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ロシジュアでソシアート体制刷新ほか

【国外】ロシジュアでソシアート体制刷新

 881年3月、ロシジュアTISC(ロシジュア平和連邦)において、同国の特徴ある政治システムであるソシアート体制に改革が行われたと国営放送が報じた。この改革は、これまで各ソシアートの合議に地方の帝国民ソシアートで選出された340名全員が参加していたことから、昨今のロシジュアにおける海賊・怪獣出現に対して迅速な対応ができなかったことを受けて行われたものとみられる。改革によって、ソシアートを構成する議員は10名へと大幅に削減され、330名の元ソシアート構成員は実務機関として各ソシアートに分離設置される帝庁に所属することになる。同時に、怪獣・海賊出現といった非常事態への備えとして、帝国民ソシアートと中央ソシアートを結ぶ帝国ホットライン、地方における情報収集と報告にあたる帝国コールセンターが設置されるとのこと。
 859年にバラ園の協定が締結されて以来、ロムレー宇宙軍はロシジュア国内における海賊・怪獣出現について同国からの要請を受けて度々支援攻撃を行ってきたが、宇宙軍事情筋は本紙の取材に対し「合理的な改革であり、また、今後の安全保障面での更なる相互連携にも大いに資するものと期待する。政策決定と実務の分離による業務の効率化については、中央官庁が形式上は中央議会の事務局とされており分離が不十分にしか行われていないロムレー中央政府においても実施されるべき」と答えた。また、同じく同国での海賊・怪獣出現への対処に関するロムレー側の主務官庁である安全保障局の広報官は、ソシアート改革に関連してのロシジュアにおける海賊・怪獣問題についての質問を受け「ロシジュアにおいては平和主義が広く支持されているという事情については考慮しなければならないが、帝国民ソシアートからは更なる怪獣被害を懸念する声もあると伺っている。同国がセビーリャ警察予備隊のような海外攻撃能力を持たない地上部隊、あるいは沿岸警備隊や海防を主眼とした砲艦等の水上部隊の配備等を目指す場合、共和国はバラ園の協定第二条の精神を実現するため、可能な限り支援する」とコメントした。

【国外】カルセドニー社会主義共和国憲法下初の総選挙 革新党躍進により人民党は過半数割れ

 878年にカルセドニー社会主義共和国憲法が施行された。これにより、長らく続けられてきた連邦制は廃止され、また自主管理組織を中心とした委員会社会主義国家であることが明確化された。また、この改憲により、労働党は孤立主義派を中心とした人民党と国際主義派を中心とした革新党に分党し、カルセドニーの政党制は二大政党制から多党制に回帰した。新しい勢力図としては過半数を確保した人民党、そして革新党と改憲後に若干の離反者はありつつも存続した連合党の三党が主要政党である。
 880年12月の総選挙は新憲法下初の選挙であり、新体制の行方を占うものとなると思われる。この選挙の結果、人民党は第一党を辛うじて維持したものの86議席減の235議席と過半数を割り込み、一方で革新党は93議席増の214議席と大幅に議席を伸ばした。なお、連合党は21議席減の131議席と若干議席数を落とし、それに代わって南の風は19議席と一定の勢力を確保した。これは人民党・連合党が下層労働者からのボトムアップ型の選挙を目指したのに対して、革新党がトップダウン式の支持獲得を図ったことが大きく作用したものと分析されている。
 年が変わって881年1月、新年のビデオメッセージでレテン大統領は人民党大敗の主因と思われる消極的な外交政策の転換を図ると発表した。かつて普蘭問題で摩擦を生んだユハル外交を継承した上に労働党時代に比べて急進化した革新党の外交政策に対して、人民党としては先進国協調主義を中心に据えた穏健なFUN中心主義を目指すものと思われる。とはいえ、革新党は人民党との政策協議において外交委員長をはじめとするポストを要求しており、一方の連合党は人民党の支持基盤にとっては不利益となる南部への経済投資を要求しているなど、人民党の独自外交の実行にあたっては障壁も多い。しかし、設立以来FUNを主導してきたカルセドニーの外交方針は今や国際情勢に大きな影響をもたらすものとなっている。このような不確定要素がどのように展開するかも含め、カルセドニー外交が今後どのように進展するかが注目される。

【セビーリャ】セビーリャ自治のさらなる進展が進まない原因を探る

 764年の発足から117年が経過したセビーリャ自治政府。地域の情勢は833年のインフラ危機以降安定しており、ロムレー中央議会でもたびたび「独立国家の再建を視野に入れ、更に自治拡大を進めるべき」と言及されるが、近年は自治拡大は全く進んでおらず、また自治拡大を求める運動もほとんど発生していない。政治的な情勢に関してもインフラ危機直後に議会派が自由党を結党して以降大きな動きはなく、自治政府の統治はつつがなくおこなわれているように見える。
 このようなセビーリャの情勢について、共和国は今後どのようにしていくつもりなのだろうか。外交局事情筋は「コーデクス主義イデオロギーがあまりにもセビーリャ地域では浸透してしまったため、こちらとしても通常の民主化プロセスを適用することが適切なのか判断がつきかねている」と語る。実際、コーデクス主義に詳しいロムレー人はセビーリャ統治委員会に多く、「その方針はセビーリャ地域の実情に適合しない」とセビーリャ統治委員会に突っぱねられると本国側も積極的な対応に出ることが難しい状況であるという。
 しかし、長らく官僚主義・権威主義的統治が続けられる理由に挙げられてきた「セビーリャ地域の政治経済的安定」は、インフラ危機から半世紀近く経過した今となってはもはや実現された目標といえる。フリューゲルの穀倉地帯として国際経済においても地位を確立した現在、セビーリャ地域における議会主義体制の整備を本格化し、国際社会への復帰を促す必要性はもはや明白ではないだろうか。

【国内】ロムレー教会評議会、フリューゲルにおけるエキュメニズム運動を模索

 830年代の混乱期を経て、ロムレー国内におけるキリスト教の影響力の減退が指摘されている。ロムレー最大のキリスト教組織であるロムレー教会評議会の会報「キリスト者の一致」の購読者数は830年代の間に半減して以来、現在まで回復しておらず、毎週末に教会に行く家庭は836年に過去最低の16.1%を記録し、880年の実績でも18.2%と大きな改善を見せてはいない。
 こうした中で、ロムレー教会評議会は他国の教会との合同や交流に力を入れ始めている。フリューゲルにおいてキリスト教の影響力が強い国家として、ノイエクルス自由国なども存在するが、ロムレー教会評議会が秋波を送っているのが、近年、政権政党の帝国発展党が長らく掲げてきたスラヴ主義を放棄し「正教主義」に転換したことが記憶に新しいガトーヴィチ民主帝国である。しかし、ガトーヴィチ人のプロテスタントに対する態度は冷淡であり、現時点ではロムレー教会評議会の試みはあまり進捗していない。また、帝位継承をめぐってガトーヴィチが揺れている状況もあり、今後の見通しも現時点では不透明と言わざるを得ないだろう。

(その他ヘッドライン)

  • カルセドニー・クリストバライト市でボードゲーム大会開催中 あるロムレー人観戦者はゲームの行方を予想する「株主」サブゲームで高得点?
  • ガトーヴィチで帝位継承をめぐって暗殺・テロ事件など続発
  • トルキー人民院選挙実施 左派の労働党および共産党退潮、右派の共和人民党・公正党躍進 社民緑連立政権は勢力を保ち続投
  • ノイエクルス連邦からの宣戦布告を受けイスタシア王国崩壊 ある外交部会議員「残念でもなく当然」
  • ミルズ地域東部で二度にわたり爆発事故 詳細な原因は明らかにされていないが、「超越」の制御失敗によるものとの見方も

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  • 『Epidémiologie et hygiène』、今月の収録論文は「先進国におけるワクチン政策―烈天加を事例に」、「〈研究動向〉ルッコラの向精神作用の薬学と疫学」など。(アンゼロット記念大学出版局)
  • 『叢書コーデクス諸学』、第2813号「精密農業と光学―スーパースペクトルカメラの活用によるコーデクス主義農業」、第2815号「社会主義国における情報科学」発売。第2816号「気候工学―そのセビーリャにおける展開」、第2817号「「不自然な慣用表現」の言語学」近刊。(アンゼロット記念大学出版局)
  • ロムレーに別荘を建てるなら、当然ロムレーの様式で。風格ある木骨造の家は、年数を経るほどに更に味わい深く。周辺の景観にもよく調和します。(トラモイユ設計事務所)

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