第六共和政が開始してから初となる大統領選挙が告示され、前国会議員であるクジョウ・カゲツ氏(官文名:九條華月、女性・ワレワレ族)が唯一の立候補者として無投票による当選を果たした。クジョウ氏は動乱期間中に独立行動党青年部長及び党宣伝副部長として党の教宣活動に尽力し、今日の政治の安定化に多大なる寄与をしたことが評価された。幹部党員以上を経験した政治人物の生年月日は国家の機密事項であるため公開されていないが、クジョウ氏は二十代前後と推定されており、動乱により若年層のボリュームが多くなった新洲府における復興のシンボルとして活躍することが期待される。
大統領選に立候補するためにはいかなる政党にも属してはならないという制限があり、クジョウ氏もそれに従い執政党である独立行動党を事前に離党している。もうひとりの有力候補であったマハティール貿工部長(官文名:馬哈迪、サヤサヤ族)は、今回の立候補届け出までに離党の手続きが間に合わず出馬を断念した。首相や大臣は華族の政治家が多数派であり民族間の政治的バランスを保つ必要があることから、歴代大統領はいずれもサヤサヤ族もしくはワレワレ族出身の人物が選出されている。
新洲府共和国大統領職は国家元首として儀礼的な役割が期待されているが、名目上は法案の拒否権や首相及び各部長の任命権を有しているため、国政において一定の発言力を持っている。