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自治政府獲得運動発生 ほか

874年5月26日付ミルズ地域統治委員会広報〈ミルズ通信〉

自治政府獲得運動発生

871年8月18日に行われた本紙報道の後、一部のミルズ市民による「自治政府獲得運動」が発生している。この運動の明確な主導者は明らかではないが、「自治政府獲得」を訴えるデモ隊に参加した市民に本紙記者が取材したところ、ある市民は「今のミルズ地域には政府がないらしいがだとすれば統治委員会の業者が来る前に植林を行っていた者たちはミルズの民間業者なのか誰の命令で動いていたのかが分からない。このままの状況が続くとなれば不安でたまらないし独立後に不安定さが増すだろうし何よりも自治政府があったほうが我々の声が届きやすいだろう」と語り、現在のミルズ地域の統治が市民の関与がない状態で進んでいることに対する危機感がこの運動の背景にある模様だ。一方、この運動に対して批判的な意見も見受けられ、ある市民は本紙の取材に対し「自治政府運動は喜ばしいことだがもしアダム氏をトップにするようなことがあれば必ず王党派の様な存在が現れ不安定さが増すだろう」と述べ、自治政府が成立したとしても旧ミルズ皇国時代のような不安定な状態をかえって招きかねないとの立場を示した。
文責:リアス・ジェファーソン(Rias Jefferson)ミルズ地域籍
編集:トコノ・クリソプレーズ(Tojkono Chrysoprase)カルセドニー社会主義連邦共和国籍

自治政府獲得運動の行方は注目に値するが、このような政治運動そのものが軍閥たる保守党会に押さえつけられ実施できず、国内の不安定化が著しかったミルズ皇国時代に比べれば、このような暴力の伴わない政治運動が健全に行える現在のミルズ地域ははるかに安定していることを逆説的に示しているといえよう。自治政府運動に賛成する市民も反対する市民も、現在のミルズ地域において達成されている安定が将来的に損なわれることを恐れていることも、ある意味では現状の安定あってこそであり、ミルズ地域の政治的安定のために統治委員会は引き続き力を尽くしていくことになるだろう。
文責:トコノ・クリソプレーズ(Tojkono Chrysoprase)カルセドニー社会主義連邦共和国籍

【ミルズ市民に聞く!】裏返る”皇”への崇拝 市民の思う地域の未来とは

ミルズ地域の国連統治体制が開始されて早くも5年が経とうとしている。
旧皇国は盲目的な皇への崇拝と致命的に稚拙な市民意識により不安定を極め、その最期は選挙をめぐる国際公約違反状態となり国際社会の信頼を完全に失い終わる衝撃の展開となった。
ミルズ地域統治委員会の元新たな統治体制が着々と構築されているが、その中で一番の不安要素となっているのが”皇”の処遇だ。
そのカリスマ性によって不条理なほどまでの崇拝を集め旧皇国の混乱の一因となりながら、国連統治体制発足前後に音沙汰がなくなった彼に対し、現在のミルズ市民が思うことは何か。
今回我々の取材に応じてくれたのは、統治委員会による教育機関再編により失職し現在は民間の図書館の司書として働いているエミリー・パーカー氏(=元ミルズ大学准教授)だ。
旧ミルズ大学においてミルズの政治について研究を進めていた彼女は、単刀直入に我々の疑問に答えた。
「私が大学に勤めていた頃から交流があった方々からは、『皇は何もしちゃいなかった』という恨みつらみをよく聞きます。『首を刎ねるしかない』との声まで聞くことがあります。」
一体何が市民の考えを変化させたのだろうか。
「現在では『(旧皇国と異なり)皇をトップに据えたところでどうにもならない』という絶望感が絶対皇政の支持者の間にも認識されつつあるのでしょう。また新たな体制のもとその支持者が新たな知識を手にし”目が覚め”るという事もあるようです。コレまで淡いながらも抱いてきた期待が完全に葬り去られ、愛憎入れ替わったということなのでしょう。」
思い返せば、旧皇国において皇が混乱した国家を正常化させたことは無く、支持を集める筋合いなど少しも無かったのだ。皇国解体という最大級の非常事態においても皇は沈黙を保っていた。それまで不条理に崇拝していた対象を潮目の変化で逆に蔑むという市民の意識の低さにはやはり呆れ返るばかりであるが、ある種当然の流れとも言えよう。
旧皇国の”戦犯”であった”皇”と”女皇”は、生まれ変わりつつある市民の声に今どこで何を思うのだろうか。
そして生まれ変わったミルズ地域の市民らは、”皇”の問題に結論を出すことが出来るのだろうか。
文責:赤き五芒星 ヤウズ・セレンギル(Yavuz Serengil)トルキー社会主義共和国籍

ミルズ地域に広がる森林地帯と世界における建材需要

現在(873年5月)時点においてミルズ地域の森林地帯は7万sq.Kmを超え、国土に占める割合は4割以上となっている。ミルズ地域統治委員会第9号決定を受けて871年初頭に本格始動したミルズ地域大規模森林化計画(略称:ミルズ森林計画)は約2年半の間に大きく前進しており、今後も順調に開発が進んだ場合は約5年後の879年までに20万sq.Km、割合にして国土の約87%を占める世界有数の森林地帯を抱えることになるだろう。
一方、他国に目を向けてみると複数の新興国が建材需要の高い発展途上状態となっており、中でも北海連邦や新洲府共和国は需要の高まりが顕著である。ミルズ地域での木材生産が開始された場合、1期あたり建材換算で0.6億tの生産能力を持つこととなり、先の2国において有力な建材購入先となることは間違いないだろう。果たして、統治領となったミルズによる国際的貢献に旧議員や君主、そしてミルズ地域民は何を思うのだろうか。
文責:レベッカ・デ・ケンペナール(Rebekka de Kempenaer)ヘルトジブリール社会主義共和国籍

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