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革新党第1党も与党はかろうじて過半数維持

890年12月22日付〈中央通信〉

 21日に投開票が行われた第35回共和国議会選挙(下院総選挙)は与党人民党が54議席減と先の選挙に続いて勢力を失い、野党革新党・南の風の両党が大幅に議席を伸ばす形となった。人民党と連立を組む連合党は合わせてほぼ横ばいの130議席を獲得したため、与党は311議席にとどまったもののかろうじて議会の過半数を維持しレテン政権のレームダック化という最悪の事態は回避されたが、243議席を得て第1党となった最大野党革新党の下院での影響力増大は必至であり、レテン大統領の残り4年の任期は多難になりそうだ。
 一方で、今回の選挙結果は単なる与党に対する不信感の反映ととらえるのはやや短絡的な見方であると言え、政権批判層の中にも多様な立場が見られた。革新党はレテン政権、特に人民党がFUN安全保障理事会を重視する姿勢を見せたことに対し「総会の軽視はFUNの軽視」と猛反発し、外交委員会系の自主管理組織を中心に支持を集めたが、これとは逆にガトーヴィチ民主帝国との関係を重視する立場から、現政権、特に人民党のスタンスがむしろ「中途半端」であるとの批判も広まった。南の風の躍進はそのような層に下支えされ、「ヘルトジブリール社会主義共和国との関係重視」という程度の差こそあれ人連革主要3党全てが掲げている共和国の本質的な外交政策そのものに対する不満を集める形で成立したとみられている。北海騒動において親瓦的態度を取った国連大使の態度は「正しかった」との立場は広範に支持されており、特にこの中でも政権に対して批判的な態度を取る有権者の間では、内政不干渉を盾にクーデターによって成立した北圏政府を擁護するような姿勢を見せたとしてヘルトジブリールへの好感はかつてないほどに冷え込んでいる。与党はもちろん、革新党もヘルトジブリールに対して敵対的な態度を取ることは考えにくく共和国の外交政策に対してただちにこれが影響を及ぼすとは考え難いが、これまで国内世論がほぼ完全に友好国と位置付けていた同国への批判がまとまった形で発生したという事実は重い。
 対照的に、南の風の勢力拡大が見込まれる中で重要な問題としてクローズアップされたガーネット州に関する問題では、南の風の訴えるガーネット州への特殊地位付与を改憲の本義を損なう改悪的な制度変更として否定する旧労働党系3党(人民・革新・民主前進)の主張が支持を集めた。南の風のチャド・リーヴズ代表は選挙後にモリオン市の党本部で「我々は、既存政党に対するアンチテーゼとして支持を集めたのであり、決してその政策が全国的な支持を受けているわけではないことは承知している」と選挙前から倍増以上の44議席を獲得したにしては謙虚な態度を取ったが、これはこのような情勢を受けての発言と見られている。

地方党ペンタ代表解任

 選挙の結果が明らかになってから数時間を経た21日早朝、自身を含め擁立した候補全員が落選した地方党のペンタ・ジャスパー代表は記者団に対し自らが代表を解任されたと認めた。地方党はペンタ代表のワンマン経営でこれまでの2回の選挙を戦ってきたが、2度続けての大敗となり求心力も限界に達したとみられている。後任代表については未定であるが、「既存の政策綱領の抜本改革が必要」との声や、「南の風に再合流すべき」というような声も上がっており同党の招来は不透明だ。

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