まあ、普蘭代表が何やら本邦が退席した!とよくわからない事で憤っておられますが、安心してください、本使はここにいるではありませんか。最終案といって出されたものに最終的な見解を表明した以上はあとは賛否の投票するのみですので、ごきげんようと申し上げたまでですが。このような優雅な挨拶もあるのだと知っていただければ幸甚です。
普蘭代表は頭に血を昇らせてばかりですと健康にもよろしくありませんので、後でお茶でもいかがですか。芹を煎じたお茶を振る舞いますよ。
さて、ルクスマグナ代表がいくつか補足されているようなので本邦の見解をお伝えするとしましょう。
ルクスマグナ代表から興味深いお話がありました。
「また我々はセリティヌム・ルクスマグナ共同宣言を遵守しておりますので、自ら対立を再燃させる意思は一切ありません。」
どこから突っ込めばいいやらわかりませんが、
・レゴリス帝国代表も指摘されておりますが、共同宣言も密に関わる今回の決議案提出に関して、一方の当事国である本邦に一言もご相談いただけなかったことは残念に思っています。とはいえ、当初は趣旨には賛同しておりましたので、特別問題視する事柄でもないように思われました。しかし今となっては、遵守する気があるのか疑わしく思います。いえ、もう反故にされているわけですが。
・ルクスマグナ代表からは『「光芹危機を含めた当時行われたセリティヌム共和政の公開質問状に始まる一連の行動」に対する国際社会の見解についての声明の発表』の要求がありました。
しかし、過去にルクスマグナ共和合衆皇国政府は、ルクスマグナ共和合衆皇国に対する公開質問状に対する回答において、自らの行いに非があった事を認め、「推薦を変える事を前もって知らせておけばこのような事態にはならなかったと承知している」と述べ、ルクスマグナ共和合衆皇国政府の連絡不足が大使召還という事態を引き起こした事を認めています。
にも関わらず、ルクスマグナ共和合衆皇国自身の非を忘れ、本邦の行為のみがさも問題であるかのように、本邦の行為に焦点を当てて国際問題化するかの如き要求で、共同宣言を反故にしていると受け止められても仕方ないのではありませんか?
・この要求に際しても、ルクスマグナ共和合衆皇国から我が国に対しては一言の相談もありませんでしたが、共同宣言の今後の扱いに関わる事柄について、一方の当事国に何の相談もないのは、ルクスマグナ代表からすると「セリティヌム・ルクスマグナ共同宣言を遵守」していることになるのでしょうか?
・本邦はDMでルクスマグナ代表に対して、決議案を巡って修正案がいくつも出されている状況から、決議案の成立、妥協の成立に向けて、協議を提案しました。これは我が国との間だけで行う事にも不安をお持ちのようですので、今回協議に参加している国々を交えた実務者協議も総会とは別に提案しましたが、ルクスマグナ代表はにべもなく拒否されました。「忙しい」理由はただその一言でした。両国間で意志疎通を積極的に行うように努めると共同宣言で合意したにも関わらず、協議そのものを拒否なさるのは、「共同宣言を遵守している」と言えるのでしょうか?
まあ、別にこの総会の場で共同宣言を反故にした事を延々と大声で非難したいわけでは御座いません。とはいえ、例をあげればキリがないほど反故にされているわけで、流石に遵守しているという仰り様は無理があるように思います。
いずれにしても共同宣言を反故になさるというのならそれも結構、自国の非を忘れて他国を糾弾なさる姿勢も結構。共同宣言を反故にするという行為に対して我々も抗議すべきところでしょうが、決議を提出したことそのものには敬意を表したい気持ちと、またルクスマグナ代表への抗議は何ら無意味という事が分かりましたので今更その意味もないでしょう。
結局のところ、ルクスマグナ代表提出の決議案は、過去の怨恨を一方的に募らせて我が国を攻撃するための材料として利用するつもりでしかなかったという事でしょうから、本邦が最終案と題された決議案に賛成するはずもありません。それこそナンセンスな話です。改めての表明となりますが、本邦は最終案に反対します。
最後に、数多くの国家が決議案の成立に向けて様々な修正案を提案した事に敬意を表します。にも関わらずルクスマグナ代表によって示された最終案はそれらの議論をほとんど反映しないままに、ちゃぶ台をひっくり返すようなものとなっている事に非常に残念に思います。何のための会期延長だったのか。本当によくわからないものです。