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共和国議会、ミルズ治安維持決議を可決

866年3月18日付〈赤光〉

 共和国議会は昨3月17日、我が党が提出した「ミルズ皇国における治安維持について共和国を中心とした国際社会による支援を実施することを政府に求める決議」を可決、採択した。この決議は、国内情勢が不安定化を極めるミルズ皇国において、現在連合党政権が行なっている選挙支援では不十分であるとして、同国内の「保守党会」を名乗る軍閥を解体、当面のミルズ地域内の治安維持活動については国際社会から派遣される治安維持部隊が担うべきであり、特に先の条約で同国の憲法制定議会選挙へコミットしている我が国がその活動の中心となるべきである、という内容である。
 WTCOを通じた枠組みによる支援にこだわっているキウィク大統領とその首脳部であるが、実力組織を持たない経済同盟に過ぎないWTCOに提供可能な支援ではもはやミルズ皇国内の情勢安定化は到底望めず、FUNSCの決議を求めてそれに基づき実力によってミルズ地域の安定を回復することが、我が国が現在実施できる最善の方策である。そもそも、WTCOはあくまで経済同盟としての地位にとどめるべきなのであって、このような政治的安定化のための役割を果たす組織としてFUNが存在する以上、政権は「援助条約」などに頼らず直ちにFUNSCに本件をはかるべきだったのである。
 大統領選挙こそ「事故」のような形で敗れた我が党であるが、共和国議会においては多数派を維持しており、聞こえだけはいい「平和主義」によってミルズ地域における治安の崩壊を見過ごそうとしている連合党政権に対して、国際の正義の執行のための要求を行うことはできる。連合党政権は、この決議に従いミルズ地域の安定化のために必要な手続きを迅速に行うべきであろう。

【社説】ミルズ地域のクーデターを読む

 865年11月、ミルズ皇国軍がメイル女皇を拘束したことが報じられた。これを主導したのは「保守党会」(以下保守党)のジュリア代表であるとされており、ラルバ・アイゼンシュタイン首相も所属している「共和派」も支持を表明した。一方で、FUNSCに同国がオブザーバーを派遣した際に代表を務めたレンヤ・ミストフォールト氏が代表を務める「社会民主主義連盟」(以下社民連)については、この動向に対しなんらの反応も示していない。このクーデターの裏に隠れた情勢を理解するには、ミルズ政界の勢力図の変化に関する詳しい分析が必要になるだろう。
 社民連のレンヤ氏はFUNSCの席上でミルズ皇国の体制批判を展開しており、現時点でのミルズ政府は保守党・共和派の連立政権となっていると推測できる。また、結果が明らかになってから直ちに無効が決定された「第二回選挙」においては、社民連が大勝したことのみが注目されているが、保守党が共和派に対し明らかに優位に立つ結果となったことは注目に値する。「第二回選挙」の結果がどの程度民主的なものであったかについては定かではないが、どちらにせよ現時点で保守党が共和派を抑えてミルズ政界でより大きなパワーを持っていることについては疑いがない。ラルバ首相がその地位にとどまっていられるのは、その知名度を保守党が利用し、事実上傀儡としているからに他ならないだろう。「ラス・アノド海賊連合」に対する宣戦布告が明らかに保守党の支持基盤である軍の意向に沿ったものであることも合わせて踏まえると、現在のミルズ政府において最も大きな発言力を有するのが保守党であることはほぼ疑いない。
 一方で、保守党の内部も一枚岩ではないことが本紙記者団の調査で明らかになっている。保守党内においても、より右翼、強硬なメイル女皇を支持する派閥、(あくまで比較的に過ぎないが)穏健なアダム皇を支持する派閥の両者が存在し、ジュリア代表はその後者に属している。したがって、このクーデターは一般に言われる「政党会」間の対立ではなく、保守党内のジュリア派(アダム皇派)が対立派閥(メイル女皇派)を粛清したものであると言える。
 メイル女皇拘束の直接のきっかけとして、「女皇がデモ隊の軍事鎮圧を命じた」ことがあるとされているが、フリューゲル共同通信(一行報道)の第一報では「制圧」とされており、女皇がデモ隊の虐殺を軍に命じたか否かについては判然とせず、これは女皇拘束の「口実」でこそあれ、「原因」ではないだろう。ジュリア保守党代表は保守党が事実上ミルズ政府を掌握した情勢を踏まえて、最後の敵は保守党内の敵対派閥だと判断して粛清の機会を探っていたに違いない。
 いずれにせよ、ミルズ皇国政府は選挙の実施後に解体されることが「援助条約」によってすでに決定しているため、ミルズ政府内の派閥抗争などたいした問題ではないと言うこともできるかもしれないが、そもそも「保守党」と称する軍閥が地域内を制圧している現在のミルズにおいて適切な形で民主主義を実現するための選挙の実施が困難を極めることは想像に難くなく、連合党政権はその辺りの想像力が不足していると言わざるを得ないだろう。1面記事で述べた通り、共和国はFUNSCに対し、直ちにミルズ地域の治安回復のための措置を提案すべきであろう。

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