の建設は難しいとの意見が政府内でも大勢を占めていた。政府は工業化を促進するためにあたり、土地の確保に国家安全保障法の「防衛目的による土地等の緊急収用命令」を活用する意向を示し、一部の事例では土地の収用を同法の規定に基づいて収用した。しかし、この措置は違法だとする土地所有者が訴訟を提起し、最高裁判所は「この収用は防衛目的に必要不可欠でなく、かつ、緊急収用命令を発するほどの緊急性も認められない」として当該命令を違法とする判断を下した。この最高裁の判決に対し、政府は「経済は国家安全保障の最大の要であって、経済が崩壊してしまえば国民を守るという国家最大の目的が行えなくなる」(政府広報)と激しく反発した。しかし、その後の下級審でも上記最高裁判決を支持する判決が繰り返されたため、政府は戦略の再検討を余儀なくされた。

 こうして提出されたものが「社会経済効率化促進法」だ。この法律では、建物・土地の収用にあたって従来煩雑だった土地建物の価格評価という部分を省略し、土地もしくは建物の大きさに応じた一律の補償金の支払いだけで政府が土地を収用することを認めた。これに加えて、政府の合理的な判断と配慮に基づき、住民も再定住を指示することが可能となった。再定住を迅速に実施するため、政府が住民に代わって住民登録などの手続きを行うことも認めた。

※ サンシャ・ヘラルドはGSMの指定を受けた報道機関です。

【社会】カヒ・オモラナ・オ・ヌイ特別市で社会経済効率化促進法の収用・再定住措置が実施される。1か月で300万人弱が街から姿を消す。

<サンシャ・グローバル・レポート>

「息子たちがどこに行ったのか教えてほしい」と窓口の職員に涙ながらに訴えかけるのはハキーナ=ハコパさん(78)とモキナさん(75)だ。息子のタワーラさん(34)とその妻と子どもが同じ日に突如として姿を消した。警察に行方不明の届けを出そうとしたところ、警察官から次のように答えられ、届けの受理を拒否されたという。「タワーラさんとそのご一家は社会経済効率化促進法の再定住支援の対象です。」

 同様の事例は多数報告されている。特別市水道局で働く作業員のプラリ=パチさんは妻と息子のハモンガさん(23)とともに夕食を囲んでいた時、突如兵士と市の職員が訪れてハモンガさんを連れて行った。その際にも職員から社会経済効率化促進法の再定住支援対象に含まれたとだけ伝えられた。

 パチさんが息子の住民登録について照会すると、いなくなった日の当日に住民登録が抹消されたということもわかった。これについて、パチさんは不信感を露わにする。「息子が軍人たちに連れていかれたのは夜の7時だったのに、その日のうちに住民登録が抹消できるわけがない。どんなに早くても翌日の手続きになるはずだ」とする。この指摘について本紙が特別市に問い合わせたところ、「社会経済効率化促進法の再定住支援の対象は一定の基準によって定められた個人と家族が指定され、再定住支援手続きが開始される日に住民登録が抹消されるような方法を踏んでいる」と回答した。

 社会経済効率化促進法は上院と裁判所からの批判も厳しい。マラピ=パラフィカ上院総務(パラフィカ酋長領指名議員)から構成される上院の議員グループは同法を「拉致監禁を組織的に行うための政府が犯した一種の罪」と痛烈に批判した。同法について、裁判官らが執筆する専門誌「サンシャ・ジュディシャル・レビュー(SJR)」では建物の収用手続き簡略化については基本法違反の疑いは薄いとする一方で、再定住支援措置は「明確に違法」とする見解を示した。政府と上院・裁判所の対立は一層激しくなっている。

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【報道ヘッドライン】

【社会】ミルズ人問題、最終報告書の決定に度重なる延期。軍関係者の関与を指摘する部分に政府内部で反発か。(サンシャ・インディペンデント・リポート)
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